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第99話 世界管理機構
数ヶ月後。
諸国会議とアストラの学術評議会、商会連合、亜人連盟の協議の末、一つの新しい枠組みが生まれた。
世界管理機構
大層な名前だが、やることは案外地味だ。
召喚術や高位古代術の監視。
職業理の異常観測。
中立地帯の保全。
国家単独で理へ干渉しないための共同管理。
「世界管理って、名前だけ聞くとすごい胡散臭いな」
俺が言うと、フィリアが即答した。
「実際かなり危ういわよ。だからこそ複数の国と勢力で縛るの」
王国一国に任せた結果が、あの禁術だった。
なら今度は、誰か一人に握らせない仕組みがいる。
大雅は資料を見ながら顔をしかめる。
「会議、多くね?」
「多い」
「俺やっぱ向いてねえわ」
「知ってる」
玲奈は少しだけ笑う。
「でも、必要ですよね。こういうの」
「ああ」
俺は頷く。
「王国みたいなことを、もうどこにもやらせないために」
そして、そこには俺にも役目があった。
空位の器の観測者。
理の異常確認者。
言ってみれば、世界管理機構の“最後の非常手段”。
「重い役目ね」
美咲さんが言う。
「今さら軽いのは来ないだろ」
「違いないわ」
世界そのものを管理する、なんて大袈裟だ。
でも少なくとも、壊れた時に誰も責任を取らない世界よりはマシだと思えた。




