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ちょいと偉人に会ってくる  作者: 鈴木ヒロオ
雨に唄えば

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柴垣作りに参加する者

 柴垣作りに参加する者が増えていた。


 今朝は三十人ほどになっていた。


 見上げた山の向こうには、雲ひとつない空が広がっていた。


 光の筋は、くっきりと山の稜を描き出す。


 今日もまた、暑い一日の始まりを予感させた。


 家の前に放たれたひよこは群れて、せわしく啄む。


 昨日と同じように、女と子どもが一所に集まっていた。


 その中に、小六が知り合いを見つけたらしく、にへらと笑いながら近づいていった。


 小六は少し胸を張り、同じ年ごろの二人の若者に話しかけていた。


 真之介や小六と同じように、まだ幼さの残る男たちだった。


 相変わらず、小六は三白眼で鼻を少し膨らませ、上から目線で立っている。


 対して二人は、少し俯き加減に話を聞いている。


 一人はひょろりと背が高く、もう一人は丸い顔が特徴的だった。


 二人の服装と雰囲気は、他の子どもたちとはどことなく違っていた。


 麻の短い着物と袴をはいて縄で締め、肩から動物の皮を掛けていた。


 腰縄には布袋をぶら下げ、短い山刀を差し、足は革の脚絆で固めている。


 ここに集まっている人々に比べれば、悲壮感が少なく、どこかおっとりとした雰囲気だった。


 日光は、冷たさをわずかに残した空気の膜を破るように、じわじわと力を増し始めていた。


 又左さんの号令のもと、子どもたちは柴刈りに出発し、女たちは柴束作りに精を出す。


 小六の知り合いの二人は、他の子どもたちとは明らかに違う、山に慣れた足取りで軽々と山へ分け入っていった。


 俺は小六に二人のことを尋ねてみた。


 小六によれば、彼らは一か所に定住せず、山から山へと移り住む山人だという。


 木地師も山人も山から糧を得るが、同じではないと小六は言った。


 俺には違いが分からなかった。


 彼らの姿はもう見えなかった。


 いつの間にか、足元にひよこが忙しく啄んでいる。


 右往左往し、つかず離れず歩き回る。


 人々もまた、黙々と手を動かしていた。


 柴垣は日が傾く頃に完成した。


 裏口と不浄門には木戸口も造られている。


 昨日と同じように柴垣作りの人たちに炊き出しを行った。


 青菜と梅干のおにぎりが一つずつ入った包みを渡す。


 包みを受け取った人たちは、冷たい井戸水で手をすすぎ、顔を洗い、首筋を冷やす。


 そうして喉を潤すと、数人の子どもが家の軒下に座り込み、竹の包みを開いて食べ始める。


 誰もが無言で、味わうように、惜しむように噛みしめている。


 ひよこが彼らの足元に寄り添う。


 その中の一人が、そのひよこに飯粒を手にそっと差し出す。


 柔らかそうな淡い黄色の嘴と、その小さな手が光の筋に照らされる。


 無心に啄む雛と、無我に施す者。


 まだ温かい包みを慈しむように抱えて坂道を下る老女。


 ひとときの空腹を満たされて、小さな至福に浸る子ども。


 人々はそれぞれに、緩やかに解けていった。


 俺は門に立って彼らを見送った。


 ゆっくりとどこかへ帰っていく。


 遠ざかる人々の表情はうかがえない。


 その流れに逆らうように、黄昏の坂道を一つの人影が上ってくるのが見えた。


 早い歩みは次第に迫り、ほどなく善が茜色の輪郭に縁取られて姿を現した。


 俺の前に立ち、息を切らしている。

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