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僕は急ぎ頭を回転思考を巡らせながら応接室に向かう。リオンにはそれらしい人物が思い出せないのだ。
ーー失礼になるよな、学友って事は同じ学年の筈だ。上級生はレーナ先輩としか交友がない。う~ん、カルスって名前にも覚えがないんだよな。、、でも、会えば分かるはずだよな。
シルビにお茶を頼むと、急ぎ待たせているという応接室に入った。
ーーあれ一人だ、護衛もいない。爵位持ちの天地族じゃないのか?
部屋に入るとソファーに腰かけて辺りをキョロキョロしながら寛いでいる少年がいた。その少年は少し幼さが残り何処か中性的な黒髪の美少年だった。
ーーんんっ?何処か、、で、、。駄目だ。思い出せない。もう正直に謝ろう。
「カルス様、お待たせして申し訳ありません。」
僕の入室を確認したカルスが立ち上がり目を見開いた。
「ほう。」
思いの他高い声だった。着ている服は上質の物に見える。背は僕より低い。
ーーやっぱり爵位持ちの天地族の息子なのか?
「あの、カルス様失礼かと思いますが、、僕と。」
その時頭の中にパンッと何かを弾いた音が響いた。
ーーんっ!?何だ。
「やはり効かぬか。、、、済まぬ。お主とは初めてだな。」
「効かぬ?初めて?、、ですか。」
ーーでも何処か、、引っ掛かる。
「我はカルス・ザンクロスだ。お主がリオン・ガーディンなのだろう?」
「そうですが、カルス・ザンクロス、様、、、ザン、クロス、、ザンクロスって!!えっ!!ええっ!!」
驚きを隠せなかったリオンの反応に何処か満足気にカルスはニヤリと口角を上げた。
「そうだ、我がザンクロス国の王、カルス・ザンクロスだ。」
ーー何で?ザンクロスの王様がここにいるんだよ。
「も、申し訳ございません、知らぬとはいえ、大変失礼致しました。」
慌てて、片足をつけて左手を胸に当て頭を下げた。
「よい。頭を上げよ、我が勝手に来た故、うーんそうだな、折角だ、お主は我をカルスと呼ぶがよい。」
ーーはっ?いやいや、それは困る。
「いえ、それでは余りにも失礼かと、、。」
「良いと言っておるぞ。黒魔装騎よ。」
カルスが自分の顎に手を当てニヤリと口角上げた。
ーーっ!?黒魔装騎って、暗黒魔装の事だよ、な、、。それじゃ、あの時の密入国バレてるよ。でも、魔装してるから顔は分かってないはずだ、よね?
僕は背中に冷や汗を流しつつ言葉を選ぶ。
「その黒魔装騎とは?」
「惚けても無駄だぞ、我はザンクロスの王だ。領内のことで知らぬことなどない。勿論それ以外もな。」
ーーバレてるのか。と言うことは勇者達との事も、、ここに来た目的は、、勇者達の戦力なのか?でもそれじゃ僕に会う意味がない。いや、ママール王国みたいに僕利用すれば、、。ショウヤ達はクラスメイトを救う事が目的だ、別にママール王国に拘るしつようはない、、か。でも、魔珠か、、。
「それでは、ザンクロスの王様が何のために。いえ、失礼致しました。その、僕に何か御用でしょうか?」
「リオンよ、我の事はカルスでよい。」
「では、カルス様。」
「うむ、単刀直入に言おう。リオン我に手を貸せ。」
密入国を理由に脅され勇者の力を欲するのかと思っていたリオンは、言葉に詰まった。
ーー王国からも僕はショウヤ達より強いとは思われてなかった筈だ、神聖魔法に長けている程度それなのに。
「て、手を貸せと言われましても、私は学生です。訳あって休学中ですが、、。確か今は天魔族の討伐で、我が王国からも勇者様を含め支援部隊が向かっている筈ですよね。」
「それは分かっておる。が、それとはまた別の話だ。お主は黒魔装騎、江藤 光一なのだろう?」
ーー転生者ってバレてる。前世の名前を知っているのは、ショウヤ達以外には、、王子達王族、学園長位だ。他の学生達が知っているのは精々前世の記憶がある程度の筈だが、何処から洩れた。
「、、、!?」
「そう、身構えんでもよい、我もこれを見せる、、魔装オールド!!」
カルスが金色の魔装を纏っている。
ーー魔装した。!?えっえっ、どういう事だ?
「どうだ。少しは話を聞く気になったか?」
「は、はい。」
カルスは魔装を解除すると、再びソファーに腰かけた。
「リオンも腰かけよ、不自然だろう。」
カルスの言葉に、周囲を探るとシルビがお茶を持って此方に向かって来てるのが分かった。
「済みません、気が動転していました。では失礼します。」
「うむ。」
カルスの返事と共に扉をノックする音と失礼しますと声が聞こえた。シルビがティーワゴンを押して入室してきた。シルビは手際よく紅茶とクッキーを僕達の前に置いて出ていった。
カルスは紅茶を一口、口に含むと再び話を始めた。
「旨いな。、、我も、、、俺も転移転生者だ、前の世界では牧野 全樹だった。」
「転移転生者ですか。」
「そうだ、と言ってもお前達が召喚されるより前、軽く200年前に召喚されている。転生も初めてではない。」
「えっ、転生が初めてじゃないって。あれ記憶は?ではカルス様は元の世界に帰れなかったと言うことで?それはつまり帰る召還魔法は存在しなかったんですね!!そ、それだと、、。」
「リオン、そう慌てるな、順番に話す。」
「はい、取り乱して済みませんでした。」
「気になっている様だから結論から言う。元の世界に帰る召還魔法は存在するぞ。」
リオンがホッとするも、カルスが「だが」と話を続けた。
「俺達は、、俺もリオンも帰る事は出来ない。」
「、、、。」
ーーやっぱり。
「その様子だと自分でも気づいてるようだな。そうだ、俺達は転生してこの世界の住人になっている。俺達は既に異世界人ではない。」
「そう、、ですね。でも、、、いいんですよクラスメイト皆がが帰れれば。」
ーー分かって、、いた。が、悲観する事はない僕には家族が、皆がいる。今は気持ちを切り替えないと。
「そうか。」
「カルス様、勇者達は500年前に召喚されてますけど、それでも元の世界に帰れるんですか?」
「ああ、それは問題ない。召還すると召喚が無かった事になる。つまり、こちらの世界で歳をいくら重ねても、こちらの世界で起こった事は無かった事になる。記憶も無くなる筈だ。」
「それは戻れば何事もなかった事に普通の学生に戻れるって事ですね。」
「ああ、そうだな。」
ーーそうか。良かった。
「その魔法はどうすればいいんですか?」
「ああ、それは俺が使える。リオンお前も使える筈だ。」
「えっ、どういう事ですか?」
「リオンも全属性の魔法が使えるのだろう?」
「はい、でも僕の魔法レベルは上級ですよ。」
「んっ?お前は全属性魔法が固有魔法じゃないのか?」
「違います。僕の固有魔法は別の魔法です。」
「そうか、分かった。」
カルスはニヤリと笑った。それはリオンに手伝わせる手段を見出だしたからだ。
「まあ、上級あれば大丈夫だろう。召還魔法は通常なら10人必要な魔法だ。召喚魔法もだがな。
各属性の魔法使いが、レベル、魔力共に同等の者で発動する合成魔法だ。
各々の魔力を一定量になるまで注ぎ込む。それは同時であり同量ずつでないと発動しない。殆ど不可能に近いのだ。
魔力は上級レベルの者で一時間程かかる。
その点、召喚魔法はそれぞれの魔力を一定量注ぎ込むだけでいい。同時、同量じゃなくても大丈夫な分、発動し易いのだ。」
ーーああ、それは確かに不可能に近いな。10人が寸狂いなく魔力を、長くて一時間も注ぐなんて無理だ。
「だが、俺達違う。莫大な魔力が必要になるが、全属性の魔力がある一人で発動可能だ。」
「なるほど、そうですね。ありがとうございます。、これで皆は大丈夫か、問題は結界塔の皆を助け出す事と、西の天魔族か。」
「では、俺と取り引きしよう。」
「取り引きですか?」
「そうだ、お前はクラスメイトを助けたいのだろう?たが、助け出す為の魔珠がない。まあ、勇者達がどうにかしようとしているみたいだがな。」
「ど、どうしてそれを?」
「俺も一国の王をしている。其ぐらいの情報を手に入れる事など容易い。それに俺は結界塔の仕組みを知っている。と言うか、俺なら結界塔の結界を解くことができる。」
「それは、、。」
「本当だ。取り引きも俺が結界を解除を条件にしよう。手を貸して欲しい。」
ーーそれなら、、。
「分かりました。それで、その手を貸すとは?、具体的に僕は何をすればいいのです?」
「俺はある男を捜し出す。場合よってはその男の勢力と戦う事になるかもしれん。」
「そうですが、そのある男とは?」
「初代勇者五和 緋色俺を召喚した男、そして、お前のクラスメイトを召喚した者だ。」
「えっ、それって、、なんで?クイール皇帝は初代勇者?そんなバカな。」
「いや、確かに初代勇者はクイール皇帝でもあったな。リオンが何故それを?」
「クイール皇帝は、、僕に毒殺を命じた奴だ。そして僕は召喚されたその日に殺された。」
「殺された?それはつまり、リオンも今の勇者達と一緒に召喚されてたって事か?」
「そうです。」
カルスは顎に手を当てて何やら思考を巡らせていた。
ーーーーーーーギルドプレートーーーーーーーー
ギルドランク E 王立学園1年生
名前 リオン・ガーディン 年齢 15歳 男性
魔装武器:暗黒の剣・暗黒の盾
戦闘能力 672
身体魔強化時【1344】
身体魔強化+無属性身体強化時《2016》
暗黒魔装+1000《3016》
《スキル・魔法》
・暗黒魔法:極 ・魔神:上
・同属魔法発動 ・合成魔法
・並行魔法 ・武神:中
・二刀流 ・忍
・超人 ・身体魔強化
・毒耐性:極 ・大地の加護
・料理 ・収納
・鑑定:下
二つ名:道具屋のパシリ :ボッチ王子
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