第5話 試験は真剣で!
「では、順に始めます!」
俺は試験のために、いっしょに呼ばれていた二人と同じくそこそこ大きく間隔を開けて、横一列に並ぶ。
なんだかさっきまでとは雰囲気が違う。
試験の見物人がとても多い。さっき俺が他の試験を見ていた時は、俺一人だけだった。
しかし、今は試験の終わった人はもちろん、一般の試験に参加もしていない人まで見物に集まっている。
なんだろう、嫌な予感しかない。
他の二人は、俺と同じくなんも手に持たない人で、そして自信たっぷりな感じが伝わってきている。
ヤバい!
この人数の前でしくじれないし、プレッシャーが半端じゃない!
周囲のざわつきがピタリと止まった。
その瞬間、
「ハアァァァ! 雷の咆哮!」
ドゴンと破裂するような耳をつんざく音が鳴り響き、強烈な光が地面に叩きつけられた。
あまりの衝撃に見物人が驚いていると、何人もの試験官がその地面に近づき、大きな声で審議を始めた。
「ロイ・ツバード 朱結晶級!!」
周囲は驚きの声をさらに大きくした。
「次!」
またもやピタリと話声が止まる。
次というのは俺の番だ。緊張するがやるしかない!
俺は掲げた右手を黒く染めて、地面を突き刺す!そして周囲の地面を限界まで黒く染めてから、バカデカい剣の形に地面を切り取る!
「どうだ!」
俺はその剣を地面から引っこ抜き、空へかざす!
その剣の大きさは4mちかくあり、流石に試験官も腰を抜かすしかないだろう!
「ユウ・タチバナ 緑結晶級!」
おおーと周囲は多少ざわついたものの、あの強烈な光の前には全くインパクトが足りなかったっぽい。
そういえば、等級自体どんなのがあるとか知らなかったが、緑結晶級というのがどれくらいの等級かは試験官のテンションで一目瞭然だった。
負けだ。そう考えると、今隣に立つルイとかいう奴と同じ場所に立っているのが恥ずかしい。
とりあえず剣は元の地面にまた突き刺しておく。
そして、俺はせめてカッコよく去ろうと体を黒くしてひとっとびで場を後にしようとしたが、一旦右手の黒いのを解除した時にまた激痛が走り、あえなく断念。
俺はとぼとぼと歩いてその場を去った。
俺はギルドの中に入り、登録が終わるまで席に座って待っていた。
丸テーブルに突っ伏していると、
「どうだった?タチバナくん。」
彼女の声が聞こえた。
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