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職業なしの俺、実は“触れるだけで全職業を奪える”最強のバグ持ちでした ~ 召喚された王国に見捨てられたので、自由に生きてたら世界の勢力図が変わってた~  作者: 天音天成
第8章 王都潜入

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第65話 王都への道

 証言会の翌日、サニアが持ち込んだ情報は重かった。


「王都の動きが変わった」

「どう変わった?」

 俺が聞く。


「城下の検問強化、旧神殿跡と廃鉱区の関係者整理、それから召喚関連文書の移送」

 サニアは地図を広げる。

「隠滅に入ってる」


 フィリアも頷いた。


「証拠を焼く気ね。もしくは中枢へ集めて保護するか」


 どちらにせよ、猶予は少ない。


「つまり」

 玲奈が息を呑む。

「王都に行かなきゃいけない?」


「たぶんね」

 美咲さんが静かに答える。

「本当に第二召喚を止めるなら、中枢を叩くしかない」


 嫌でもそこへ行き着く。


 今までは外側の証拠だった。


 でも王国そのものを止めるには、王都で動いている召喚中枢を押さえるしかない。


「危険すぎるだろ」

 俺が言う。

「向こうは完全にこっちを危険人物扱いしてる」


「だから正面からじゃない」

 フィリアがさらっと言う。

「潜るのよ」


 潜入。


 その言葉に、ルナが小さく目を細めた。


「ルナ、そういうの好き」

「頼もしいな」

「でも、王都は嫌い」


 それも分かる。


 美咲さんは王都の地図を見ながら、小さく息を吐いた。


「城下の構造はある程度覚えてる。神殿区、貴族区、王城周辺、抜け道も少しは」

「私も訓練場周りなら」

 玲奈が言う。


 王都への道は、もう見えている。


 問題は、その先でどう動くかだ。


「まずは情報整理だな」

 俺が言う。

「誰がどこに入るか、何を取るか、どう逃げるか」


「久々ですね、この感じ」

 玲奈が苦笑する。

「会社のプロジェクト会議みたい」

「内容は最悪だけどな」


 でも似ていた。


 役割を決めて、工程を整理して、失敗した時の代替案まで考える。


 違うのは、失敗したら死ぬかもしれないことくらいだ。


 王都への道は遠くない。


 そしてその道は、もう後戻りのきかない場所へ続いていた。

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