Яамадела:山寺
【山形県】
凛とソフィアはこの日、山形県に来ていた。
山寺駅という駅で降りた2人は大きく息を吸い込んだ、
味のある駅のホームからは木々が生い茂った崖が見渡せ、その真ん中らへんにぽつりぽつりと建物の屋根が見える。
「今からあそこ登って、あの建物まで行くんだよ!」
「!!?」
「よし行こう!!」
…あの崖を登るのか!!?
木が生い茂っていて詳しい地形はわからなかったがおそらくは急な斜面だろう、
そしてその上の方に屋根だけ見えているあの建物まで…似たような訓練を軍にいた頃もやらされたことはあるが…日本人は一般人でも軍隊レベルの訓練を行うのだな、、ん、って、周りを見るとお年寄りも多々いるではないか、
す、すごい、日本のお年寄りは崖をも登るのか、
「ソフィア、まずは腹ごしらえ、はいどうぞ!!」
「スパシーバ。」
…凛から何か貰った。
なんだろこれ、串に丸いものが3つついている、、
シャシリク??
(※シャシリクとは、ソビエト、ロシアの肉の串焼きの料理、BBQ、家で作ったりダーチャ(別荘)、屋台等で食べる。)
「力蒟蒻だよ。」
「チカラコンニャク?」
「うん、なんかね、食べると力が出るんだよ、そして、この後登る立石寺の1015の階段を登れるようになるん。」
「1015!!?」
「1段登ると1つ煩悩が消えるの。」
「ボンノウ?」
「…やましい心。」
「ヤマシイ?」
「…」
こんにゃくを食べる。
…いただきまーす…って、熱っ!!、
まあ、さっきまで煮られていたものを目の前で串に刺して渡してくれたからなぁ、味は…しょっぱい、こんにゃくによくしょっぱさが染み込んでいるようだ、
こんにゃく…なんとも不思議な…ぐにぐにしている、
…これを食べると力が湧いてくると言っていたが…この"こんにゃく"は一体何からできているのか…それがわかればソビエト軍の戦地での飯に使える…
ーーー
2人は山の入口に来た。
「さあ登るよ!!」
「マジでか。いざ来てみると急だな…斜面が…」
「あ、猫!!」
「кошка(ネコっ)!?!!!」
「猫だー」
「ネコ…、三毛猫…、日本って感じだな。」
「かわいいねー!」
ーーー
登り始めると階段は不規則な古い石の階段となる、
辺りの風景も街だったのが360°森に変わる。
「あ、кошка(ネコ)!!」
「猫ね、」
「ネコ。」
「猫〜、かわいいね」
「さっきのネコの家族かな、」
「そうかもね〜」
ーーー
広い立石寺の道は死後の世界を表している、
2人は姥堂までやってきた、
ここには鬼婆が祀られている、
この鬼婆は三途の川のほとりにいて亡者の着物を奪い取るという奪衣婆のことで地蔵尊と並んで祭られている。
姥堂は、これを境にした極楽(上方)と地獄(下方)との分かれ目とされ、極楽浄土への入口と説かれている。
この説明を凛から聞いたソフィアが一言、
「こわいね。」
人が死んだ後に最初に出会う冥界の官吏が奪衣婆とされている、
奪衣婆は三途の川の手前におり、死んだ者の衣服を剥ぎ取り、
剥ぎ取った衣類は懸衣翁という老爺の鬼によって川の畔に立つ衣領樹という大樹にかけられる。衣領樹に掛けた亡者の衣の重さにはその者の生前の業が現れ、その重さによって死後の処遇を決めるとされる。
この説明を聞いたソフィアが一言、
「なんかキリスト教にもそういうのいるよ、宗教はあんま習ってないからよく知らないけど、蛇っぽい人(?)がいて、その尻尾を死んだ人に巻き付けるんだけど、その巻き付く数で地獄の深さが決まるの。」
それを聞いて凛が一言、
「…なんか痛そうだね。」
「痛い。」
ーーー
2人は姥堂を通り過ぎ、大きな岩が崖から露出している場所に来た。
あの岩は、松尾芭蕉が奥の細道で、「閑さや岩にしみ入る蝉の声」と詠った岩らしいよ。
「マツオバショウ?」
「あ、そっか、知らないか、この山の入口にたっていた銅像のお爺さんだよ」
「偉い人?」
「んー、私よりは少なくとも偉い。」
「んー。」
ーー続く。
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