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職業なしの俺、実は“触れるだけで全職業を奪える”最強のバグ持ちでした ~ 召喚された王国に見捨てられたので、自由に生きてたら世界の勢力図が変わってた~  作者: 天音天成
第7章 第二召喚計画

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第52話 第二召喚計画

 フィリアが木箱の底から見つけた一枚の資料は、他のどの証拠よりも重かった。


 表紙には簡潔に、だがはっきりと記されている。


 第二召喚計画・再構築案


「……ほんとにあったのね」

 美咲さんが低く呟く。


 俺はその資料をめくりながら、胃の奥が冷えていくのを感じていた。


 内容は断片的だが十分だった。前回の召喚結果を踏まえ、より管理しやすい対象を選定し、高位職定着率を向上させ、例外個体の発生を抑制する――そんなことが平然と書かれている。


「例外個体、ってやっぱり先輩ですよね」

 玲奈が顔をしかめる。

「露骨すぎるだろ……」


 フィリアは羊皮紙を何枚か並べた。


「前回の失敗点として、“器型変異”“職業未定着”“従属補正不完全”が挙げられてる」

「人間のことを物みたいに」

 美咲さんの声は冷たかった。


「王国にとっては、最初から物だったんでしょうね」

 フィリアは淡々と返す。

「戦力として召喚して、使いやすい形に整えて、国家資産として運用する。その延長よ」


 最悪だった。


 だが同時に、ようやく輪郭が見えてくる。


 王国は一度目で味をしめたのだ。


 聖導姫、精霊弓姫、剣聖、賢王参謀。高位職を得た召喚者たちは、王国にとって想像以上の成果だった。その一方で、俺みたいな異物も出た。だから次は、もっと精度を上げて、余計な例外を消すつもりなのだろう。


「止めないと」

 玲奈が強く言う。

「絶対に」


「ええ」

 美咲さんも頷く。

「もう、同じ目に遭う人を増やしちゃいけない」


 俺は資料を閉じた。


 追放されたことへの怒りは、まだ消えていない。


 でも今はそれだけじゃない。もしこれを見過ごせば、俺たちと同じように勝手に呼ばれて、人生を壊される誰かがまた出る。


「第二召喚計画、潰す」

 俺ははっきり言った。

「王国の禁術も、召喚も、全部だ」


 ルナが静かに頷く。

「うん。それ、嫌い」


 短いが十分だった。


 無職の旗は、ただ王国から逃げるだけじゃない。


 次は、王国がやろうとしていることを止めるために動く。

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