第3話 世界は魔法のファンタジー
ここは異世界だった。
異世界だから、見覚えのない建物ばかり。
異世界だから、夜空には月がない。
妙に気分が落ち着いた。
今は焦って怪我をするより、先にすることがあるだろ。休もう、少女に言われたとうり休んだ方がいい。
しかし、さっきまでなんとも思っていなかった全身の痛みが俺を襲ってきた。
窓に向かったまま指一つ動かせず、倒れてしまった。
チュンチュンと鳥のさえずりが聞こえたわけでも、痛みに目を覚ましたわけでもないが、差し込んだ朝日の眩しさに目を覚ました。
痛みは感じたが、それより重たい感じがした。
体に鉛の鎖がついているわけでもなかった。
ゆっくりと立ち上がる。周りを見る。
ベッドの上には、昨日の黒い髪の少女がいた。昨日のような圧も恐怖も感じなかった。
昨日は暗くて気づかなかったが、その顔立ちは少女というよりイケメンでキリッとしていた。
ベッド周りには少し小さいバッグが一つあった。何か地図のようなものはないか探そうと、バッグを取ろうとした。
次の瞬間、体が押し潰されるように「何か」で床へ押し付けられる。
「ッッ!?」
「恩を仇で返すつもりなの?」
昨日も感じた圧だ!体が押し潰されるくらいの力だ!
「違う...地図が見たかっただけだ!」
「私が信用できるまでそのまま動かないで。」
「ところであなたは異世界からきた人なの?答えて」
「...はい..」
「じゃあしょうがない。次にあなたの魔法を教えて、隠し事はしない方がいいよ」
さっきより強く体を「何か」に押さえられる。しかし、それが何かわからない、見えない。それに魔法と言った!まさかだが、魔法のある世界なのだろうか?
「...く..黒くした所を切り取る..ま..魔法です...」
「他には?昨日あなたがいいかけたことはなに?」
「..特に何でもない....」
「じゃあいい。この世界について説明した方が先ね。」
彼女のこの世界についての説明を聞いた後、「外に行こう」
と言われたため、今は外に行こうとしているのだが、疑問が多く出てきた。
彼女の説明から、ここは魔法のある中世のヨーロッパのような世界らしい。
しかし、魔法というのがなんなのか、まだ謎なことは多くある。
外に出る準備をしている最中に気が付いたが、学ラン姿で外に出るのは良いのだろうか、憧れの世界に土足で踏み入れるようで。
あと、ポケットのなかに入ったものは全てなくなっていた。しかし、薄く赤みがかった透明の結晶が胸ポケットに入っていた。
なんなのだろうか、この結晶もだが、とても恐ろしい化け物が真っ暗な部屋にいたこともそうだ、あれは人のように見えなくもないシルエットをしていた。
重たい木でできた扉を開けて外へ出る。
真上から降り注ぐ太陽の日光はとても心地が良いものだ。
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