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 クレア先生に連行された部屋は職員室ではなく、生徒指導室だった。非情に気まずい。クレア先生と2人きりである。

 先生と机を挟んで向かい合う形で椅子に座っている。ただ無数の気配がドアの向こうに感じる。



 椅子に座る先生は前かがみの姿勢で机に両肘をつき両手を組んでいる。先生が前かがみの姿勢の為、自然と距離が近くなる。それなのに先生は構わず話を始めた。

 僕はと言うと話したいのは山々なんだけど、前かがみになってる所為非情に目のやり場に困っている。



「やっと2人きりね。」



ーーはい?



「そうみたいですね。」



クレア先生の意図が読めず困惑しているとーー。



「何でもないわ、こっちの事よ。、、でもねウチのクラスの生徒がこんなに早く問題を起こすとは思わなかったわ、ねぇ、リオンくん。」



「はい、僕もそう思います。」



入学して2日目だ、、返す言葉もない。僕がしょんぼりしていると、意識してかクレア先生が明るい声で話を続けた。



「まあね、あの状況じゃ仕方ないのもあるわねーー。」



「・・・うっ。」



「、、でもね、リオンくんは自分が思っている以上に注目されているのよねえ。」



困ったわと呟き、先生が人差し指を僕の額に突き刺してきた。



ーーッ!?



「痛いですって先生、、それで、、えっと言っている意味が分かりません。」



先生は立ち上がり、腕を組ながら机と僕の周りを歩きだした。時折此方をチラ見してくる。そんなに言いづらい事なんだろうか?



暫く待っていると、クレア先生がうんと呟き僕に向かって口を開いた。



「私は王国から派遣された王国魔法師なの、、。」



ーー王国魔法師?



「そう、神聖魔法のね。国王様からリオンくんを見守る様に命令されてたのよ」



「見守るって僕をですか?」



ーー何故?



「他の天地族がちょっかいを出さないようによ、、、。そうね説明するわね。まずアルベルト様が国王様に領地で起こったら出来事や、行方不明だったリオンくんの事の報告と説明があったのよ。領地の事は、勿論ガーディン領に突然現れたキングプラントの事よ。あの魔物は王国ダンジョンの地下40階の階層ボスとして王国魔物全集に登録されている、戦闘能力500の強力な魔物だったわ。」



「そうなんですか。」



そう返すのがやっとで、僕は背中に嫌な汗をかき必死に平然を保っていた。



「そして、アルベルト様は以前から毒溜病にかかっていると報告が上がっていた。それなのにアルベルト様が報告に来たわ。それをたまたま私が見てしまったの、とても信じられなかったわ。いままで毒溜病が完治したなんて聞いたこともなかったからね。」



ーーなんと、すっかり元気になっていたからお父様が病気だった事を失念していたよ。



「実際本人が目の前に報告に来てましたから、失礼かとも思ったけど、神聖魔法師としてどうしても確認したかったの。そしてアルベルト様に病気の事を尋ねると、バツの悪そうな顔をしてね、渋々だったけど完治したと。信じられなかったわ。、、、そして興味が出たよ。」



ーーお父様が報告に行った時点でおかしかったんだな。



そう言ったクレア先生と視線があった。先生はニコリと微笑んでくれたが。ゾクリと背中に悪寒が走る。



「そこまで報告した後に付け加えるように、アルベルト様と一緒に報告に来ていたジークス様までもが国王様に懇願されたのよ。

 リオンくんは天地族に未練も興味もなく、嫌に成れば直ぐに冒険者に戻りこの国を出て行くと、、それはこの国にとって大きな損失になるからとと、せめて天地族の生活に慣れ、学生の内は大人しく見守ってくれないかとね。」



「そんなことが、、。」



「そうよ、そうでなかったらリオンくんはアッチコッチ引っ張りだこよ、、、毒溜病を治療出来る人財を天地族が放っておくはずがないからね、、、そこで条件付きだけど学生の間、天地族はリオンくんに手を出すのを控えるようにと国王様から通達があったのよ。」



「結構大変な事になってますね。」



お父様下手な小細工なんて出来ないからね、それにしてもジークス様まで、シーラにお礼でも言っとくか。でも条件ってのが気になるが。



「ただ、、、。」



ーーはい、条件きた。



「ただ、、何でしょう?」



「おかしいのよねえ、リオンくんは神聖魔法属性だと思っていたから、無属性だと自己紹介されたときには驚いたわ。」



クレア先生がこちらを見てニヤリとする、そして何やら眼鏡を意図的にさわっている。なんだ、何が言いたいんだ?



ーー条件じゃなかったけど、、しまった、これは不味い。こんな矛盾に気が付かないなんて、油断していた。



「・・・ぅ。」



「リオンくんが先程放った魔法は間違いなく無属性なのよね。」



先生がグッと顔を近づけて、頬っぺたをペタペタ触ってくる。何がしたいんだ。



「・・・ソウデスネ。」



「ふふふ、いきなりですがリオンくんここで問題です。」



「問題ですか?」



「そう、これ。私の掛けているこの眼鏡は何でしょう?」



ーーうわ、何処かで見たことある



「それって、ま、まさか。」



「そう、まさかよ」



「どうして鑑定眼鏡を先生が持っているのですか?」



お母様に教えてもらったが、鑑定スキルを持っている人も珍しいが鑑定眼鏡も価値が高く誰でも所有できるものではないのだ。



「勿論国王様よりお借りしました。」



「国王様、、どうしてですか?」



「そうねぇ、リオンくんに興味があったのよ、不治の病を治療出来るリオンくんにね。」



ニコニコしながらクレア先生は向かいの席に再び座った、落ち着きのない人だ。



「それで何処まで分かりましたか?」



「そうねぇ、」



 ーーーーーーー鑑定眼鏡ーーーーーーー

  

 名前 リオン・ガーディン 年齢 15歳 男性 


   戦闘能力 172

 

 《スキル・魔法》

 ・料理 ・収納 ・鑑定:下 ・神聖魔法

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「こんな感じかな、、でもおかしいのよねえ、リオンくんに無属性魔法の表示がないのよ。」



クレア先生が右手の人指し指を頬にあててわざとらしく首を傾げた。



「あははは、どうしてでしょうね。僕も分からないや。」



クレア先生が僕の目を真剣に見ている。思わず視線を逸らしそうになるが、逸らすと不味いかもと思いなんとか耐えた。



「うーん、今はいいわ、、、でもこんなことなら無理にでも神聖属性魔法科に引っ張るべきだったわ。」



「そんなに不味いですか?、僕は退学でしょうか?」



「退学はないわよ、クズイ先生の方が、、んー、どうでもいいか。リオンくんは注目されると言うことよ。」



先生が首を傾げて考えているが、僕は退学がないことに胸を撫で下ろした。よかった。そして今後だ。何故に注目されるのかーー。



「僕が注目ですか?」



「そうよ。(競争率が上がるのよ、もう)」



はあ、とため息混じりにクレア先生がぼそぼそと呟くが小さすぎて聞こえない。



「先生、教えて下さいよ。何を言ったんですか、聞こえないですって。」



「何でもありません。学園側の都合の事です。でもね一応教師にに手を出したのは事実だから、何もお咎めなしという訳にはいかないのよね。」



「そうですよね、でも僕は大丈夫です。覚悟は出来ています、停学でも何でも従います。」



クレア先生がどうしようかと瞳を閉じて考えていると



「、、そうねぇ。あっ!!」



パン!!



クレア先生は良いこと思い付いたと言わんばかりに明るい表情で両手を軽く叩いた。



「1ヶ月間私の慈善活動を手伝って貰います。」



うんうん頷いてそれがいいわとクレア先生が嬉しそうに提案してきた。



「慈善活動ですか、具体的にはどうすればいいのです?」



「毎週1日は無料で学園内の治療院を開放してるの。そして国民のケガや病気を治療をしているのよ。リオンくんは学園内では無属性と言うことになっているから、治療は出来ないけど炊き出しを手伝って貰うつもりよ。丁度料理スキルあるみたいだし。」



「なるほど。でもそれくらいでいいんですか?」



「いいのよ。慈善活動で十分反省出来ますもんね。じゃ決まりね1ヶ月間、私の助手だよ。」



「あれ、何か変わってません?」



「気にしない、気にしない、そうそう安心して。この事は国王様にちゃんと報告しますから、シャロンちゃんの約束は必ず守らせるわよ。、、、クズイ先生にね。」



「あ、ありがとうございます。」



「これからも、よろしくねリオンくん」



と言うことで、その日の夕方には処分が言い渡された。僕に停学処分はなく、クレア先生と話した通り1ヶ月間の慈善活動処分だった。

 勿論シャロンへ処分はなく、学費免除の約束は認めて貰った。

 クズイ先生は、1ヶ月の出勤停止処分から用務員への転属辞令が近々あるらしい。とクレア先生が教えてくれた。驚いた事に転属辞令は国王からの指示らしい、流石に逆らう事は出来ず渋々承諾したそうだ。学園通り越して国王から指示があるなんてお気の毒に、、とは思わなかった。





 ◇





 ー学園寮食堂ー



「リオン心配したじゃねぇかよ、、。一時はどうなるかと思った。」



心配するような言葉使いに反して、カイルがチラチラと恨めしそうに僕を見ている。とても心配しているようには見えない。



「リオン、でも教師に手を出して慈善活動で済んでよかったわ、もう心配したじゃないのよ。」



「そうだね、シーラごめん。」



「リオンありがとう、私のために凄く嬉しかった。」



 シャロンは僕の隣に座っている、だが今はいつもと雰囲気が違う。ボサボサ頭ではない、制服もよれてない。ちゃんと身だしなみを整えている。

 シャロンから聞いたの話では、ボサボサ頭やよれた制服等の格好はクズイ先生から逃げる為にしていたみたいだ。今後はする必要は無いと嬉しそうに微笑んでいた。

 そしてシャロンの顔は整っていた、髪は綺麗にセットされびっくりする位可愛くなった。女性は化けると何処かで聞いたことがあるが、その言葉は本当だ、誰だか分からなかったよ。



「シャロン気にしないでいいよ、僕が勝手にしたのだから。」



「でも私、学費も免除になって、、よかったのかな。」



「良かったんだよ、これで3年間は皆と一緒にいられるし、自分のやりたいことが見つかるはずさ。」



「うん、ありがとう。(リオンと一緒だ)」



シャロンが顔を紅潮させて俯いた。あれ少しずつ僕の方にすり寄ってきた?



「ちょっとシャロン近づき過ぎよ、離れなさい。」



僕を間に挟んでシャロンとシーラが言い合っている。シーラ僕の隣に座っているのだ。そんな2人はともどんどん近づき今はもう、、、。



ーー苦しい!!



僕にぴったり引っ付いている。



「ちょっと2人とも、他の人に迷惑だよ」



「「あっ」」



2人は顔を真っ赤にして、姿勢を正した。よかった。



「それにしてもリオンは、魔力もすごいなんてずるくないか?、、顔も良いくせに、、。」



最後の方は小さくてよく聞こえないが、カイルに褒められたのか?



「はははは、そうかな、自分ではよく分からなかったんだ。図ったことなかったし。」



「羨ましいわ、、、はあ、これでまたリオンが目立ってしまうか。」



カイルが周りに視線をやる、僕も釣られて周りに視線を向けた。見ると明らかに慌てて目を逸らす人がちらほら、、。



「リオン、お願いだからなるべく大人しくしてよね。」



これ以上は困るわ、とシーラはニコニコしながら僕の頬っぺたを摘まんだ、が、すかさずシャロンが頬を撫でてくる。



「あーもう、リオンは痛い目に合わないといけないわ!!」



呆れた様子でそう言い放ったカイル。一瞬の隙に僕が大好きで最後まで残しておいた唐揚げを摘まむと口に入れた。



「あー!!」



ムグムグ。



「あーうめぇ!!やっぱ唐揚げはサイコーだぜ!」



今度から好きなものは先に食べようと決意するリオンだった。




ーーーーーーーギルドプレートーーーーーーー

  ギルドランク F 王立学園1年生

 名前 リオン・ガーディン 

 年齢 15歳 男性 


   戦闘能力 172【344】

    〈魔装時+700〉


  《スキル・魔法》

  隠蔽・暗黒魔法:極 

  隠蔽・魔神:大

  隠蔽・同属魔法発動  

  隠蔽・合成魔法    

  隠蔽・並行魔法

  隠蔽・武神:中   

  隠蔽・二刀流 

  隠蔽・忍     

  隠蔽・超人

  隠蔽・身体魔強化 

  隠蔽・毒耐性:上

    ・神聖魔法(魔神)

    ・料理

    ・収納 

    ・鑑定:下

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