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職業なしの俺、実は“触れるだけで全職業を奪える”最強のバグ持ちでした ~ 召喚された王国に見捨てられたので、自由に生きてたら世界の勢力図が変わってた~  作者: 天音天成
第5章 自由都市アストラ

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第38話 襲撃者たちの正体

王国の手紙が届いた翌晩、宿の周辺に妙な気配が増えた。


「外、四人……いや、もっと」

 ルナが低く言う。

「武器あり」

「やっぱり来たか」

 俺は短剣に手をかけた。


窓の隙間から見ると、裏路地に紛れるように男たちが散っている。冒険者風の格好だが、動きが整いすぎていた。さらに、屋根の上にも気配。


「賞金稼ぎじゃないですね」

 玲奈が囁く。

「ええ。処理班ね」

 美咲さんの表情が冷える。


宿を巻き込みたくない。俺たちは最低限の荷だけ持ち、裏窓から脱出した。だが相手はそれも読んでいたらしい。


「いたぞ!」

 叫びと共に、屋根上から投網が落ちる。


咄嗟に横へ転がって避ける。ルナが一番早く動き、着地した男の膝を蹴り砕くように崩した。


玲奈の矢が飛ぶ。灯りを消すための一射。路地が暗くなり、相手の視界が鈍る。


「いいぞ!」

 俺は気配を薄くしながら死角へ回る。潜伏系の断片がここで生きる。相手の連携役へ近づき、腕に触れる。流れ込んだのは追跡術と簡易暗号の感覚。やはりただの賞金稼ぎじゃない。


「王国だな」

 そう吐き捨てながら、腹へ一撃入れる。


美咲さんは結界で一時的に路地を塞ぎ、ルナは白兵戦で前線を崩す。玲奈は高所から援護。かなり連携が仕上がってきていた。


最後に一人だけ取り押さえ、俺たちは顔を覆っていた布を剥いだ。すると首筋に小さな印が見えた。王国軍、それも参謀部付きの特殊隊の印だ。


「神崎先輩……」

 玲奈が息を呑む。


捕らえた男は最初こそ黙っていたが、ルナに無言で睨まれたのと、俺が王国印を見せつけたことで観念したらしい。


「命令主は……賢王参謀、神崎殿だ」


やっぱり、か。


俺は静かに息を吐いた。


神崎はもう、俺を元同僚ではなく“処分すべき対象”として完全に見ている。

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