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〈カルス〉



数時間、時間を遡る。



 カルスのその手には眷属化したママール王から受け取った、無、火、聖、木、魔珠が握られている。カルスはその1つ1つを手に取り光に当て覗き込む。



「おめでとうございますカルス様」



 カルスは何時もの様に書斎で机に向かい腰掛けている。その斜めに後方から聞きなれた声が聞こえた。

 こいつは魔人カラス、俺が召喚した。唯一俺を裏切らない下僕だ。付き合いも長い。

 魔力不足で魔石を媒体に西の魔族を召喚しているが魔族は兵としか見ていない。

 これは彼奴が使っていた召喚魔法。苦労の末覚えた。それしか俺は生き残る術がなかったんだ。

 だが、カラスと契約していると殆どの魔力を持っていかれる。この体になって魔眼の効率が悪い。魔力が足りない。



「カラス。あれから何年経った?」



ポツリと呟いたその言葉には、懐かしさとも、怒りとも、憎悪とも、何とも言い様のない感情が胸の奥底に渦巻いていた。



「あれからと言いますか、私がカルス様に仕えてからですと既に700年位は経っています。細かい所は勘弁してください。」



「済まんな。」



「私達は時間の間隔があまりないもので、それで、カルス様。いよいよですか?」



「ああ、そうだ。」



ーーこれで、、。



 カルスはその魔珠を1つ1つぐっと握り締める。カルスが解除を唱えると無魔珠、火魔珠、聖魔珠、木魔珠の込められた魔素が体内へと取り込まれた。



ーーふう。



 魔素を取り込まれ残った空の魔珠は砂の様にサラサラと崩れ去った。本来は、ある目的で創られていた魔珠は魔素を取り込んだ所で崩れる事はなかった。

 だが、本来の持ち主へと帰った為、存在する役目を終えたのだ。



ーーやっと取り戻した、これでお前を。



カルスは瞳を閉じてステータスを確認していた。



「どうですか?」



「ああ、問題ない。上手く行った。魔装も問題ない。」



 俺は牧野 全樹(まきの ぜんき)だった。忘れもしない高校2年の秋俺はこの世界に召喚された。初代勇者五和 緋色(いつわ ひいろ)の手によって。



 彼奴の第一声は「やっと持っている奴が来たよ」だった。

 人を勝手に異世界召喚したのに悪びれる事もなくだ。その時は気が動転していて気付かなかった。やっと、と奴は言った。



ーーあの時、もう少し警戒すれば、俺より前にも何人も召喚していた筈だ。



彼奴は言った。



「ここはクイール帝国で、この大陸はクイール帝国が支配しているから平和なんだと、ただ、西の大陸には天魔族と言う凶悪の上強力な種族が居て、東の大陸に侵略しようとしている。

 僕はこの大陸の平和を護りたい。」と、でも俺にそんな事を言われても困った。

 そして俺はそんな力はないと言ったが、「君にはある」と言った。

 自分の創造魔法で創った鑑定眼鏡で確認したから分かるんだと。そして魔法の事、魔装の事を教えてくれ、発動の仕方まで教えてくれた。



 彼奴は結界塔を創ったが、それを発動する為に全ての属性魔法スキルのレベル極がいるのだと。

 その器になる空魔珠は創ったが属性魔法極レベルの保持者が居なかったらしい。



ーーここでも俺は騙されていた。発動しても維持する為に30人の高い魔力保持者が必要だという事を。



 しかも空魔珠はスキル事入れないと意味がなく、提供者は魔法が使えなくなってしまうんだと。



 悲痛な面持ちで彼奴は俺を見て言った。俺だったら、レベルも属性も全て当てはまるのだと、それに彼奴は召還魔法を使えるから俺が魔法を使えなくなっても直ぐに元の世界に戻すから心配しなくても大丈夫だと、協力して欲しいと泣いて訴えてきた。



ーーこれも演技だったんだ。



 俺は直ぐに飛び付いた。俺は元の世界に体の悪い母親と妹を残していた。心配で堪らなかったのだ。



ーー母さん、リコ。今頃は、、いや、やめよう。



 俺は直ぐ取り掛かった。直ぐにでも帰りたかったからだ。数時間掛けて空の魔珠に全属性魔法を入れ終わると、俺は体に力が入らず片足を立て座っていた。気を抜けば倒れてしまいそうな位のダルさだった。



 彼奴はそんな姿の俺を見て不適に笑うと1つの黒紫の魔珠を俺に向けた。

 首を傾げた俺に、これは〈輪廻転生〉と言うスキルを創っていると途中なのだと。死んでも前世の記憶を持って転生出来る凄いスキルになるのだと、そして、それにはまだ材料が足りていないと言って俺の胸に剣を突き刺した。



 薄れ行く意識の中で奴を睨む事しか出来なかったが、気づけば俺転生していた。下級天魔族に〈輪廻転生〉のスキルつきでだ。



 絶望の数々だった、直ぐに元の世界に帰れない上に、属性魔法が一切使えなかった。

 俺の地位は下級の中でも底辺になった。

 それでも、かなりの時間を有して魔眼スキルと彼奴が使っていた召喚魔法を覚えた。

 そして情報を得る為カラスを召喚した。元の世界に戻るまでは死ねなかった。戻ると信じていた。



 俺は優先的に戻る方法をカラスに探させていた。

 そして西に大陸の最西部に古い城跡に古文書があった。そこで召還魔法が存在することを知ったが、その事実を知らなければ良かったとも思った。

 それは、この世界に転生した時点で召還魔法の対称とされないと言う事実に。



ーそして、全属性魔法を同等の魔力で一時間程の注ぎ込まないと発動しないんと、途中で何れか1つでも魔力が入り過ぎても駄目だとか、これだと、あの時も彼奴は嘘を言ったのかもしれんな。



 それから俺はただ時間だけ過ぎる日々を送った。天魔族の寿命は長い、生命力、再生力も高い為、簡単に死ねない。その為比較的温厚な人が多いかったので、此方から仕掛けない限りトラブルには成らなかった。



 そんな時東の大陸から天地族が攻めてきた。友好関係を築いていると聞いていたのに、俺は耳を疑った。なんてバカな事を。



 そしてこの時、俺は彼奴を見つけた。200年は経っているのにだ。彼奴は少し老けていたが直ぐに分かった。勇者は寿命が長いのだろう。魔力の高さ故かもしれないな。

 何故天地族が?と自殺願望でも有るのかと考えたが天地族の手に彼奴が授けたらしい武器が目に入り納得した。

 魔力で放っているがあれは前世の、前の世界の兵器に似ていた。この程度でも勝てると思ったのだろう。



 だが、素が違う。天地族は天魔族に敵うはずもない、直ぐに全滅したが彼奴は撤退した。それでも中級、下級天魔族、魔族には甚大な被害が出た。



 激怒した天魔族は、報復とばかりに今度は天地族に攻め込んだ。

 俺は募集があった斥候隊に入った。彼奴に会うチャンスだと思ったからだ。

 だが、彼奴はまた勇者達を召喚していた。30人程の勇者だった。勇者達は召喚されて其ほど時間が経っていなかったのかまともに戦えるのは数人程度、あとは素人に毛が生えた程度だった。



 同じ故郷を持つ同胞者に少し同情した。気まぐれで加減はした。一人も殺す事はなかったと思う。

 直ぐに報告に戻り、全軍で進行が開始された。



 そして、攻め込んでママール城で俺は彼奴を捜した。その時、後方に聳え立つ結界塔が激しい光と共に発動した。

 東の大陸にかなりの天魔族と魔族が進撃していた。後方に結界を張られたら後退は出来ない。

 何故?と思ったが今の俺には関係ないとも思った。兎に角彼奴だと。



 彼奴はいた。クイール皇帝になっていた。俺だと気付いた彼奴は眼を見開いて多いに喜んだ。

 怨みもあるがそんなことよりも、俺は〈輪廻転生〉のスキルを消したかった。もうこの世界での生活を終わりにしたかった。



 彼奴はニヤリと笑うと良いだろうと言った。〈輪廻転生〉スキルの完成を証明した褒美だと。光明魔法を手に入れたからそれならば、消滅出来るだろうと。



ーー光明魔法とは?



 だが、彼奴は光明魔法を使いこなせず魔力が暴走した。今思えば意図的だったのだろう。その後意識を失った。ここで俺は死んだのだ。

 気づけば、今度は天地族だった。その後魔族と地族へと転生した。どの種族でも共通していたのが属性魔法が一切使えないという事実だった。



 そして今、天地族のカルスとなった。俺は地位と権力を手にいれた。あれから彼奴は見かけて居ないが、カラスにも調べさせている、これだけ捜して見つからないなら、多分西だろう。何故ならば魔族の時は直ぐに死んだのだ。悪天候の地域だった。属性魔法なしは役立たずの烙印を捺され処分されてのだ。



 だから今度は彼奴に借りを返すとカラスと誓った。幸い魔珠の反応が戻り1部魔珠を直ぐに取り込めた。

それから生き残りの天魔族も利用した。俺は天魔族だった相手の弱味も分かる。

 今後は完全に力を取り戻し万全な状態で彼奴に会う。そして彼奴を叩き潰す。



 そして輪廻転生スキルの消す方法を探し出し、俺はこの世界に終止符を打つんだ。



ーー母さん、リコ。ごめんな。前の世界に帰れないのにずっと記憶があるのは、、キツい。



カルスは自分の属性魔力を一つ一つ確かめた。



ーーこの500年魔珠の反応が全く感じられなくなった時は心配したが、上手く行ったな。



ーーだが、西に攻めるなら、、やはり私兵が足らん、、か?、、それならば、、、。



カルスは俯いていた顔を上げると立ち上がった。



「カルス様どちらへ。」



「ちょっと確認に行くだけだ。それに魔装も試さんとな。カラスは引き続き北部の天魔族を警戒しててくれ。ここで失敗は許されん。」



ーー悪いな眷属化は魔力維持で数人しか出来ない、あいつらは馬鹿みたいに魔力を消費する。それに西に行くには邪魔だ。これからは他の国王に使わせてもらうよ。後方の心配をしたくないんでな。



「はっ、畏まりました。」



「そうだカラスよ、ママール王国からもうすぐ王子や勇者達が来ると思う。軽く会食でもしたいと思っているのだ。俺が戻るまで粗相の無いようにな。」



「カルス様?俺が出てます。」



「き、気にするなカラスよ。まだ、使い慣れんだけだ。では我は行ってくる。魔装オールド!!」



カルスはカラスから逃げる様に金色に輝く魔装を纏うと翼を広げ早々と飛び立った。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

   

名前 カルス・ザンクロス 年齢 14歳 男性 

   魔装武器:不明


   戦闘能力 不明

   全属魔装 不明


  《スキル・魔法》

  ・輪廻転生   ・魔眼:中 ・属性魔法:極 

  ・同属魔法発動 ・合成魔法  ・並行魔法  

  ・二刀流  ・危険察知  ・魔力察知

  ・限界突破:上 ・毒耐性:極  ・収納 

  ・召喚魔法:上


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーギルドプレートーーーーーーーー

  ギルドランク E 王立学園1年生

名前 リオン・ガーディン 年齢 15歳 男性 

    魔装武器:暗黒の剣・暗黒の盾


    戦闘能力 672

   身体魔強化時【1344】

 身体魔強化+無属性身体強化時《2016》

    暗黒魔装+1000《3016》


  《スキル・魔法》

  ・暗黒魔法:極   ・魔神:上

  ・同属魔法発動  ・合成魔法    

  ・並行魔法    ・武神:中   

  ・二刀流     ・忍     

  ・超人      ・身体魔強化 

  ・毒耐性:極   ・大地の加護

  ・料理      ・収納 

  ・鑑定:下


二つ名:道具屋のパシリ :ボッチ王子


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