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#826 バリア展開、総員は対ショック態勢を取れ

#826


 ノバは夫であるミーナミの顔を見つめて、了承するように目で合図する。ミーナミもわかったと首肯する。だが、ソラナは否定の返事をする。


「あのお言葉ですが、私も何かお役に立ちたいです、私だって宇宙大学で様々なことを学びました、ここからいの一番に脱出する技術を学んだだけではありません」

 ハルトは一瞬考える。しかしすぐに決断する。


「わかった、ソラナちゃんはノバのサブについてくれ」

「ハルト隊長、了解です」


 ソラナはふんすっと鼻息も荒く返事をすると、指定のシートに腰を降ろす。ハルトはソラナの若くて威勢の良い返事に内心でくすっとほほ笑み、エールを送る。


「ルミナより全艦、本艦はこれよりステーションβの小惑星衝突推定位置に移動して、バリアを展開、衝突よりステーションβを守る」


 これでいいですよね、とルミナはハルトにささやく、ハルトもうん、それしかないだろうと、ルミナに向かってうなずく。


「あと10mfで小惑星が到達、バリア展開、総員は対ショック態勢を取れ」

 旗艦ルミナスは対物バリアを展開する。旗艦ルミナス全体がうっすらとプラズマ光を帯びて輝く。


「ルミナより、旗艦ルミナス対惑星相対角度上10.24767」


 旗艦ルミナスは小惑星に対して少しでも角度を付けて、艦体への衝撃を逃がして、なおかつステーションβに影響が少ない状態に移行する。


「あと3mf・・・・総員対ショック!」


 ハルトはそういうと、自分も隊長席にしっかり座ると対ショック用シートロックを動作する。


「どの程度損傷するだろうか」


 これまで大きな損傷することなく旗艦ルミナスをみんなで守ってきたが、まさかこんなことで、撃沈の危機を迎えることになるとは、予想もしなかった。


 まあ、インターワープステーションベータを守ることができればそれは大きな成果ではあるのだが。


 ハルトはここで艦長ルミナをじっと見つめる。自分の妻であり、この旗艦ルミナスそのものでもあるルミナの心情はいかがなものか。


 ハルトが少しは有名になったのかなと浮かれ気分で宇宙大学を訪問しなければ、もっと早くに小惑星の異常を察知できたに違いない、油断した自分への代償はとても大きなものになりそうだ。



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