第2話 異世界ですか?異世界なんですか?
「大丈夫?」
と声が聞こえた。
振り返るとそこにいたのは、
黒髪で黒い瞳を持った美少女だった。
「...あ...あんた誰..ですか?」
誰なのか、それはそれで重要なことだが違う。今、目の前にいる少女に聞くべきことはもっと他にあるんだ。
「ここは何処...ですか?」
「私に質問させて」
「え、あっはい」
冷や汗が流れる。黒い瞳はどこまでも黒く吸い込まれそうでとても怖いし、その周りから出るオーラというか圧は、とても俺より身長の低い少女から感じれるようなものじゃない。
強い!そんな気がする!これまで出会ったことのある人々の比じゃないくらいには!絶対に舐めた態度をとってはダメだ!
「あなたは誰?」
「高台高校の一年の立花優です...」
声が掠れて、最後の方は何言ってんのかわからなくなったけど勢いだ!勢いで押しきろう!
「.....」
「........」
「...何で上から降ってきたの?」
..?
どういう意味だ?上から降ってきた?俺はそんなことをした覚えはないはず...
「..答えれないの?」
「お..僕のちか...いえ、わかりません。」
安易に答えるべきじゃない。この少女について何も知らないうちは。
それに俺の力については知られたらまずい。
「わからない。じゃあ、さっきの誰っていう質問についての続きなんだけど、あなたは悪魔ってやつなの?」
「??...わからない..です..」
悪魔ってなんだ?もしかしてこの少女は、初対面の人に
「あなたは悪魔ですか?」
なんて聞く結構な奴なのだろうか。
「じゃあ、あなたの質問を聞かせて?」
「...えーと...ここは何処ですか?」
「ヴィンデマン王国の周辺のギルド街の宿屋」
...信じられないし信じたくもないが、ここは学校の中でも日本の何処かでもない。
「...ここは異世界..ですか?」
「..わかった。あなたはたぶんこの世界の人じゃないってこと?」
「...はい。..です」
「良いわ。今日はまだ休んだ方が良いと思う。それにたぶん私の説明じゃわからないこともあるから、ゆっくり休んで。」
少女の答えから、この今の状況がわかるんだと勝手に予想しているが、まだこの少女が何者なのか、信用もでもない。
ただ、分かったことがある絶対に必ず。
この世界は、異世界だ。
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