表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
職業なしの俺、実は“触れるだけで全職業を奪える”最強のバグ持ちでした ~ 召喚された王国に見捨てられたので、自由に生きてたら世界の勢力図が変わってた~  作者: 天音天成
第6章 禁術の証拠

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
47/100

第47話 敵では終われない

アストラへ戻った翌日、俺たちは木箱の中身を整理した。

フィリア、サニア、そしてギルド側の口が堅い人間を最低限だけ交える。


「うわ、これは本気でやばいわね」

 フィリアが一枚目を見た瞬間に言った。


「召喚陣の改造記録?」

 俺が聞く。

「それだけじゃない。職業定着補助に精神誘導、適応強化、制御性評価……王国、想像より数段悪質よ」


サニアも資料を見て舌打ちした。


「これが本物なら、商会どころか諸国全部が黙っちゃいないよ」

「でも出し方を間違えると、逆に握り潰される」

 美咲さんが冷静に言う。


その通りだった。

証拠はある。

でも、見せれば勝ちじゃない。

どこに、どう出すかで全部変わる。


「それに」

 フィリアが別の紙束をめくる。

「この資料、途中で繋がってる。王国単独じゃないかもしれない」


「どういうことだ?」

「古代術の解析系統が複数あるの。王国の宮廷魔術師だけじゃなく、外部協力者がいる筆致」


つまり、王国の裏にはまだ何かいる。

厄介すぎる。

その時、サニアが机を軽く叩いた。


「だからこそ、敵を一つに決めない方がいい」

「……?」

「王国と敵対してる連中は、人間国家にも亜人国家にもいる。全部まとめて敵味方で分けると、利用できる手札まで捨てることになる」


セラフィナとの接触を思い出す。

敵では終われない。

そういう相手が増え始めている。


「魔人側とも、条件次第では組むべきだと?」

 俺が聞く。


「組むって言い方は早いけどね」

 サニアは肩をすくめる。

「少なくとも、王国より話が通じるなら使えばいい」


フィリアも珍しく同意した。


「研究資料の保全だけ考えても、その方が合理的ね」


そこで玲奈が少し不安そうに言う。


「でも……私たち、王国から見たら完全に敵国通じですよね」

「もう今さらだろ」

 俺が言うと、玲奈は複雑そうに笑った。

「それもそうなんですけど」


美咲さんが静かに口を開く。


「私は、王国を止めたい」

「美咲さん」

「でも、人間全部と敵対したいわけじゃない。王国にいる普通の人たちまで、敵にしたいわけじゃないの」


その言葉に、俺も頷いた。

同じだ。

王国を壊したいわけじゃない。

王国の嘘と禁術を止めたい。

そのために、敵では終われない相手がいるなら、利用する。


「じゃあ決まりだな」

 俺は言う。

「王国以外で組める相手は選ぶ。国や種族じゃなく、目的で見る」

「賛成」

 サニア。

「妥当ね」

 フィリア。

「うん」

 ルナ。


玲奈も美咲さんも、最後に頷いた。

線引きが少し変わる。

人間か、魔人か。

王国か、反王国か。

そんな単純な話ではもうない。

この戦いは、もっと入り組んでいる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ