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 僕は汗を流した後、お父様と、お母様に全て話した。異世界から今の勇者達と一緒に召喚された事、自分だけ殺され気がつけば500年後の、この世界でシオンという少年に転生した事、転生してダンジョンで死にかけ前世の記憶が甦った事、記憶が甦り召喚当時の力を再び宿した事を。多少いいずらい事は誤魔化したが二人とも真摯に受け止めてくれている。

 普通ならおかしい奴と思われてしまうが、ショウヤ、ユイ、ソウタ、イロハのお陰だろう。お父様とお母様から奇異の目で見られる事はなかった。



「それで、リオンは何時から前世の記憶を取り戻していたの?」



僕の話に今にも泣きそうな顔で聞いていた、お母様がやっと口を開いた。お父様は何も言わず黙って目を閉じている。



「そうですね。王都でお母様と会う数日前ですね。あの時は記憶を取り戻して直ぐ出した。本当に偶然だったんですよ。でもお母様達を助けれて良かったと今でも思ってます。」



「あの時から私達はリオンに助けられてばかりね。あの時の私は必死だったわ、無理に引き留めたものね。」



 お母様は悲痛に少し顔を歪め、胸の前に組んだ両手に力をいれると、少し間を空けた。僕に聞きづらい事を言うのだろう。



「それでリオン、、ごめんなさい。どうしても気になって、、、、その、、以前の少年の頃の記憶はどうなの?」



ーーそ、そうだよね。傍から見れば前世の記憶である光一がリオンに憑依した感じにも見える。少し考えれば誰でも分かる事だ。



「当然ありますよ。始めは混乱しましたが、直ぐに混じり合ってしまいました。リオンも光一もどっちも今の僕です。」



お母様がどこか力が抜けホッとした様子が伺える。



ーーやっぱりそうだよね。



僕は嬉しさと同時に寂しさが心を支配していく。僕は何時もの様に心に蓋をする。



ーー寂しくなんてない。前世の頃もよくしていたような気がする。馴れたものだ。自分の居場所があるだけでもまし、、。いけない。今はお母様と話をしていたんだ。



「ただ、僕が前世の記憶を取り戻すまで、不思議な位、魔法も一切使えませんでしたし、スキルも全然ダメでした。」



「ごめんなさいね、私達がしっかりしていれば、リオンも死ぬ目に遇うことなんて無かったんだわ。」



「それだと僕は前世を思い出す事はなかったと思います。それに、お父様やアレス様、他にも皆を助ける事が出来なかった訳です。何も出来ない自分よりも僕はこれで良かったと思ってますよ。」



ーーそうでないと僕は、また、意味のない居るだけの存在になってしまう?



「それでリオンは、この領地をレインに継いでほしいと言ったのだな。」



目を閉じて今まで黙って聞いていたお父様が僕に確めるように聞いてきた。



「はい、どうしても僕にその資格があるとは思えません。」



ーー中途半端な僕に領地なんて無理だ。正統なレインの方がいい。



「分かった、だがな、誰が何と言おうともリオンは私の息子だ。セリアもリオンに誤解を与える言い方をするな。」



ーーえっ?



「誤解なんて、、はっ!!そ、そんなウソ、、、リオンごめんなさい。私そんなつもりじゃないの。」



「リオン頼むから私達と距離を取らないでくれ、セリアは幼少の頃何もしてあげれなかった自分を今でも悔いているんだ。」



ーーえっ、お父様は何を、、。



ズキリと胸が傷む、蓋をした心がぐらつく。



「それは、、お母様に責任はありませんよ。」



「それでもよ。前世の記憶があっても、無くてもリオンは私の息子。以前の記憶もあると聞いて償えると思って安心したの。」



ーーお母様、そんな辛そうな顔をしなくても僕なら大丈夫なのに。何時もの事なんだよ。



セリアは今にも泣きそうな顔で、僕の両手を掴んで来た。「お願いだから誤解しないで」と首を左右に振った。



「私はリオンとの空白の時間を埋めたかったの。家族皆で思い出を作りたかった。自分勝手かと思うけど、それでも、、だから社交デビューも私の意思で送らせたわ。

 本当は学園にも入れたくなかった。誰にもリオンを取られたくなかった。少しでもリオンと一緒に居たかった。悪いと思ったけどそれでも一緒に居たいのよ。」



ーーズキリ、胸が痛い。のに。それなのに不思議と心は暖かく、手放したくない。



僕は戸惑いを隠せぬまま握り締めるお母様の両手に視線を落とした。



「リオンお願いだ。私達を信じて欲しい。」



「リオン。」



お母様が何かを決した顔を見せる。先程までの弱々しい感じじゃない。



「はい。」



「明日から私達と行動を共にしましょう。私や、アルベルト、フローラ、レインと必ず誰かと行動するのです。」



「ですが僕はまだ、やることがあります。」



「勇者様達を手助けすることですよね。」



「はい。すみません。」



「勇者様は仕方ないわね。いいでしょう。ではそれ以外は良いかしら?」



お母様からの物を言わせぬ威圧感が凄い、先程までのお母様はどこに?



「は、はい、分かりました。」



深く考えなかったリオンは後々行き過ぎた愛情に後悔することになっていく。



翌日、リオンは屋敷の前にいた。空を飛んでみたいと言う皆の願いを叶える為に。と言うか、リオンに拒否権はない。いや、もう行動の自由すらない。



 2日目だがリオンは既に専属メイド達に対する懐かしさはなく、ただ、ただ精神ダメージを運んでくる、頭の痛い存在と化していた。



 メイド達からすれば夕食の後、少し元気のないリオンを励まそうと気合いを入れたメイド達だったのだが、リオンには逆ダメージを与えていた。



 チラリと僕の横に綺麗に並んでいるメイド達に目を向ける。皆が皆がどこかソワソワと何かを期待する様に落ち着きがない。

 思わず小さくため息をついた。



ーーはあ、昨日のお風呂、、、これからも暫くは、、、



リオンは思わず首を左右に小さく振る。



ーーいや、もう、何も、、考えるまい。



 専属メイドの、シルビ達が汗を流してくれるのはいいが、メイド達の湯着がやたら薄くなっていた。



ーーこれが普通だと言うし、、。



 リオンがそんな事を考えているとは露知らず、シルビが何やら思い立った様にパフッと音なく両手を合わせた。



「リオン様!!セリア様もフローラ様もまだお見えになりませんね。」



「うん、そうだね。シルビ何か聞いてるの?」



「いえ、ただ、今日初めて空を飛びますからお召し物を、乗馬用に着替えているのだと思いますよ。」



「ああ、なるほど、流石シルビだ。確かに先程の朝食時には何時ものドレスを着ていたもんね。さすがにドレス姿で空は不味いもんね。」



「はい、、、あのぉ、、そこで、、。」



 後半は言葉が途切れてよく聞こえない。チラチラとシルビが上目遣いで何やら言っているのは、分かるんだが。他のメイド達も必死に声にならない声でシルビに一生懸命、、叫んでる?



「シルビどうしたの?体調でも悪いんじゃないのか?」



「いや、そうではないです。」



「そうなの?」



「はい。」と言ったシルビは真剣な表情を作ると、意を決したように、。



「私達はメイド服のまま、、」「お兄様!!」



シルビの言葉をぶった切る様に現れたのは、キラキラお目目全快のレインだった。レインは両手をブンブン振ってこちらに向かって駆け足だ。その後を付いてくる専属メイド達は、、、うん、平気そうだ。



「おおレイン。朝から元気だね。」



「はい、それよりお兄様。僕も空を飛ぶの楽しみにしてました。お母様も、フローラもまだ来ませんから、先に僕をお願いします。」



ーー順番も決めてなかったし、もう暫くは来ないだろうから、先に飛んでても、少しならいいよね。



「うん、、ああそうだね、いいぞレイン。」



「本当!!やったぁ。」



無邪気に喜ぶレインを横目に僕は、魔装(ヘルム無)した。レインとメイド達から熱い眼差しを向けられた。



「うわっ、は、羽だ!!羽生えた。、、か、格好いい!!」



「ほら!!」



僕はレインに肩車をすると、少しずつ羽を動かしゆっくりと浮上していく。



メイド達がきゃーきゃー騒いでじゃんけんを始めている姿が見えた。不意にシルビの顔を見れば笑顔で返してくれたが、。



ーーそう言えばシルビは何か言いかけていたよな。何だったんだ?っと今はレインだ。



「どうだレイン。恐くないか?」



「ぜんぜん平気だよ。凄いよお兄様!!ガーディン領をあんなに遠くまで見渡せる。」



「そうだぞ、ここはレインお前が治める領地だ。これからもお父様を見習ってしっかり勉強するんだぞ。」



「はい。僕頑張ります。」



「うん、その意気だ。」



折角なので、ゆっくりと屋敷の上空を旋回していると、下の方から僕を呼ぶ声が聞こえて来る。シルビが風魔法に乗せて声を送ってきたのだ。



「レイン、お母様だ、フローラもいるぞ、、。」



「ふーん、そうなんだ。」



「降りようかレイン。」



「まだ大丈夫ですよ。それより今度はあっちに行こうよ。お兄、、。」



レインの言葉を遮る様に風魔法が下から上に僕達を掠めていった。



「うわっあ!!危ないなぁ。もう、誰だよ。」



 信じられないと言う顔をした。レインが下を確認すると、どうやら風魔法を放ったのはお母様だったらしく、レインは顔を真っ青にした。



「よし!!レイン。降りよう。」



レインは何も言わずコクコクと凄い勢いで頷いた。地面へと降り立つと、お母様とフローラの乗馬服姿が目についた。フローラは腰に手を当てて仁王立ち、レインを凄く睨んであるように見える。



「お兄様!!レインだけ先にはズルいわ。」



「いいだろ。フローラ達が着替えに時間かけているのが悪い、、。」



「レイン。確か今日の午前中は世界史のお勉強だけでしたわよね。マナーのお勉強も追加しないけませんね。」



「ご、ごめんなさい。お母様。」



ジロリとお母様がレインを睨んだ。



「それと、フローラも、、ごめんなさい。」



 その後、お母様、フローラ、メイド逹皆を空中飛行した。皆が喜んでくれたのは良かったがお母様が見えない所で頬擦りまでしだした事に戸惑いを隠せなかった。ふふふっと終止笑顔だったので言わないが、皆が皆、飛行で見えない高度まで来ると頬擦りしてきた事は胸の奥にしまうことにした。



 その日の午後、疲れて部屋で仮眠を取っているとシルビが僕を呼びにきた。



「リオン様、学友のカルス様がお見えになっていますよ。何でも約束されていたそうですね。」



シルビがジト目で僕を見ている。



「約束?カルス様?僕となの?」



「はい、そうですよ、リオン様。」



シルビは約束を忘れるなんて首を左右に振っていた。



ーーカルスって誰だ?




ーーーーーーーギルドプレートーーーーーーーー

  ギルドランク E 王立学園1年生

名前 リオン・ガーディン 年齢 15歳 男性 

    魔装武器:暗黒の剣・暗黒の盾


    戦闘能力 672

   身体魔強化時【1344】

 身体魔強化+無属性身体強化時《2016》

    暗黒魔装+1000《3016》


  《スキル・魔法》

  ・暗黒魔法:極   ・魔神:上

  ・同属魔法発動  ・合成魔法    

  ・並行魔法    ・武神:中   

  ・二刀流     ・忍     

  ・超人      ・身体魔強化 

  ・毒耐性:極   ・大地の加護

  ・料理      ・収納 

  ・鑑定:下


二つ名:道具屋のパシリ :ボッチ王子


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