#841 あっ、あのチームはカーゴカプセル部分を改造したな
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壇上から降りたソラナはふーっと大きなため息を吐き出してほっとする。さあ、間もなく一次予選が始まる。
「レディー、ゴー!」
ハルトの発声により一次予選1日目Aグループ20チームによる競技が始まる。各チームには小型カプセルが支給されている。
このカプセルはスペースレールに連結予定のカーゴカプセルを模したものとされている。参加者はこのカプセルを規定寸法以内で加工して、ロイド化してマニュアルでもAI自律航法でも構わないが操船して、デブリ採取空間でできる限り大きなデブリを採取し戻ってくる。
デブリの大きさと個数、重量、所要タイムの短さにより順位をつける。重量が同じであれば、個数が少ない方が高得点となる。その上位100チームが一次予選通過できるシンプルな内容だ。
広場横にはイルミネーションを施した旗艦ルミナスが鎮座して大会に彩りを添えている。
艦体右サイドに大型3Dフォロビジョンを装着して、レースの様子や結果速報を投影する。やけにリアルなこのフォロビジョンはもちろんアリス工房の最新作だ。
スタートの号令により勢いよく飛び出したロイドは元が同じカプセルだとは信じられないくらい改造されており、個性を醸し出している。
この改造の自由度の高さもデブリ回収ロイド大会の面白さでもある。
ハルトはソラナに壊れて審判長を務めている。アリスが得点係長だ。ゴールの瞬間にデブリの大きさとタイムから得点を算出するシステムを喜んで、すぐに、提供してくれている。
速度身上のマシンがあるかと思えば、大きなデブリを探査して、素早くカプセルに収納しているものもあり、見ていて楽しい。
「お、これは速い」
「あっ、あのチームはカーゴカプセル部分を改造したな」
「あのチームもなかなかいいマシンに仕上がってるなあ」
などと、隣にいるルミナと感想を述べあっている。ちなみにルミナは副審判長である。
そしてティアナはと言えば、デブリ採取空間フィールド審判なのだ。ティアナの役目は採取空間に目を光らせて、ロイドが不正をしていなかを空間を飛び回りながら、監視する。
もし、不正があれば競技を中止、ロイドを強制回収する権限も与えられている。ティアナは開会式の直後に参加選手の目の前でティアロイドにビルドアップ、フェニックス3号に飛び乗ると”不正ロイドは発見次第粉砕する”と宣言して颯爽と採取空間に向かうパフォーマンスも見せている。




