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地下

 あの家には、地下室があるらしい。だが、それを探し出したのはいない。

地下室では何が行われているのだろうか。それは行ってみなければ分からないのだ。

 地下室に関する噂話だけが1人歩きしていた。

 曰く、元の住人が殺人鬼で、地下室に大量の遺体が無造作に置かれているらしい。

 曰く、武器マニアが過去に住んでいて、違法な武器を蒐集しており、地下室に隠してあるらしい。

 曰く、少女を監禁していて、夜な夜な違法なことを楽しんでいるらしい。

 曰く、違法な取引のマネーロンダリングにあの家の地下室を用いているらしい。

 曰く、謎の本が置かれており、何も無い空間に閉じ込めるから、地下室に保管されているらしい。

 曰く、地下室にはとある迷宮に繋がるワープポータルがあるらしい。 

 曰く、地下室にはピアノが置かれていて、演奏するたびに誰かが気絶するらしい。

 曰く、破滅の予言が書かれた羊皮紙があって、誰にも読ませないように地下室に封印されているらしい。

 曰く、美術館のコレクターが住んでおり、地下室に曰く付きの物を置いているらしい。

 曰く、表には出せない裏の歴史の遺物があの家の地下室に収められているらしい。

 曰く、人体を使ったアーティストの殺人鬼がいて、人体を材料にした美術品を地下室で作っているらしい。

 曰く、バケモノみたいなキメラがいて、あの家の地下室で飼われているらしい。

 曰く、幻影に囚われた人々が地下室に集められ、治療という名目で人体実験が行われているらしい。

 曰く、幽霊が取り憑いた騎士の鎧が夜な夜なあの家の地下室を徘徊しているらしい。

 曰く、未解決事件が収められたファイルが山のように積まれており、謎の組織があの家の地下室で保管しているらしい。

 曰く、裏組織があの家の地下室で麻薬の取引をしていて、見かけた者を吊るして、いたぶっているらしい。

 曰く、異世界に通じていて、ある手段を踏むと、あの家の地下室から異世界へと行けるらしい。

 曰く、過去に大量の遺体を集める人物がいて、地下室にその遺体を運び込んでいたらしい。

 どの噂も真相は分からない。あの古びた家に、様々な憶測や妄想が飛び交っていた。

 不思議なものである。でも、そう思わせるだけの魅力が、あの家にはあったのである。

 真実は闇の中。だけども、見た人は如何なるイメージをあの家に視るのだろうか。それは人それぞれ異なるものである。

 あの家は、これからも存在するのだろうか。空き家となっているあの家は。

あるいは、誰かが取り壊すのだろうか。老朽化を名目にして。土地を有効活用していくためにも。

そうなったら、噂の真相は分かるかもしれない。一人歩きした噂の。

地下室が発見されるかもしれない。注目の的となっている地下室の存在が。

 そして、あの家は取り壊された。しかし、噂の的となっていた地下室は見つからなかったのである。

 最初から地下室なんて無かったというのが真相なのであった。

 しかし、人々は地下室の存在を頑固さを示すように、とある噂を作り出したのである。

曰く、地下室そのものが生きていて、別の場所へと移ったというのだ。

 荒唐無稽な噂話。それでも、ある人は信じてしまうのだろう。好奇心が刺激されて。

 この妄想を信じる者は、果たしているだろうかーー。

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