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第48話 問いただす夜
潮待庵に戻ると、あかねが部屋で待っていた。
窓の外は、もう暗い。ランプの灯りの中で、あかねの輪郭が、わずかに滲んで見えた。肌は青白く、髪は湿っている。今朝より、また、変化が進んでいた。
慎一は上着の内側のノートを握りしめた。
「あかね。聞きたいことがある」
あかねは顔を上げなかった。
「水野香織という人を、知ってるか」
あかねの肩が、小さく震えた。
「二〇一六年に、この島で消えた医師だ。その人のノートを読んだ。島へ案内した女のことが書いてあった。よそ者を島へ連れてくる、役目の人。餌、と書いてあった」
ランプの炎が、ゆらりと揺れた。
「あかね。君は……」
「うん」
あかねがようやく口を開いた。掠れた、小さな声だった。
「私が、その役目の人」




