#794 美人で優しい奥さんと愛する子どもが待っている
#794
「そうじゃよ、だからミーシャたちはみーんな惑星エリシアのフェニックスベースに住むことができるってわけじゃ、これなら離れ離れにならなくてすむじゃろ?」
それまで黙ってエリオットの話を聞いていたミーナミが発言する。
「あの、それってスペースレール㈱の社員にとってとってもいい提案です。もちろん、毎日帰宅することができるかどうかは疑問ですが、ちゃんと帰る家が決まっていて、しかもそこには美人で優しい奥さんと愛する子どもが待っていれば、日々の安全にも力が入るというものです」
「ノバです、私も賛成です、とってもいいと思います」
ミーナミやノバの意見をエリオットはうれしそうに聞いている。
「ただ、IWS3ベータ駅から地表までのレールがまだ引けてないことと、惑星エリシア重力圏を往復できる車両がまだ用意できていないことがネックではありますね」
アミルが技術的な心配を口にする。
「おっと、そこは大丈夫だよ、アリスちゃんに任せなさい!」
今こそ出番だとばかりにアリスが大きな声で助け舟を出す。
「アリス中佐、コスモ1号には重力圏内を走行する能力はないと思いますが・・・」
「ははは、そこはね、重力圏を引っ張る補助機関車を準備するから心配しなさんな」
「具体的にはどのように?」
「ほれ、重力コントローラを装備した補助機関車を設計中だよ」
おおっ、もう設計中とは、さすがにアリスだ。
「なのでじゃな、惑星エリシアにスペースレール(株)の本社を作ろうと思うのだがどうじゃろう?」
おおっ、それはすごい。
「じゃあ、スペースレール本社と車両基地は、惑星エリシアに設置、ってことでいいですよね?」
ミーナミがこれまでの意見を社長らしくまとめる。
「ありがとうございます!」
アミルとカノン声を出して喜んでいる。どうやらこれで決まりだ。
「では、このスペースレール株式会社概要について賛成のものは拍手をお願いしたい」
エリオット国王がそう宣言するとみんなから大きな拍手が湧き起こる。その渦がこの宇宙全てにやがて広がることをハルトもミーナミも確信しているのだ。
スペースレール成功と会社設立が決まった夜、一同は当然のように大宴会を開いて、全員が大騒ぎの渦に飲み込まれる。
そして、翌日、ミーナミ、ミーシャ、アミルの3人と残りの全員を収容した旗艦ルミナスは惑星エリシアフェニックスベースに久しぶりに帰還する。




