6.魔女の誘拐
「シャーロット!」
「シャーロット様!」
スティーヴンとジャスミン、オスカーらロゼッタと総動員で探しているのに、見つからない。
一瞬たりとも目を離していなかったのに、シャーロットは一瞬にして消えた。手を離しただけだったのにーー。
「シャーロット!」
賑わう都でそれぞれ探して、もう一時間近く経つ。目で探すのは諦め、転移魔法を使うことにした。後ろ髪引かれつつ、馬車に乗る。オスカーとロゼッタに準備をさせ、呪文を唱えるがーー現れない。
「何故だ」
「もしかして、また魔女が…!?」
取り乱したジャスミンに、スティーヴンが顔を顰める。
「魔女よけの魔法をかけた。なのに、何故だ。どこに行った、シャーロット」
「私、もう少し探してきます!都で…以前攫われたことがあるんです。その時は船で見つけました」
「屋敷のものも総動員で探すぞ」
「はい!」
馬車から飛び出し、いなくなった店へ向かう。何も手掛かりがないが、あるとしたらそこだろう。
「ルーカス」
「ミー」
「シャーロットと繋がれるか」
「ミー…」
「ダメか…」
走って店の周辺を探す。魔力探知を使い、魔力の痕跡を探すと、泉のところで微かに魔力の痕跡があった。
「ルーカス、何かわかるか」
そう聞くと、ルーカスは泉の中に飛び込んだ。驚きつつ待つと、びしょ濡れの状態で、口に先ほどのピン留めを加えて帰ってきた。
「それは!」
先ほどシャーロットに渡したものだ。ルーカスから受け取ると、宝石が濁って割れた。ピリとした痛みが指に走ったと思えば、血が流れる。その血が地面に落ちると、魔法陣が発動した。
「なんだ、これは」
「スティーヴン様!」
オスカーとロゼッタが杖を抜き、振り下ろす。結界魔術の無効化だ。
「罠か」
「一体、何が起きているのですか」
ジャスミンが険しい顔で尋ねる。
「わからないが、これだけはわかる」
ーーシャーロットは、何者かに拉致された。




