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職業なしの俺、実は“触れるだけで全職業を奪える”最強のバグ持ちでした ~ 召喚された王国に見捨てられたので、自由に生きてたら世界の勢力図が変わってた~  作者: 天音天成
第7章 第二召喚計画

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第54話 戦場の真実

 サニアの交易路護衛を続けるうち、俺たちは王国の裏のやり方をさらに知ることになった。


 襲ってくるのは、必ずしも王国兵だけじゃない。


 流民を装った傭兵、飢えた盗賊団、操られたように動く魔物。どれも表向きは王国と無関係に見える。だが装備、連携、補給経路を辿ると、どこかで王国の影が見える。


「これ、もう戦争じゃん」

 玲奈が討ち漏らしの短剣を拾いながら言う。


「表に出てないだけでな」

 俺は答える。


 今回も、薬材を運ぶ小規模商隊が襲われた。


 だが盗賊にしては撤退判断が早すぎるし、魔物の誘導まで絡んでいた。しかも倒した一人の腕に触れた時、流れ込んできたのは戦場後方支援の技能だった。


「ただの賊じゃない」

 俺が低く言う。

「兵站崩しに慣れてる」


 サニアが舌打ちした。


「商いを狙ってるんじゃない。街を干上がらせるつもりだよ」


 物資が滞れば、不満が溜まる。治安が悪化する。都市は内部から弱る。王国はそこまで見てやっている。


「最低ですね」

 美咲さんの声も冷えていた。


「戦場って、前線だけじゃないんだな」

 俺がぽつりと呟くと、サニアが苦く笑う。


「今さら気づいたかい。食い物、薬、道、噂、金。全部戦場だよ」


 その言葉は重かった。


 俺はこれまで、戦うと言えば剣や魔法のことだと思っていた。だが本当は違う。生きるための土台そのものが、既に戦場なのだ。


 そして王国は、そこを狙うことにまるで躊躇がない。


「だったら」

 俺は手にした書類束を見た。

「こっちも、戦い方を変えないといけないな」


 ただ前線で勝つだけでは意味がない。


 王国が壊そうとしているものを繋ぎ止め、奪おうとしている信用を逆にこちらの力へ変える必要がある。


 戦場の真実は、想像以上に泥臭かった。


 だが今の俺たちには、その泥臭さの方がむしろ現実的だった。

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