#820 ミーナミ社長によるスペースレール(株)社員募集の講話に移ります
#820
満場の拍手が鳴り響く中、ルミ学長を先頭にハルト、ルミナ、ミーナミは壇上に入場する。
「静粛に、これよりハルト隊長によるスペースレスキュー隊フェニックスメンバー募集についてとミーナミ社長によるスペースレール㈱社員募集のついての講話があります、よく聞いて将来の一助にすることを期待します」
ルミ学長の紹介により、3人は壇上中央に進む。そして拍手の中、まずはハルトがマイクを握る。
「宇宙大学の学生の皆さん、ご紹介に与りましたハルトです」
拍手がさらに大きくなる。そしてハルトは続ける。
「私は今ここに集まっている学生さんの中からスペースレスキュー隊フェニック隊員として採用したいと考えています」
再び拍手が巻き起こる。この広い講堂の中で一体どれだけの数の学生が実際に応募してくれるだろうか?ハルトはそんな不安に駆られながらもルミ学長によって与えられた短い時間内に精一杯伝えようとする。
「フェニックス隊は宇宙空間において事故や災害時に救助活動するレスキュー隊です、我々隊員は日々過酷な訓練を重ね、有事の際に現場で対応することを任務とします、過酷な任務ではあるけれど、これまでに通常空間から境界宇宙まで様々な状況の中でレスキュー活動を行い、蓄積したノウハウは何者にも代えがたいものとなっています。志のある方、ぜひ一緒に活動しましょう」
ハルトがそう締めくくって話し終えると同時にルミ学長からの拍手が入り、それに応じるように講堂中の学生から割れんばかりの拍手が沸き起こる。
「では次にミーナミ社長によるスペースレール(株)社員募集の講話に移ります」
ミーナミはそういうと壇上中央に進んで演説を始める。その一語一句を聴衆の学生さんたちは一言一句聞き逃すまいと講堂中がしーんと静まり返る。
「みなさん、こんにちは、スペースレール㈱代表取締役社長のミーナミです、私はこの宇宙大学を卒業したばかりではありますが、縁あってフェニックス隊と関わり、その流れの中でスペースレール㈱を立ち上げて、惑星ルクレア宙域迄の開通にこぎつけることができました、これまで試験的に運行してきましたが、本格的な営業運転を控えて、運転士、運行担当、保線、駅関係など、様々な分野の人材が必要となっています、まだ実績はなにもない会社ですが、若い力をこの宇宙大学より採用できればと考えています、我々と一緒に成長してみたいみなさん、ぜひ応募してみてください」
ハルトとミーナミが揃って敬礼する。講堂内に再び拍手が湧き起こる。そのとき、講堂の防火壁だと思っていた部分のシャッターがゆっくりと上がる。
その窓から姿を現したのは、堂々たる旗艦ルミナスだ。この講堂は旗艦ルミナスを接岸したポート29番のすぐ近くらしい。旗艦ルミナスの雄姿を見た学生からどよめきが上がる。




