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ママール王国・王都にある王立学園は天地族と富裕層の子息が入る学園だった。
学園はショッピングモールみたいな造りで廊下は天上まで吹き抜けているが雨が落ちないようにガラスだろうか?で覆われている。
その吹き抜けから優しく降り注ぐ光は幻想的で心地よく、所々にあるベンチに腰かければ一瞬で寝れると思う。
そして中央の廊下はちょっとした広場だ、掃除の行き届いた噴水には清んだ魔水が循環し心落ち着く花の香りで癒しを与えている。
そんな空間を挟み1年生の教室から3年生の教室があるのだ。2階には各属性の魔術教室等があるらしい。
気を付けなければ移動教室は遅刻するんじゃないかと心配になるほど大きな建物だった。
学園では人との交流を目的とした造りらしいが、ほんとに学校なんだろうか?と驚いてしまう。・・・敷地は建物の数倍はある、模擬戦闘用の会場が4つ、運動場、ダンス会場、図書館、研究所、体育館、様々な建物があった。
全校生徒は245人だそうだ、今年の入学生は80人らしく丁度20人のクラスが4つとなる。『自立・友愛・創造』が学園訓、この学園では当然生徒間に上下関係はない、みんな対等なのだ、自由過ぎず、厳し過ぎずが学園の方針で自分の行動は自分で責任を持たなければならない、かなり自由だ。学園は責任を取りたくないらしい。
そして3年間で剣術、魔術、一般教養等を学び、今後の進路を決めていく。他にも課外活動や遠征などの行事もあるみたいで、楽しそうだ。
そして入学式が始まった。
僕はなんとか一人で参加できた。
そう、僕の両親は入学式に出席するつもりだった、当然レインやフローラ、みんな出席したいと言う。
皆が行くなら専属メイド騎士としての役目をと、シルビ達も出席しようとする始末。
これは流石に恥ずかしい、それに留守の間に領地で何かあっても困る。
僕は頑なに拒んだ、それはもう必死に。そして条件付きだが僕の意見が認められた。頑張った自分を誉めてあげたい。
ただその条件は「毎週手紙を出すこと」「長期休暇は必ず帰ること」だった。勿論その条件をつけたのはお母様とフローラだ。
お父様は、必死に笑いを堪えながら「忘れたら怖いぞ」とこっそり忠告してくれた。が、お母様とフローラがお父様に微笑みかけると、お父様は青い顔で、学園でも頑張れよ、と僕の肩を軽く叩いてくれた。
そういえば馬車の旅は楽しかったなあ・・・。
ーー回想中
ハッ!!今は入学式中だった
我に返り周りを見渡すが、意外にも保護者は少なかった、正室、側室の子供がいるのが当たり前の世界、何度も参加しないと行けない領主もいるだろう。
だが毎回参加出来るとは限らない。領主も参加、不参加でその後の、後継者問題発生なんて事も大変だろう、、、と僕は勝手な想像をして時間を潰していた。
校長先生挨拶と生徒会長挨拶と新入生代表挨拶は割愛します、僕は聞いてなかったから、、、。ごめんなさい。
ーーふう、やっと終わったか
退屈だった入学式も無事終った。周りのみんなは根っからの天地族と富裕層だ、天地族の感覚に今だ馴染めない僕には敷居が高い。近寄りがたい雰囲気がある。
ーーああ、そういえば、子女が集まる公の場は初めてかも
僕は天地族のパーティに全く参加していない、因みにレインとフローラはもう社交界デビューしている。
僕にはお母様とフローラからの許可が出ないのだ、礼儀作法やダンス上達していい線いってると思うんだけど「リオンはまだダメよ」だって、、レインとそんなに変わらないと思うんだけど。
軽くショックを受けるも好んで参加したいわけではないので、気にしないことにした。
そんな経緯もあり、僕は1度お会いしたラインハルト天上爵家のシーラ様しか知らない。
でもなあ、せめて1人は男友達が欲しい。お父様はラインハルト様と仲がいいし、正直羨ましい。
でも天地族は近寄りがたい、そんなことを考えていると、肩をポンと叩かれた。
「よお!!何難しい顔をしている。お前が孤児で宿無しだったと噂のリオン・ガーディンだろ!?」
そこには、赤髪の少年がいた。どこか愛嬌のある顔でニコニコと嫌味のない笑みを浮かべていた。
ーー噂の宿無し?
「はあ、リオン・ガーディンは僕ですけど、えっと、キミは誰だい?」
「ぶっ、お前なあ、マジかよ。、、はぁ、俺は隣の領のカイル・リンベルだよ」
それくらい覚えとけよと呆れた顔をされたが、名前は勉強させられ知っているが、それだけだ、顔と名前が一致しないから仕方がないのだ。特徴欄は覚える時間が足りなかった。
「これは失礼いたしました。リンベル天中爵家のカイル様でしたか」
ーー天中爵家か
「あ、ああ、カイルでいいよ、ここでは上下関係はないからな」
「分かりました、僕も助かります」
「その、敬語もやめてくれ、お隣同志仲良くしようぜ」
「ああ、それでいいなら遠慮なく」
天地族に良い印象がないリオンは遠慮しなくていいと言われれば遠慮する気はない。気を使うことも出来るが、めんどくさい、それだけどうでもいい考えていた。
「しかし、全く見えないなぁ、孤児だったんだろ?俺より天地族っぽいな」
カイルが僕をまじまじ見ている、、なんか居心地が悪い、こっちからも見てやろうか
「それにほら」
「ん!?」
「リオンは目立っているんだよな、特に女子生徒に」
「ど、どう言うことだ」
ーーもしかして、制服の着方が間違っていたか、、いや、みんなと代わりないと思うが、、はっ、これか、確かにネクタイのバランスが悪い、迂闊だったな、、僕は素早くネクタイの形を整える。
「無自覚かよ、く、悔しいから、教えてやらん」
「教えろよ、、。」
なんてケチな奴だと思っていると中年男性の先生らしい人が、新一年生に向かって魔道具の音声拡張を使って話し案内を始めた。
「えーそれでは、準備が整いましたので属性鑑定の会場に移動します、新入生は私に付いて来てください。」
これから割り当てられたクラスに行く事になるみたいだが、その前に属性鑑定をするらしい。
魔術の授業で自分の属性を学ぶ為だ、、属性は一人に1つで、他の属性を学んでも役に立たない。普通ならね。
「ほら、リオン俺たちも行こうぜ」
「あっああ、でもどうして今更属性鑑定をするんだ?」
「なんだ、リオンそんな事も知らないのか?なんでも以前は生徒の自己申告だったんだ、だが、ある生徒が光属性と申告して、実際は土属性だったと言うことがあった」
「なっ、なんでそんなことを」
「光属性が格好いいと思ったから、だそうだ、、その後授業についていけず留年、更に学園側と天地族側でゴタゴタの騒動になったとか、ならなかったとか、まあ、この辺はよく知らん」
「・・・」
ーーその生徒の頭を叩きたい気分だ、、僕はどうなるんだろうか心配でたまらない。僕は全属性と言うか魔神と暗黒だ、鑑定の結果が想像できない。
「どうやら、会場についたらしいぞ、さっさと鑑定してしまおう。全く面倒だぜ、鑑定しないとクラスを教えない何てさ!!」
「そうだな、全くだ」
と言いつつずるずると後ろに下がる、時間切れで鑑定しないって事にはーー
「ささ、君で最後だよ早く来なさい」
ーーならないらしい。
やっぱり受けないと行けないか、ギリギリまで粘ったが僕で最後らしい、、みんな早いよ、ああ、心の準備がまだ、、暗黒って出たらどうしよう
「ここの水晶に手を触れるだけでいいわよ。」
「はい、分かりました」
僕は祈るように恐る恐るさわった、、【無】と表示された
「ん?ちょっと表示が違う?、けど無だから、、、、はい、キミは無属性だね。魔術の授業は無属性を選択するんだよ、じゃないと意味がないからね。それじゃ、会場の出口にいる先生からクラスを聞いてすぐに教室に向かうのよ。」
無属性と判断した時に先生は首を傾げていたが、兎に角無事に鑑定が終わってよかった。
「はい、ありがとうございました」
ーーほんと、暗黒って出なくてよかった。
でも何で無属性なんだろ、暗黒魔法は無属性?でも無属性魔法なら魔神スキルに統合されるはずだよね、、、そっか、もしかして属性は無だったんじゃないか?
「えっと、キミは」
ーーうわ、無意識に出口の先生のところまで歩いていたよ
「はい、リオン・ガーディンです」
「リオン君ね、、リオン君は1ーCみたいだね、、今から30分休憩になるけど、30分後には教室にいるように」
「はい、ありがとうございます。」
先生と別れ鑑定会場を出るとカイルが僕を待っていた。
「リオン遅かったなって何で俺と一緒に入って最後に出てくるんだよ。」
うん、ごめん自分から後ろに下がったんだよ、なんて言えず、話題を変えて誤魔化すことにした。
「カイルは早かったんだね、そういえばカイルはどこのクラスになった?僕は1ーCだったよ。」
「あ、ああ、俺もだ、リオンと同じクラスみたいだわ、これも何かの縁だな、、、んっ、」
「どうかしたのか?」
「ラインハルト天上爵家のシーラ様がいるぞ」
そう言ったカイルを見ると、だらしなく鼻の下が伸びている。視線も何処やらしい。
「ああ、シーラ様だね」
「ああ、いつ見てもシーラ様は美人だよなあ、、スタイルもいいし、お近づきになりたいよな。」
「へえ、、それで一緒にいるのは誰?」
「リオン、あのなぁ、、まあ、仕方ないか。あの人はグレイ・ハラブラク様だ、ハラブラク天上爵家の長男で次期当主だな、あまり言い噂は聞かないぞ、、特に女性間の。」
「ふーん、そうなんだ」
ーーあっ、シーラ様と目があった。
シーラ様の顔が心なしか明るくなった気がする。慌ててグレイ様に会釈している。どうやらこちらに来るみたいだ。
シーラ様が駆け足で近づいてくる。あれっ駆け足のシーラ様に犬の尻尾と耳が見える。
ブンブン
慌てて目を擦る、、、よかった、気のせいみたいだ、、、、今日は相当疲れてるな。
「リオン様!!お会いできてよかったですわ、ずっと捜していましたの。」
見惚れる程の笑みでシーラ様が話しかけてきた。カイルもいるのに全く視界に入ってないみたいだ。
「これは、シーラ様勿体無いお言葉です」
「まあ、リオン様ここでは上下関係は皆無ですわ、どうかシーラとお呼び下さいませ。」
このやり取りは、後何回繰り返すのだろうか。天地族ってなんかおかしいね、、思わず可笑しくて頬が緩んでしまった。大丈夫だろうか、失礼だったかな。
「それでしたらシーラ様も僕をリオンとお呼びください。」
「わ、分かったわ、リオンこれから宜しくね」
顔を真っ赤にして俯きながらも、何処か嬉しそうなシーラが答えてくれた。
「リオン、お前シーラ様と知り合いだったのか?」
隣でカイルが固まっている、何やらブツブツ言ってるがよく聞こえない、、。顔が、、どうとか言ってるが、、聞き取れない、、何を言ったのかカイルに聞こうと思ったが、知らない人物に声をかけられた。
「はん、お前が噂の孤児で宿無しか?」
刺のある言葉を発したらしい少年がいる。その人物はグレイだった。シーラに付いてきたんだな。その少年グレイは線が細く痩せているが金髪でそこそこイケメンだ。サラサラの金髪をしきりにかき揚げている、邪魔なら切ればいいのに、、。
「僕はリオンですが、あなた様は?」
無視しようとも思ったが、さっきからどうも名乗りたそうにしている。名前はカイルに聞いて知っているがあえて尋ねてみることにした。
「ぷっ、流石孤児、僕の事を知らないなんて、教えてやろう僕はグレイ・ハラブラクだ、ハラブラク天上爵家の長男で次期当主だ、どうだ!!」
ーーどうだって、、、言われても困るわ
「これはこれは失礼いたしました、グレイ様」
「はん、分かればいいんだよ、分かれば、お前とは出来が違うんだよ、、、、さあシーラ、こんな奴はほっとくといい。教室の前に綺麗な噴水があるんだ、早速見に行かなーー」
「いえ、結構です。」
グレイが最後まで言い終わる前にシーラが断りを入れた。僕の時と違ってシーラのその断りは凄く冷たい、僕だったらへこむ。
「シーラは可愛いなあ、人前だからって照れることはない、さあ僕がエスコートするよ。」
シーラの手を取りエスコートしようとするが、その手をシーラが払った
パシッ!!
何て空気が読めない奴なんだ、馬鹿だろ、こいつは、でもある意味尊敬出来る、、の?
「グレイ様結構ですわ。私はリオンと教室に行きますのよ、そうよねリオン?」
うお!!お母様に勝るとも劣らない威圧感を放ちシーラが僕の手をガシッと掴み歩き出した。カツン、カツンとヒールの音がやけに響く。怒ってる、、凄く怒ってる。僕はとばっちりを受けないよう気配を消すことにした。
グレイは払われた手を押さえ、彫刻の様に固まっていた、その顔に血の気はないお気の毒に。
教室に行って分かった、シーラもグレイも1ーCだった。
因みに固まっていたグレイは教室に遅れて来て先生に怒られていた。
ーーーーーーーギルドプレートーーーーーーー
ギルドランク F 王立学園1年生
名前 リオン・ガーディン
年齢 15歳 男性
戦闘能力 172【344】
〈魔装時+700〉
《スキル・魔法》
隠蔽・暗黒魔法:極
隠蔽・魔神:大
隠蔽・同属魔法発動
隠蔽・合成魔法
隠蔽・並行魔法
隠蔽・武神:中
隠蔽・二刀流
隠蔽・忍
隠蔽・超人
隠蔽・身体魔強化
隠蔽・毒耐性:上
・神聖魔法(魔神)
・料理
・収納
・鑑定:下
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