#2:夜の路地裏は静寂に包まれ、それを見る者は誰もおらず。
難しいですね。
追記2026/04/19:文章を少し変更しました。
私は帰路についていた。
けれど、家に帰るつもりはない。
家に帰れば、アイツがいる。
「……はぁ、どうしよう」
私は結局、日を跨いでしまうかも、という時間帯にもなって夜の路地裏を歩いていた。
ここを通れば、高校からすぐに近くのコンビニに行ける。
それに、ここの路地裏はうちの生徒で通るのは私くらいだから、アイツらに会う心配もない。
だからこの道は割とよく使っている。
「へへ……そのままジッとしてろよ……」
声が聞こえた。
知ってる声ではない。
けど、知ってるタイプの人種の声ではあった。
横を見れば、やっぱりだ。
小太りの男が少女を転がしてその服を裂いている。
少女は私と同じくらいの年齢に見える。
「いい身体してんなぁ……やっぱ店とかよりこういうのの方が唆るんだよ…へへっ……」
気持ち悪い。
でもまぁ、助けてあげる義理はない。
ここで下手に手を出して、問題になったら面倒だ。
不快だし、さっさと通り抜けてしまおう。
そう思った私の体は、しかしその様子を目の前にして動かなかった。
理由をいくつも考えて、行き着いた。
「あぁ……イラつくんだ……」
私は今、人生が最悪で仕方ない。
何度も死にたいと思って、けど怖くて出来なくて。
その果てに私は全部諦めた。
けれど、その男の顔は違う。
私と同じで人生最悪って顔をしてるのに、それでも娯楽を見出して幸せそうにしてやがるのが。
マジでウザい。本当にイラつく。
「ほら、行くよ?君のーーー」
社会ゴミが何か喋る前に、私の拳はそいつの顔面を殴り飛ばした
ゴシャッ、という音と同時に男の顔面が歪んで体は吹き飛ぶ。
その様子を見て、私の醜い敗北心が僅かにほくそ笑んだ。
「なっ、なぁ…!?おっお前、一体なんなn」
私は溢れる醜い激情に任せて男の顔面を何回も蹴った。
やがて、男の頭が形を無くし、グチャグチャの脳髄と頭蓋の欠片を散らして。
私は妙な達成感と、空虚に心を支配された。
そういえば、と私は思い出した。
こいつに襲われた少女がいたような。
「あの、大丈夫でしたか?」
心にも無い心配をする。
しかし、その瞬間。
「ッ!?」
少女から、確かな"殺意"を感じた。
心が荒んできていると感じる今日この頃。




