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職業なしの俺、実は“触れるだけで全職業を奪える”最強のバグ持ちでした ~ 召喚された王国に見捨てられたので、自由に生きてたら世界の勢力図が変わってた~  作者: 天音天成
第10章 無職は王にならない

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第97話 それぞれの答え

王国からの申し出を断った夜、倉庫では小さな酒盛りが開かれた。


「王にならないって即答できるの、相沢くらいだろ」

 大雅が笑う。


「なりたいやつがなれよ」

「俺は無理」

「だろうな」


玲奈は杯を傾けながら、少しだけ真面目な顔をしていた。


「私、考えてたんです」

「何を?」

 俺が聞く。


「これから、どうしたいか」


王国を止める。


 先輩を助ける。


 そこまではずっと必死だった。


でも戦いが終わった今、その先を自分で選ばなきゃいけない。


「私、弓を続けます」

 玲奈は言った。

「でももう、誰かに与えられた役目としてじゃなくて。自分で守りたいものを守るために」


「いい答えね」

 美咲さんが微笑む。


「美咲さんは?」

 玲奈が聞き返す。


「私は……治す側にいたい」

 彼女は静かに答えた。

「体も、心も、関係も。全部は無理でも、少しずつでも」


その言葉は彼女らしいと思った。


大雅は肩をすくめる。


「俺は剣しかないからな。しばらくは護衛とか、面倒事の抑え役でもやる」

「十分すぎる」

 俺が言うと、

「だろ?」

 と少し得意げだった。


ルナは少し考えてから言った。


「ルナは、コーイチといる」

「それは前から聞いてる」

「うん。でも、前よりちゃんと決めた」

 まっすぐな目だった。

「いるって決めた」


短いが、それがルナの答えなんだろう。


全員が、それぞれの答えを持ち始めている。


戦いが終わっても、人生は続く。


 ここからどう生きるかは、もう王国じゃなく自分で決めるしかない。

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