#828 ティアロイド、がんばれー ティアナ、がんばれー
#828
最初、小惑星とティアロイドは拮抗して停止していた。
「むむむ・・」
ティアナがブースター出力を限界まで引き上げると、拮抗は崩れて、やがて小惑星は徐々にステーションベータから離脱を始める。
「ティアナ、がんばれー」
旗艦ルミナスブリッジではティアナを応援する声が響き渡る。
そしてその応援の輪はやがて宇宙大学講堂でも大合唱の波となる。
「ティアロイド、がんばれー」
応援に力を得たのか、ティアナは、ふんと踏ん張ると、小惑星をぐいぐいと押し始め、やがて軌道がそれた小惑星はステーションベータとは別の離脱軌道に入り、徐々に遠ざかる。
「やったー」
「ティアナ、よくやったぞ」
「さすがだ、ティアナ少佐」
ブリッジのあちこちから歓声が上がり、やがてそれは拍手に変わる。
その拍手はやがて宇宙大学講堂を揺るがす大きなものとなり、そしていつしか大喝采となる。
ハルトは小惑星の軌道変更に成功してほっと一息つくと、ルミナに指示する。
「よしっ、ではこれより旗艦ルミナスは宇宙大学29番ポートを離脱する。ティアロイドはルミナスへ帰還せよ」
「ティアナ、りょっかーい」
ティアナはそういうとブースターとなっていたフェニックス2号を切り離して、旗艦ルミナスへ向かう。やがてティアロイドとフェニックス2号は左右両デッキに無事着艦する。
「たっだいまー」
「おお、ティアナ、おかえり」
ティアナがブリッジに戻る頃、ソラナはうっすらとシートの上で目を覚ます。
「あっ、ここは、私気絶したんだ」
「あれ、この子、だーれ?」
ブリッジに入ったティアナはさっそくソラナに目を向ける。
「ああ、宇宙大学からインターンシップに来ているソラナ・アーレンさんだ」




