15
今日から授業が始まった、午前中は一般教養だった、この辺は前世の中学生レベルで何ら問題なかった。屋敷で勉強していたレベルと差ほど変わらない。
「午後からは属性魔法の授業になります。自分の属性教室に行ってくださいね、では、午前の授業はこれで終わりです。」
パタンと教科書を閉じてクレア先生は教室を出ていった。
ーーああそうだった、僕は無属性と言うことだったな。
使った事のない魔法だから丁度いいや。このクラスで無属性は僕だけ、後はシャロンが無属性と言っていたな。シャロンって何処のクラスだ、、知ってれば一緒に行くのに。
「リオンは確か、無属性だったよな、、まあ、元気だせよ。」
カイルがニヤニヤして僕の肩を叩いてその手を乗せてきた。カイルが何故ニヤニヤしているのか分からないが取り合えずその手を払っといた。
「リオン、、、どうしてなの?」
どうしても納得のいかないシーラが僕に聞いてきたが、周りを気にしてそれ以上は聞けないようだ。僕も何て説明しようか迷った。実際は無になってるが鑑定の魔道具の事は僕もよく分からないから、説明できない。
「どうしてだろうね、僕もよく分からないよ。」
「まあ、リオン。事実はちゃんと受け止めろよ。シーラさん誰にだって欠点の1つや2つ、いや3つはあるよ、な、リオン。」
勘違いしたカイルは得意気に胸を張る、シーラに良いとこを見せたくてしょうがないのがないのだろう。
ーーそのまま勘違いしてくれてた方がいいか。
「あ、ああ、そうだな、いい加減ちゃんと受け止めるよ。」
「あははは、そうだぞリオン。まあ頑張ろうぜ!!」
グレイも何か言ってくると思ったが何もなかった、チラリと此方を睨んだだけだった、一体どうしたんだ?
◇
午後になった。みんなと別れて2階の無属性の教室に向かう。グレイは一緒に食事をしたがどこか元気がなかった、グレイは確か闇属性だったはずだけど、どうしたんだろうか?
闇魔法といえば、精神魔法と影魔法を思いつくけど、、ああそうか地味だからか、、。
ーーおっと無属性はここの教室だな
「失礼ます。」
ドアを開けて入ると中に2人いた。その視線が僕に集まった。そのうちの1人は勿論シャロンだ、びっくりしたのか目が見開いている。さて、もう1人は誰だ?坊っちゃんカットの茶色髪でまるまるした、ぽっちゃりくんだった。
「やあ、シャロンまた会ったね。」
「ええ!!リオンもここなの!?」
「そうなんだ、これからよろしくね!!」
シャロンの格好は相変わらずだが、どこか嬉しそうにしてくれた、よかった。
コホンッ!!
ーーあっもう1人いたんだった。
「失礼、僕はリオンって言うんだ、これからよろしく。」
「ああ、俺はロイドと言う。マルロール商会が俺の実家だ。」
マルロール商会は王国で名を馳せた三大商会の1つ。ロイドはそこの長男になるみたいだ。
「へぇ、あのマルロール商会の、、確か魔道具や武具、生活用品まで幅広く手掛けている、、そこのご子息か。」
「ふふふ、そうだよ。マルロール商会に用がある時は俺に言うといい友人価格で話をつけてあげるよ。」
ロイドが得意気に胸を張るとお腹の脂肪がぶるんと揺れた。
「ありがとう、機会があったらお願いするよ。」
ガラッ!!
おっと、先生が入ってきた。どうやら1年生の無属性は僕達3人だけみたいだ。僕達3人を見て軽くため息を吐いた気がする。
「初めまして、私が無属性魔法の担当しますダイン・ナイビスだ。長い付き合いになるよろしく。無属性は、、他の属性から軽く見られているが根気強く頑張ろうな。」
ダイン先生は茶色の短髪で、ガッチリした体型の先生だった。歳は30代前半っぽい。身体強化の為に体を鍛えているのだろう。
「はい!!」
あれ、僕しか返事しなかったよ。
「、、、まあ、無属性で代表的な魔法が身体強化と魔弾魔法と言うことは分かるよな。
今日は全体演習になった。皆が各属性魔法はどんなものか理解してもらうためだ。その為各教室毎に属性魔法を実演してみせないといけないんだ、無属性もその中に入っている、すまないね。
無属性は見世物にされる気持ちのいいものじゃないがここは我慢してくれ、、、それじゃ今から魔法実演場に行くぞ。」
「・・・」
「ほらほら、元気出してくれ、行くぞ」
僕達は先生に連れられて魔法実演場に移動した。どうやら僕達が最後だったみたいだ。他の属性の生徒は来ている。
ーーやっぱり1年生全員か。
「遅いぞ、無属性は、、能力もないのに待たせるな!!」
1人の先生に怒鳴られた。と言うより生徒に対する言葉じゃないよな。
「あれは、私達Dクラスの担任クズン・イヤーミーナ先生だよ。」
シャロンが小さく僕だけが聞こえるように教えてくれた。シャロンはクズン先生を睨んでいる。よほど嫌いらしい。
「ああ、クズン先生すみません、直ぐ指定位置に移動させますので。」
「ダイン先生頼みますよ、足を引っ張らないでください。」
本当に嫌な先生だ、まだこっちを見てぶつぶつ言ってるよ。
僕達が指定位置に着くと、クズン先生が拡張魔道具を使って話始めた。
「諸君、無能者のお陰で皆の貴重な時間が減ってしまったが、これから予定通り各属性魔法の実演を始める。
実演はみんなやってもらうぞ!!ただ的に向かって自分の得意な魔法を披露するだけだ。だが皆みている、これも成績評価になるからな、手を抜かないように。返事は!?」
『はい』と生徒が一斉に返事した
実演は火、水、風、土、木、雷、光、闇、神聖、無、の順番で行くとクズン先生が言った。
最後に無属性を持ってくるあたり悪意を感じる。
その後Aクラス担任の指示で軽く準備を運動をすると、実演が始まった。
生徒達が順番に魔法を放つ。
ーーおっ、次はカイルだ。
確かカイルは火属性だったよな。するとカイルはファイヤーボールの1つ上のランクのファイヤーランスを放った。
手槍サイズの鋭く尖った炎が凄いスピードで的を貫いた。
ボーン!!
カイルは皆に手を振っている。女子生徒から凄いと言う声が聴こえたのか鼻の下が伸びてる。
炎に貫かれた的は、真ん中に半径10センチ位の穴が空いていた、、。
ーーカイルもなかなかやるね、ん!?、、うわ、的の穴が塞がっていってる。
何だ、あの的は時間が経つと勝手に修復している。的も魔道具だったのか。
「ほぉ、入学したばかりなのにランス系がもう使えるのか。なかなかやるじゃないか。流石リンベル天中爵家の嫡男だな。」
なんだクズン先生の奴あからさまに爵位の高い家の生徒と低い生徒を差別している。もう先生って敬称は付けんクズンで十分だ。
生徒がどんどん魔法を放ち、次はシーラの番だ、シーラは光だ。凄い周りの注目度が違う、特に男子生徒が大喜びだ、、。
シーラはシャイニングアローを放った。
光の矢が飛んで行くが、途中で3本の矢に分かれ、全て違う的に当てた。
ーーへぇ、同じアロー系魔法でも、こんな使い方もあるのか。参考になるな。
パチパチパチ!!
「おお、流石はラインハルト天上爵家の御息女だ、1年生で既に高度な技術をお持ちだね!!いやー素晴らしい。」
クズンがいちいち演習場に水を差す、差別した発言は気分が悪い。少し口を閉じててほしい。
次は元気の無かったグレイじゃないか、さあ、どんな魔法をするんだ。
女子生徒達がキャーキャー言ってる。グレイは意外にモテるんだな。女癖が悪いってカイルが言ってたのにな。
ーー驚いたな。
それになのに全く反応しないグレイもどうかと、、、。
ーーおっいよいよか。
グレイが右手に集中し臼黒い魔力が集まっていく。両目を見開き右手をつきだした。
ハッ!!
あれ、、何もないぞ。いや、魔力は弱いが感じるぞ、、。
んっ、、あっ!!的に黒い霧が纒わりついた、、、。
ーーうーん、盲目させる魔法、ダークネスアイだったのか。
小さく地味だなと言う声が周りから聴こえる。
ーーうん、確かに地味だ
「おおおお、流石はハラブラク天上爵家の嫡男だ。目にも見えない速度で相手に闇を纏わせるなんて!!」
ブッ!!クズン、流石にもう皆引いてるぞ。
あれは相手の周囲の闇を集めて纏わりつかせる魔法だろ、速度なんて関係ないんだけど、でも落ち込んでいたグレイが調子に乗り始めた、、グレイ気づけよ。
いよいよ僕達無属性の番がきたロイドがあっさり終わった。
ーーはやっ!!次はシャロンか、、って事は、、僕はトリ!!
んっ、クズンが何か言うみたいだ。わざわざ音声拡張魔道具を使ってる。
「あらあら、次は災難続きのフローズン地爵家のご息女じゃないですか。天候不順で農作物はほぼ全滅、フローズン地爵が領民に私財をはたいて物資を仕入れているけど、いつまでに続くかねぇ、キミも何時まで学園にいれるかな、まあ、いる意味もないんじゃないか、無属性だろ。」
シャロンが俯いて拳を握り絞めている。何て事を言うんだクズンは!!曲がりなりにも先生だろうが、、、。しかもみんなの前でフローズン領の事を個人の事をベラベラと。
「無属性なんていらないよな。魔法は魔弾しか打てないのに威力は弱い。しかも相手の魔力が高いとレジストされる。そして無属性魔法使いに魔力の高い奴なんていない。ふはははは、ほんといらないよ。」
ギリ、思わず拳を握りしめる。
ーーそうか、だからあの時。
「みんな、今日は特別に魔法がレジストされる所を見せてやろう、綺麗だぞ、魔力が弾けていくんだ。、、ふははは、さあ、シャロン。私が的になるから全力で放つといい、、もし私がレジスト出来なかったら今年の授業料を免除してやるよ。シャロンは優秀な無属性魔法いだと学園に推薦してやるよ。」
クズンがそう言って的の方に歩きだした。なぜだ、なぜ明らかにシャロンを貶めようとしている。
「シャロン、大丈夫か、アイツと何かあったのか?」
「大丈夫よ、、、、。」
シャロンは静かに首を横に振った。
ーーダメだ、ここで引いたら
「シャロンお願いだ、教えてくれ。何かあるんじゃないのか?」
ーーだからそんな諦めた顔をするな
「シャロン!!僕は友人として力になりたいだ。」
「リオンは優しいね。」
「頼むシャロン!!」
シャロンが観念したのかふっと微笑むとポツポツと自領の事を話し出した。
「そうね分かったわ。、、アイツはウチの領地に支援するかわりに私を側室にしたいと言ってきたの、7番目の側室に、、、。」
「7番目!!」
「最初は領地の為ならしょうがない、と思っていたけど私の両親が凄く心配して反対して、私の知らない所でその縁談を断ってたの。それからかな、私やウチの領地に嫌がらせをしてくるんだ、、まさか担任になるなんてね。」
ーー何て奴だ、、。
怒りが込み上げてくる、が、なんとか踏みとどまらないと。シャロンが大丈夫と言うから勝手は出来ない。シャロンに迷惑がかかってしまう。
「ほら、シャロン、私はいつでも準備ができてるぞ。」
「分かりました」
シャロンが静かに返事をした、そして、シャロンが右手に魔力を集めていく、そして、テニスボールくらいまでなるとそこでシャロンは苦しそうにして、魔法を放った。
「マジックパレット!!」
テニスボール位の魔弾がクズンに向かっていく、クズンは鼻で笑うと右手をつきだした。
パーン!!
クズンの右手にふれ魔力は細かく綺麗に弾けていった。
「はははは、みんなこれがレジストだ、よく覚えておくように、、シャロン残念だったな、これでシャロンは学園を追われるだろう、教師に魔法を放ったとしてね。」
ーーはっ?何を言ってる!!
みんな聞いている。それはないだろうが、、まてよ、シャロンは経済的にも厳しいと言ってる。いずれ学園を辞めて帰ってしまうかもしれない、今回の事が嘘でもクズンがそう言ってしまえばフローズン地爵家に悪い噂が広がってしまうじゃないか。
「それはおかしいわ。クズン先生が打てって言ったんでしょ!!」
「さあてな、私は知らないな、くはははは」
ーーあーもうダメだ!!
「先生いい加減にしてもらえませんか?」
「あははは、お前は、はん!!まだ無能者が残っていたか、すまんすまん、ついでだ。お前も打っていいぞ!!」
「だめよ、リオン!!」
悔しそうにしていたシャロンが慌てて僕を止める、その顔には涙の跡が見える。
「じゃあ、先生がレジスト出来なかったらどうします?」
「ふーん、何だ無能者、何か欲しいのか?俺の属性はやれんが、言ってみろ。」
「シャロンの授業料免除、、卒業までだ。」
「ふはははは、そうきたか、いいね、友情ってやつか、それともなにか、、、いいだろう。その代わり出来なかったら、3年間、お前は僕の下僕だ、お前は見た目がいいから、良いエサになりそうだ。」
「分かった、下僕でもなんでもなってやるよ!!」
『リオン!!』
複数の女性の声が聞こえるが、重なっていて誰か分からない。
「契約成立だ。さあいいぞ、いつでもこい。」
ニヤニヤしながらクズンが腕を組み余裕を見せつけている。無属性と思ってバカにしている。
「約束は守れよ!!」
僕は魔力を開放した魔弾、魔力のライフルの弾を右手にイメージする。弾はどんどん大きくなっていく。
ーーまだだ
更に魔力が集まる、砲弾ぐらいになった。
ーーまだまだ
「なっ、なんだ貴様は、なんだ!!」
僕はどんどんイメージを大きくしていく
ーーもう少しか。
ミサイルサイズの魔力の塊をクズンに向ける。クズンは腰が引けてるのが見てとれる。
「ひぃぃぃ!!」
「先生待ってて下さいね、まだまだ行けますから。」
「き、貴様、そ、それ以上は本当に犯罪になるぞ」
「あれ、おかしいなぁ。先生は無能者の魔力はレジストできるんでしょう。クズン先生動かないでくださいよ。僕は無能者ですから狙いを外すかもしれませんよ。」
その間にも魔弾は大きくなっていく、流石にみんな後ろに非難し始めた、シャロンは側から離れない
「リオンくん、もう、それくらいにしてくれませんか。」
クレア先生が呆れた表情で話しかけて来た。結構魔力を込めているんだけど、クレア先生は平気で近づいてくる。
「それにほら、あんな奴で人生を棒に振る気?」
クズンが腰を抜かしてジタバタ逃げようとしていた。
「それにシャロンさんもそれは望んでないと思うわよ。」
チラリとシャロンを見ると両手を祈るように組み首を横にふるふる振った。
ーーふう
僕は魔力を飛散させピストルの弾のサイズまで小さくした。
「クレア先生すみませんがこれだけは打ちますよ、僕の演習終わってませんから。」
「もう、好きになさい。」
ーーはっ!!
僕の放った魔弾は回転しながらスピードをあげ一瞬でクズンの頬を横切った。クズンの頬は切れて薄く血が流れた。
ひゃゃゃゃ!!
クズンは悲鳴をあげて気絶してしまったが、その周りに水溜まりが出来ていた。
周りを見渡すと、みんなの視線が痛い、、、やってしまった、、お父様やってしまいました。ごめんなさい。我慢出来ませんでした。
「リオン!!」
「はい、リオンくんは先生と職員室に行きましょうか。」
シャロンが心配そうにこちらに近づこうとしたが、他の先生はに静止させられていた。
そして僕は、クレア先生に連行される事になった。逃げる気は全くないのに右手を首に回わされ、左手をクレア先生の左手で握られた、体が引っ付き過ぎるのです、、クレア先生!!
「逃げられたら困るし、、ね!!」
ガッチリと僕をホールドしてニコニコしながら連行して歩くクレア先生は、何故か嬉しそうに遠回りしていた。
ーーーーーーーギルドプレートーーーーーーー
ギルドランク F 王立学園1年生
名前 リオン・ガーディン
年齢 15歳 男性
戦闘能力 172【344】
〈魔装時+700〉
《スキル・魔法》
隠蔽・暗黒魔法:極
隠蔽・魔神:大
隠蔽・同属魔法発動
隠蔽・合成魔法
隠蔽・並行魔法
隠蔽・武神:中
隠蔽・二刀流
隠蔽・忍
隠蔽・超人
隠蔽・身体魔強化
隠蔽・毒耐性:上
・神聖魔法(魔神)
・料理
・収納
・鑑定:下
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