表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
職業なしの俺、実は“触れるだけで全職業を奪える”最強のバグ持ちでした ~ 召喚された王国に見捨てられたので、自由に生きてたら世界の勢力図が変わってた~  作者: 天音天成
第7章 第二召喚計画

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
57/100

第57話 奪われた人々

 交戦は避けられなかった。


 玲奈の矢が先制し、ルナが側面から突っ込み、俺と美咲さんが中央を抑える。だが敵の数が多い。しかも施設防衛に特化しているらしく、連携が固い。


 その最中、奥の檻区画に気づいたのはルナだった。


「コーイチ! あっち!」


 視線を向けると、金属格子の向こうに人影が見えた。


 最初は囚人かと思った。


 だが違う。


 並んでいたのは、痩せた子供や若い男女、獣人、亜人、人間。服装はばらばらだが、共通しているのは目の虚ろさだった。


「……何だよ、これ」

 俺の声が低くなる。


 術者の一人が叫ぶ。

「素材区画へ近づかせるな!」


 素材。


 その単語だけで、怒りが沸騰した。


 こいつら、召喚だけじゃない。人を材料として扱っている。


「美咲さん!」

「分かってる!」


 結界が広がり、檻前の兵を一瞬止める。俺はその隙に突っ込み、格子を固定していた錠前を叩き斬った。


 開いた扉の向こう、近くにいた少女がびくりと身を引く。


「大丈夫だ」

 俺はできるだけ抑えた声で言う。

「助けに来た」


 だが、その目には怯えしかない。


 無理もない。


 ここにいた時間が長すぎたのだろう。


「玲奈! 後ろ!」

 ルナの叫びで振り返る。


 敵兵が回り込んできていた。


 俺は咄嗟に腕を掴む。流れ込むのは拘束術と制圧技能。嫌な感覚だが、今は使う。関節を逆に取り、そのまま床へ叩きつける。


「みんな、動ける人から外へ!」

 玲奈が叫ぶ。

「出口はこっちです!」


 だが全員が動けるわけじゃない。衰弱している者も多い。


 美咲さんがその場で回復術を展開する。


 淡い光が広がり、倒れていた数人がようやく顔を上げた。


「ありがとう……」

 掠れた声が聞こえる。


 それだけで十分だった。


「ルナ! 担げる人は頼む!」

「うん!」


 この施設は、王国の禁術研究のためだけじゃない。


 人を奪い、閉じ込め、試験していた。


 職業定着、適合率、界外接続。全部の裏に、奪われた人々がいる。


 俺たちは証拠だけでなく、この現実そのものを持ち帰らなければならない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ