15.決意
「シャーロット」
「シャーロット様」
「ん…っ」
部屋は明るかった。別邸の自分のベッドで目を覚ますと、周りには、スティーヴン、ジャスミン、オスカー、ロゼッタ、テオドール、サーリスがいた。
「…わたくし…一体…」
混乱しながら皆の顔を見る。ジャスミンを見て、眉を寄せる。
「ジャジー?何故、目を隠しているの?」
「シャーロット様…」
ジャスミンは気まずそうに視線を逸らしたが、すぐに戻し、バンダナを外した。
ーー!!
驚きすぎて、声が出なかった。勢いよく起き上がると、身体がふらついたがそんなことはお構いなく、ジャスミンの肩を持つ。
「どういうことなの!なにがあったの!貴女の…!綺麗なダークブラウンの瞳は…!」
「俺のせいです」
オスカーが、膝をついてこうべを垂れた。
「責めるなら、俺を」
「……順に、説明をして頂戴」
シャーロットがカールと魔女によって拉致されたこと、調査しているときにオスカーが罠にかかり、それを解くために精霊と契約を交わしたこと、それがジャスミンの右目だったこと。そして、オスカーが寿命20年を引き換えに、シャーロットの居場所を掴み、助けに行ったこと。カール、魔女共に死亡したことを知った。
「……なんて、こと…っ」
言葉にならなかった。大事な人が、こんな短期間で大きなものを失った。わたくしの、せいで。わたくしの、不注意で。わたくしの、呪いのせいで。大事な、大事な人をーー。
涙が溢れて止まらない。悲しかった。自分のせいで傷つき、自身を犠牲にしてしまった二人が、悲しかった。有り余るこの命と、呆れるほどに頑丈で死ぬことのない、欠損することのない身体を、与えられたらどんなにいいか。
ただただ、涙を流し、なんとか声を出した。
「ひとりに、して頂戴」
「ロティー…」
「ひとりに、してください、おねがい…」
「……ルーカス、頼む」
「ミー」
皆、部屋から出た。ルーカスが擦り寄り、小さく鳴く。寄り添うような鳴き声が、いまは悲しかった。
ひとしきり泣いた後、乱暴に涙を拭い、胸に誓う。呪いを解く方法と共に、わたくしは禁忌を犯す。契約を壊し、強引に他者ーー自身に移す魔法陣を完成させる。失ったままにさせない。たとえ、自分の命が天秤に乗ってもーー。




