カテゴリー
彼女は彼を自分のカテゴリーの中に入れようとした。しかし、それはできなかった。
彼の存在は彼女の器より大きかったから。カテゴリーに収まる器ではなかったのだ。
そのことを彼女は認められなかった。無理矢理にでも収めようとした。できないというのに。
残念なことである。他人を変えるなんてできないもの。反動により疲れ果ててしまうのだ。
人を見る目がないのか。それとも、曇らされていたのか。それは分からない。しかし、反動によって無駄に疲れてしまうのだ。
なんとも愚かしいことではないだろうか。認めれば楽になれるというのに。
流れに任せればいいのに。流れをコントロールしようとする。その技量など無いというのにだ。
かつてと同じようにはいかない。いけないのだ。人を見ようとしないから。あるいは無駄に見ているのかもしれない。キャパオーバーしているのかもしれない。はみ出してしまっているのかもしれない。
どちらにしても未知に対して既存のカテゴリーに収まるものではないのだ。一を見て全を見た気になっているのではないかね。当てずっぽうに。だが、当たっていないのだ。かすりもしない。反動が返ってくるだけ。それで勝手に苦しんでいる。身勝手ではないのかね。
盲目を愛していると知らずに。妃として迎えていると知らずに。ならば王も連れてくる。災禍という王が。そうやって崩壊を迎えるのだよ。災禍による苦しみによって。
王たる災禍はただ力を振るっているだけ。己が権能を行使しているだけ。臣下に対して。
理不尽かね。ならば、それを受け入れるしかないのだよ。解決は自力ではできないのだから。死んだ神に頼るのかね。力無き死んだ神に。証人無き神に。観察者には滑稽に映るだろうね。
困った時の神頼みと言うが、相手を間違えれば無駄になる。死んでいる神は生き返りはしないのだよ。仮死状態にすらいない。崇め祀れば生き返りなんてしない。そもそも最初の段階から死しているのだから。
自分のカテゴリーを広げない限り、器を広げない限り、反動によって、自分が勝手に苦労するだけ。他人は変えられないのだ。無理にやろうとすれば傷つくのは自分だけ。
いらぬ苦労の巨岩を背負うのだよ。しかも、身勝手に。責める相手などいない。八つ当たりにあるというのに。諦めて受容するしか無いのだ。流れに任せるしかないのだ。
そうすれば、楽にはなれる。巨岩を背負わなくて済むのだから。
それでもなお、自分のカテゴリーに収めようとするのかね。ならば巨岩を背負って、登ってきた坂道を転がり落ちて見たらどうかね。張り詰めていた糸が切れるように、疲れ果ててしまったその先で。
最初からやり直すか、それとも身勝手な巨岩を下ろして、別の道を歩んでいくか。そのどちらかでしかないのだから。
それでも君たちはく巨岩を背負ってまで、他人を変えられると思い込むのかね。無理だと言うのに。
カテゴリーを広げていったほうが楽だというのにね。選ぶのは君次第だよーー。




