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職業なしの俺、実は“触れるだけで全職業を奪える”最強のバグ持ちでした ~ 召喚された王国に見捨てられたので、自由に生きてたら世界の勢力図が変わってた~  作者: 天音天成
第5章 自由都市アストラ

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第31話 逃亡ではなく撤退

ラドスを離れて三日。俺たちは街道を外れ、小村と森の縁をつなぐように進んでいた。目的地は自由都市アストラ。王国の兵が正面から動きにくく、人間も亜人も入り混じる中立地帯だ。


昼過ぎ、木陰で短い休憩を取る。ルナは周囲を警戒し、玲奈は水筒を確かめ、美咲さんは地図を広げた。


「今のところ、王国の本格的な追跡は来ていないわね」

「完全に諦めたわけじゃないだろうけどな」

「検問は増えてました」

 玲奈が渋い顔で言う。

「村の入口にも王国の通達、貼ってありましたし」


俺の似顔絵つきの手配書だ。似ているようで微妙に似ていないのが救いだった。


ルナが焚火跡の石をつつきながら言う。

「これ、逃げてるだけじゃない」

「どういう意味だ?」

「下がってる。次に進むために」


その言葉に、少しだけ笑ってしまった。

「……撤退か」

「それ」

「言い方としては悪くないな」


敗走じゃない。立て直すための後退だ。そう考えるだけで、足取りが少し軽くなる気がした。


「だったら、アストラに着いたら終わりじゃないな」

 俺は荷を背負い直す。

「そこからが本番だ」

「うん」

 ルナが頷く。

「だから、ちゃんと撤退する」


王国に追われているのは事実だ。けれど、ただ追われるだけで終わるつもりはない。そう胸の内で言い聞かせながら、俺たちは再び歩き出した。

新連載始めました。

異世界の賢者が日本のおじさんに転生して色々無双する話です。


https://ncode.syosetu.com/n6915mb/


明るめの話になっているので興味のある方はお読みください

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