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護衛を一ヶ所に移動させる、次は盗賊を縛っとかないと、いつ目を覚まして復讐されるか分からないから、、、あっ僕は全身フル魔装してたから顔はバレてないか。
でもこのまま、放置していても危ないので盗賊が持っていたロープで盗賊を縛っていく。
「貴方が助けてくれたのですか?」
振り向くと馬車の中からで出来たであろう女性二人がいた、一人は貴婦人らしい30代前半の金髪の顔立ちの整った品のある女性が、もう一人は10代後半のの侍女らしい黒髪の女性だったがこの人、腰に細長い剣を下げている。
「あっ、結果的には、そ、そうなりますね」
「ありがとうございます、お陰様で助かりました」
「こちらの方はガーディン天爵家夫人のセリア・ガーディン様になります、私は侍女のシルビです」
「あっ、僕はシオンです、駆け出しの冒険者です」
この世界の四大大国であるママール王国では身分の階級がある、王族・天地族・平民だ。更に天地族には爵位があるのだ。もともとは天地族は遥か昔に地上を魔王族から守った末裔だと孤児院の院長から聞いたな。そしてママール王国誕生の際も活躍したとか、しないとか、、子供の頃の記憶って曖昧だね、ただその後残念そうな院長の顔が脳裏に残っている。そして天地族の爵位だが、上から天上、天中、天、地上、地中、地となっている。天爵は真ん中辺りみたいだ。
「駆け出し、、ですか!?」
侍女のシルビが周りを不思議そうにみている。
しまった、余計なことは言わない方がいいかもしれないな
「はい、一応、護衛の方皆さん無事みたいです。回復魔法で回復しましたが、僕は余り得意じゃないのでちゃんとした人に診てもらってください、それと盗賊はロープで縛りましたので、目を覚まさない内に僕が町で衛兵を呼んできます」
厄介事の様な気がする、勢いで助けてしまったけど、衛兵呼んでこのまま立ち去った方がいいかもしれない
「ちょっと王都まで行ってきますね、それでは失礼します」
「ちょっと待ってくれる!?その王都の衛兵も繋がりがあるかもしれないのよ、盗賊はこのままにしてて、私達は王都には戻らないつもりよ」
「えっ、どういう事ですか?」
「あなた、何も知らないの?昨日の夕方から、この辺りは上位魔族が出たから確認がとれるまで、この街道は通らないようにと、衛兵達が言って回っていたでしょう?」
呆れたようにシルビが答えてくれた
「そ、そうだったんですか、、、ははは、僕は昨日の昼からギルドの依頼を受けてから、そのままゴブの森に泊まりましたから」
「魔物のいる森に一人で泊まるなんて、あなた物好きね、、」
「あはは、そうかも知れませんね、普通の人と感覚は違うと思います、僕はもともと孤児ですし、まともな所で寝れる事の方が少ないのです、って、あれ、何でそんな街道を通ってたんですか?」
「あ、え、変な事を聞いてごめんなさい、私達にはその事を伝えてくれなかったのよ、まあ、誰が黒幕かなんてわかってるのだけど、、情報を掴んだからあえて返り討ちにしようと思ったのよ、兎に角どうしても黒幕の証拠を掴みたかったのよ、でもこの有り様では無理そうね、それにケガした皆の方が心配だわ、、昼食時に護衛達が痺れの毒を盛られていたなんてね。しかも遅効性の痺れ毒をね。ん、そうだわ護衛達が美味しそうに食べていたキノコが痺れ毒キノコだったんだわ。どうして気づけなかったの、、、はあ、迂闊だったわ私達を含めみんな戦闘能力は70程度あるから油断したのよね」
みんな戦闘能力70もあるんだ、僕とほとんど変わらないのか、凄いや僕のは魔法のお陰だから、、何この罪悪感、、、。
「シルビお止めなさい」
「す、すみませんセリア様」
「まあ、皆さん無事で何よりです、でわそろそろ僕は失礼しますね」
礼をしてその場を離れようとする僕に待ったの声が掛かった
「シオンさん私達をガーディン領まで護衛してくれないかしら?これだけで終わるとは思えないのよ。護衛の子達もシオンさんの回復魔法で大丈夫そうですけど無理させたくないのよ、勿論今回のお礼とは別に護衛分の報酬もお支払したしますわ。ね!そうしましょ」
う、う、何この断らないでしょっという威圧感は、、これが天地族の力なのか、ぼ、僕は負けませんよ
「僕は報酬を貰いたくて助けたんじゃないですから」
「あら、それは助けて頂いてお礼をしないとガーディン家に泥を塗りたいのかしら?」
何それ、どうしてそうなる
「あ、ほら僕は駆け出しの冒険者でギルドに依頼の品を納めないと冒険者ギルドから除名されます」
「ああ、それはガーディン領にも冒険者ギルドがあるからそちらで納品すれば大丈夫よ」
何でギルドの事も詳しいの、僕より知っているじゃないか
「、、、僕は駆け出しの冒険者で護衛出きるほど強くないです」
「わたくし達を盗賊8人から助けてくれたのはシオンさんでは?しかも一人で」
そうだった、助けたのは僕だ、あーもう他に断る理由がないのか、ん、自分の服の凄い汚さに気付いた
「あっ、ほら、僕はここ数年お風呂にも入ってないし、(うげ、、そう言えばお風呂入ってない、水洗いもしてない僕って凄く汚いじゃないか)、、それに孤児です。とても皆さんと一緒にはいられません」
「う~ん、一緒に居られないって誰が決めたのかな?わたくしはぜんぜん構わないわよ、それともシオンさんが嫌なのかしら」
ダメだ、何を言っても勝てる気がしない!、、、ああ、冒険者2日目にして厄介事が、、、舞い込むなんて
「あ、いえ、決してそう言う訳では、こう言った事に馴れてないもので、本当に務まるかどうか、、」
「大丈夫よ、さあ行きましょう、早速で悪いけど、シオンさん護衛の子達を馬車に座らせてくれる、シルビは御者お願いね」
「「はい、セリア様」」
「皆さんを馬車に乗せたら僕も御者台に乗ります、周りを見張りますので」
本当は汚いから匂いこもったら僕は羞恥心で死んでしまうよ、気にし出すと凄く気になってしまう
「分かったわ、護衛お願いするわね」
僕は護衛五人を馬車の中に運び座らせた、まだ意識がないが大丈夫だろう、ただ、この護衛達5人とも女性だった、フルフェイスで分からなかったよ、通りでホッソリしているなあと思ったんだよ。年はシルビと同じ位だろう変な事をした訳ではないのだがシルビが凄い目で睨んでいた。
馬車に揺られる事半日王都と、ガーディン領の境目のライン町に着いた、セリア様は町の中でも一番高い宿をとった。僕はその宿に泊まれるほど裕福ではないので町の外で野営の準備をしようと思ったら、既に同じ宿をとってくれていた。護衛だから近くに居なさいと、お叱りを受けました。
ガーディン領には明日の夕方には着くとの事だ。因みにこの町にも冒険者ギルドがあったので依頼は無事に完了出来た。ゴブリンの討伐数が多くてビックリしていた。1番簡単な依頼だったが、それでも報酬は3200ダネになった、魔石の換金と会わせると5200ダネだ、過去最高の所持金で僕のテンションはうなぎ登りだ。やったね。ルンルン気分でギルドを後にした。
後で、シルビさんに聞いたのだが、今日泊まる宿は一人2万5000ダネするらしい、、それを聞いて僕のテンションは急降下するのだった。
宿に戻ると護衛達が目を覚ましていて普段着になっていた、僕を見かけると一斉に立ち上がりお礼を言われた、流石ガーディン家の騎士だ。僕の方が慌ててしまった。そしてシルビは侍女でありながらこの護衛達の隊長でもあるそうだ、シルビを含めみんな同じ年で18歳らしい、アイカ、イリス、ウルド、エル、オリビアが自己紹介してくれた。
「さあ、みんなそらそろお風呂にいくわよ」
「セリア様、流石にそれは」
「いいじゃないのシルビ、ここは屋敷じゃないのよ、皆も疲れたでしょお風呂で疲れをとりましょうよ」
「セリア様がそう仰有るなら仕方ありません、みんな温泉に行くわよ、早速準備して」
仕方ないと言っているシルビ本人も顔がすごく嬉しそうだ
「「「「「」は~い」」やった~」」
んっ、急に嬉しそうだったシルビがこちらを睨んだ
「シオン、貴方は汚すぎです、備え付けの部屋のお風呂に入りなさい、分かった?」
「あっ、そうですね、そうします、皆さん気を付けて行って来てください」
備え付けのお風呂でもお湯のお風呂は初めてだ。不意に遠い記憶が懐かしさを呼び起こし、僕は嬉しいさで一杯になった。皆が温泉に向かったのを確認した後、僕は早速、自分の部屋に戻るとお湯を溜めお風呂に入った。お風呂にはこの町1番宿だけあって鏡が備え付けてあった。
おお、鏡だ、自分の顔なんて見たことないや、うわっ汚い、頭は茶色くボサボサの髪、肌と顔は臼黒く泥もついている。うん、孤児ッポイ、、、孤児だし、宿無しだし、、、、さ、さあ、気を取り直して服を洗い自分を洗って行く。
「もう1着ぐらい服がほしいなぁ、ここの宿には幸、羽織りがあったから良かったものの、他の宿だったら裸で居ないといけなかったよ、護衛どころか僕が捕まるところだったな」
服を洗い終わったが、血が付いていた所は黒くなっていて、もう取れそうにない、適当に絞る
後で干さないと
次は自分の髪から洗うのだ、上から洗わないと汚すぎてね、、茶色い水が流れ落ちる、何度も、何度も、何度も洗いようやく頭からの水滴が綺麗になった。
ふう
頭洗うだけで何れくらい時間がかかるんだ、、少し髪が長いな何時もは適当に自分で切っていたが、今は取り敢えず縛っとくか。
ボサボサの髪がツヤツヤ、サラサラになった、あれ、僕の髪の色って銀色なの、前髪を引っ張り上目でみる、茶色い髪と思っていたのはただ単に汚れていたからかよ。
ふと、お風呂に備えてある鏡が目に入った
うわ!!誰だよお前は!?
って僕か、、嘘だろ僕ってかなりかっこいいんじゃないの、鏡には銀色のサラサラの髪に顔立ちの整った中性的な美少年の顔があった。でも、今まで何もないからこれが普通なのか?お風呂から上がり風と火の魔法を交互に使い服を乾かしていると、ドアの外から声がかかった。
「シオン、何してるのセリア様の部屋でご飯食べるわよ、早く来なさい」
そう声をかけたシルビはセリア様の部屋に戻って行った。
「はい、シルビさんすぐ行きます」
よし、もう服は乾いたよね、前世の知識で風と火でドライヤーを再現できないか挑戦したらとんでもなく難しく交互に使うことで取りあえずは代用出来た、それを服にも応用したのだ。便利だ。
コン、コン、コン
「セリア様、シオンです」
「どうぞ、入って来なさいシオン」
「失礼します」
僕のドアを開けて中に入った
「遅くなってすみません、夕御飯いい匂いですね、僕もうお腹ペコペコで、、、あれ、皆さんどうかしました?」
セリア様を含め皆が目を見開いて固まっていた
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ギルドランク G
名前 シオン 年齢 14歳 男性
戦闘能力 67【134】
(魔装:暗黒剣+200)
《スキル・魔法》
・暗黒魔法極 ・火魔法下 ・風魔法下 ・神聖魔法下
・剣術下 ・弓術下 ・棒術下 ・体術下 ・投擲下
・俊足 ・気配察知 ・隠密 ・解錠
・身体魔強化 ・再生 ・毒耐性上
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