атсутствие:留守
【ソビエト連邦】
レーニナ中佐が日本(東京)へ行き、その後エカテリーナとアレクサンドラ大尉も日本(石垣島)に行った…そしてたった一人、ソ連軍事司令部に取り残された者がいた、その名はニーナ・セルゲーエヴィチ・フルシチョワ大尉、
石垣のアレクサンドラ・イリイチ・ブレジネワ大尉と並んで、
東京のソフィア・ウラジーミロヴィチ・レーニナ中佐の側近、部下としていつも行動を共にしソ連軍事司令部でもそこそこ顔の知れた大尉の一人である、
しかし、いつもは厳しくて口うるさいアレクサンドラがソフィアの命令やら、なにやらを伝えるので普段なかなか口を開かないニーナ、その人間性はいつも謎に包まれている、しかし、アレクサンドラやソフィアと比べれば優しいので部下たちからは結構人気がある。
《三人の人気順、》
ニーナ>ソフィア>>>アレクサンドラ
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今話はそんなニーナ大尉のお留守番の物語である。
ニーナ大尉の朝は紅茶から始まる。
紅茶と言えばイギリスのイメージだが、ロシア、ソ連もまた紅茶文化の国である。
ニーナは私物のティーポットにサモワール(スラブ諸国、イラン、トルコで湯を沸かす時に使われる伝統的な給茶器。)からお湯を注ぎ入れ、茶葉を入れる、
多くの人は「ロシアンティー(ソビエトティー?)」と聞くとジャム入りのお茶を想像するかもしれないが、ニーナはそんなもの飲まない、今日はアールグレイ。
砂時計を傾け少し蒸した後、ニーナは金属の狼の彫刻が施されたガラス製の茶器にそぉっと注ぎ、飲む、アールグレイの柑橘系の香りが心地よい。
そして"おめざ"兼朝ごはんとして、キャラメルワッフルを1つ、サクッと、そして紅茶! 合う!! フクースナ(朝から幸せ)!
そしてようやく、異変に気づく。
「…最近やけに静かだわね、レーニナ中佐がいなくなって…でもこんなに静かになるかしら…」
だが、まだ気づいていない、アレクサンドラ大尉やエカテリーナがいなくなっていることに…
紅茶をのみ終え、満足したニーナは指令部の建物を散歩する。
「ごきげんよう」
「おはようございます!フルシチョワ大尉!」
「おはよう、ポリーナ、良い朝ね、」
「はいっ!」
ニーナは部下の名前を忘れない、親しき仲にも、上司と部下の仲にも礼儀ありなのだ。
「にしても、最近は本当に静かだわね~」
近年はそこまで大きな直接的戦争もなく、ニーナ率いる中隊への戦闘要請も出ない、よって午後訓練の日は午前中にやることがあまり無いのだ、夏休みの宿題を初日に全て(日記も)終わらせるニーナ、軍隊に入ってもデスクワークは受け取ってすぐ終わらせるのだ、そして書類は提出期限まで自身の机に保管、そうすることで次の仕事が来ること無く、提出期限日までゆっくり出来るのだ…セコい!!、が、部下や上司はこの事を知らない!、上手く生きているのだ、ニーナは。 気合いと努力と仕事量でごり押しし、やっと今の大尉の座についたアレクサンドラとは違い、ニーナは知恵と適度なゴマすりと演技、仕事の質で今の地位についたのだ、そしてこれからも、そのやり方を変えるつもりはない。
「そろそろお腹が空きましたわね、お昼にいたしましょう。」
そう言ってニーナは自室からバスケットを手に取り庭へ向かった、この指令部には敷地内に大きくわけて二つの寮がある、兵卒(二等兵)から士官候補生までが入る下級寮と少尉から大佐までが入る上級寮、(少将以上の者は本舎棟に寝室つきの部屋がもらえる。) ここの指令部は「スターリン様式」の建物で、大きく高い本舎棟を真ん中にし、その両側に「山」の字の形に二つの棟が建っている
そしてその両棟の奥に寮がある。なのでこの建物を上からみると「コ」の字型になっている、この「コ」の真ん中に庭がある、訓練場はまた別にあるのでこの庭は完全な娯楽用であり、晴れた日はテーブルとかも出してあるので、そこで食事をすることも出来るのだ、しかし、鳩やカラスに食事を与えるのは、禁止!!
「今日も良い天気ね、」
そう言ってニーナはバスケットからサンドウィッチと紅茶ポットを出す、
「あ、フルシチョワ大尉、お昼ですか?」
「そうよ~」
どんなときでも笑顔で手を降る、が、心の中では…
《ニーナの心の内》
全く、五月蝿いわね、階級は…(肩の階級章を見る)ああ、下級軍曹ね、うるさいわけだわ…まったく、食事くらい静かにさせてほしいわね、粛清するわよ?
腹黒い!!
食事を終えたニーナは訓練場へ向かった、自中隊の訓練の監督のためである、だがニーナ大尉は基本何も言わない、「無理せず適度に頑張ってね~」と言うだけ!
そしてオペラグラスとバインダーを取り出し自中隊員を観察、言葉通り「無理せず適度に頑張る」本気を出さない奴を見つけると、メモ、そしてそいつが1ヶ月に1度か2度行われる演習訓練にて結果を出せなかった場合、軍上層部のコネを使いそのクズを容赦なく左遷!、そして、今日も…
《ニーナの頭の中》
…いたいた、また訓練で本気を出せないクズが…あれは…ドミトリーね、メモメモっと、、ダメなのよ、訓練で本気を出さないと、人は普段から本気を出しとかないと、いざと言う時に出せなくなるものなのよ…「いつか結果を出す」、「俺はまだ本気じゃないからこの地位にとどまっているが本気を出せば簡単に出世できる」、「俺はまだ若いから…」「次の演習で本気を出す」…甘いのよ、今朝のキャラメルワッフルより甘いのよ!、「次の演習で本気を出す」ですって?甘いのよ、自分に!、普段の訓練で本気を出せない奴は演習でどう頑張ったって結果は普段から本気を出している人の訓練以下なのよ、当然だわ~、物事は何にでも対価と言うものがあるのよ、訓練で本気を出すという対価を支払ったものだけがその対価分肉体的にも精神的にも強くなれるの、だから私も毎朝、自分で割った薪でサモワールを沸かし、茶葉の量を量るという対価を支払って最高の一杯を楽しむのよ、、、
ーーー、おや、ポーリナ、あの子はしっかり対価を支払っているわね、エライわポーリナとなりのドミトリーとは違って、ドミトリーは何なのかしら隣で自分より年齢も階級も若い女の子が頑張っているのに…やっぱりドミトリーは粛清ね、サボり癖が腐った蜜柑箱の様に可愛い可愛いポーリナに移ったら大変だもの、あぁポーリナ、私は応援してるわよ、訓練でで本気を出すエライ子、あらあら、そんなに汗だくになってまでしてまだ頑張るのね…これは今度お茶に誘ってあげようかしら。
ーーーーニーナ、一番恐ろしいタイプの上司…叱って伸ばすアレクサンドラとは違う、放置して延びる子は応援し、延びない子は切り捨てる…
【夕暮れ】
〔ザッザッザッ〕
「まだ訓練しているの?ポーリナ、」
「はっ!フルシチョワ大尉!!、」
「他の皆はもうとっくに寮に戻ったわよ?」
「はいっ!、ですが自分は他の方々とは違い新入りですし、」
「ポーリナはエライわね、」
「もったいないお言葉!、」
「まだ訓練するの?」
「はい、自分は女ですので、男性隊員の倍は頑張らないと…」
「我がソビエト軍に男も女も関係ないわ?、私だってアレクだってレーニナ中佐だって、女よ?」
「はいっ、お三方は特に、訓練を頑張ってこられたと聞いておりますっ!!」
「…それはあの二人だけよ、私は人一倍何て頑張らなかったわ…」
「…?」
「だからポーリナ、あなたはエライ!」
「ありがとうございます!」
「それはそうと…次の日曜日は暇かしら?」
「は、はい!」
「ならば私とお茶でもどう?」
「わ、私なんかでよろしいのですか?」
「ええ、貴女がいいわ。」
「こ、光栄です!!」
「じゃあ楽しみにしてるわね。」
「はっ!ありがとうございます!」
【夜】
暇ね…なにか面白いことないかしら…あ、そうだわ!特別研究室にいるエカテリーナを茶化しに行きましょう!!
【特別研究室】
〔ガチャっ〕
「エカテリーナ、いるかしら?」
…あら?いないわ?、脱走かしら…いや、監視員のアレクもいない…きっと二人でお花摘みね!、仲が良いこと!、仕方ないわね、戻りましょ。




