50
〈天魔族集落〉
『この地に来て500年余りか、、、早いものだな。』
ある部屋の一室では、天魔族グルグガンは戻らぬ部下を案じていた。右手には何やら手紙の様なものが握られている。
『我も出るか、、。』
ここはザンクロス王国最北部の更に離れの地の人口200人程の集落。極寒の地故に、シカック大陸人である天地族や地族にはとても住める環境ではない。
『くっ、皮肉なものだ、、あんな少年に使われるなんぞ。』
遥か昔この世界には天族、地族、魔族の3つの種族が共在する世界だった。
東の地族は魔力、生命力こそ低いが体力、知力、繁殖力の高い種族だった。
西の魔族は繁殖力は低いが魔力、生命力、の高い種族だった。
そして天族はその全てに優れる種族であり、東の地族、西の魔族を傘下に全世界を支配していた。
だが、天族の統べる世界も何時しか神の怒りにでも触れたのだろうか、ある時期を境に天族は数を減らし男だけの種族となっていた。
天族は年々数を減らし行く現実に種族の血が絶えるのを恐れた。
天族は誇り高く、その血に他種族が混じる事を禁忌としていたのだが滅び行く現実に背に腹は変えられず、地族と魔族の血を入れる事とした。
時間と共に純粋な天族は滅んでしまったのだが、その血は形を代え継承された。天地族と天魔族となった。
天地族は地族に比べ能力全てが優れた。また女性にも恵まれた事で安堵し、地族を国民とし共に繁栄した。と言っても大なり小なり交じりシカック大陸に純粋な地族は少ない。更に東の大陸ダイケイ大陸のみの種族となっていた。
そして天魔族は天地族よりも遥かに高い戦闘能力と生命力を誇ったが、これまた高い戦闘能力故に男だけの種族となった。
種族繁栄には魔族が必要とし、魔族を配下とし西の大陸を支配した。
天魔族と魔族は飛行能力があり東西を自由に往き来できた。更に高い戦戦闘能力を有する天魔族は、やがて東の大陸人の脅威となった。
脅威は種族間の仲に綻びを入れる起因として十分だった。時間と共に溝は深まったのだが、それでも大きな戦争になる事は避けた。そして自然と交流は途絶える事となった。
それでもお互いが干渉せず世界は絶妙なバランスの中だが、平和な時代を築き上げていった。
ある時までは、、。
そう、クイール帝国が誕生するまで、、だ。
クイール帝国(旧クイール王国)は東の大陸の最西部に位置していた事もあり、西の大陸との交流を完全には断つことが出来ずにいた。
それでも悪条件ながらも同盟を結びつけていた。
そして、クイール帝国(旧クイール王国)は天魔族が如何に脅威な存在かと各王国に触れ回り牽制の名目で異世界人を召喚した。そして遂に絶大な力を得る事となった。
だが、その矛先は天魔族でなく東の大陸、中央のママール王国に始まり、北のザンクロス王国と南にアトラ王国、東にスカイム王国へと向いた。
異世界人の戦力を遺憾無く発揮したクイール帝国は他国を次々と属国とし、瞬く間にシカック大陸を統一した。
力を付け如何にして天魔族と魔族の莫大な戦力に対抗し反撃に移るか、と、クイール皇帝は水面下で虎視眈々と狙っていた。
そして遂に500年前の四代目クイール皇帝が動いた。
長らく平和な時代と成っていたが、東大陸統一だけでは物足りなくなり、一部の天魔族と結託し西の大陸をも侵略しようと企て進行したのだ。がしかし、あえなく進行軍は全滅し逆に報復とばかり東の大陸に攻め込まれる形となっていた。その際に異世界人を再召喚し、何度かの交戦の後、結界が張り巡らされた。
『あの忌々しい結界さえ無ければ、、、直ぐにでも。』
上級天魔族のグルグガンは一個小隊を率いて帝都へ攻め込む手筈だったのだが、天候の悪化で進行が遅れた。
結果としては、結界が張り巡らされ、暫くとしない内に帝国直轄領域(旧クイール王国領域)が消滅した。
天魔族は生命力が高く寿命も長い、地族が80年対し、魔族が200年、天地族が280年、天魔族は800年なのだ。逆に繁殖力は地族、魔族、天地族、天魔族の順となるのだが。長生きだからこそ、天魔族は歴史に詳しい。
当時、四個小隊が消滅から免れた。上級天魔族グルグガン率いる小隊12名、上級天魔族ラインガン率いる10名、上級天魔族ベルドガンの率いる10名、上級天魔族ダダフガンの率いる8名のみだった。
上級天魔族4名、中級天魔族8名、下級天魔族28名の計40名だ。その内中級3名、下級天魔族8名の寿命が尽きた。
その間には当然、西の大陸に帰る術を手当たり次第に探した。が結界が邪魔で無駄だった。焦りは大きくなった。このまま我等天魔族がこの地で滅びるのは避けく天地族や、地族を攫って来たがそれも無駄だった。
そんなある時、得体の知れない少年がこの集落へと来た。何処で我等の存在を知ったのか、直ぐに殺すはずだったが、不思議と少年の目が気になった。気づけば少年と契約を交わしていた。
少年から話で結界には歪みがあり、上級天魔族や、一部の中級天魔族ならば結界を通り抜ける事が出来る事、10珠ある魔珠を全て集めれば結界解除が出来る事、少年には召喚術が使え魔族を召喚する力が有ることを聞いた。
我らは魔珠と魔石を集める事を条件に結界の解除と必要な数の魔族提供を受ける事で合意した。
直ぐに魔族の提供を受け、我等の集落は200人程の人口となり一時的だが種族滅亡の危機を引き延ばす事が出来た事に安堵した。
『やはり、、、ラインガンは戻らぬか、、。』
ーー少年の情報から上級天魔族ダダフガンを西の大陸へと向かわせた。報告では無事西の大陸に着いたが、、近年、西の大陸では災害に見舞われ殆どの土地が荒地と化し気候も不安定になっているとの事だったな。
ーー天魔族だけならまだしも魔族が住むには厳しい環境となっているらしいが。
つい先日も西の大陸から来た天魔族の話では、早目に結界を解除せよとの事だったな。
結界解除後に東の大陸を侵略し、天魔族と魔族の国を興す手筈となる。
荒れ地問題はかなり深刻となりつつある。数年の内に飢餓に陥るのは目に見えており、如何に生命力が高い天魔族と言えども食べなければ餓死してしまうのだ。
『ベルドガン!!居らぬか!?』
暫くして部屋に天魔族が入ってくる。小さな集落の長の屋敷だ、まだ、真新しいが、それほど大きくない。それも同じ屋敷内だと、大きな声を出せば何処に居ても聞こえる。
『大きな声を出してどうした。グルグガンよ。』
『魔珠の位置が分かった。』
『ほう。』
『時間がないのだ1つは我が行く、もう1つはベルドガンお主が行け。』
グルグガンはベルドガンに右手に持っていた手紙を渡した。ベルドガンはその手紙を受け取ると直ぐに目を通した。
『なるほど、、分かった任せろ。』
そう返事を返したベルドガンは直ぐに部屋を出て行った。
『天地族ども今に見ておれ、、、、。』
ーーーーーーーギルドプレートーーーーーーーー
ギルドランク E 王立学園1年生
名前 リオン・ガーディン 年齢 15歳 男性
魔装武器:暗黒の剣・暗黒の盾
戦闘能力 672
身体魔強化時【1344】
身体魔強化+無属性身体強化時《2016》
暗黒魔装+1000《3016》
《スキル・魔法》
・暗黒魔法:極 ・魔神:上
・同属魔法発動 ・合成魔法
・並行魔法 ・武神:中
・二刀流 ・忍
・超人 ・身体魔強化
・毒耐性:極 ・大地の加護
・料理 ・収納
・鑑定:下
二つ名:道具屋のパシリ :ボッチ王子
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




