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決意
彼は抱いた。決意を。既存を破壊するためのものを。どれほどの疲労が重なるとしても。
長年続いてきたやり方を。古代の知恵を用いて。そして、その時は来た。
彼の仕事のやり方が公式へと成ったのである。長く続いてきたやり方を崩して。
認めざるを得なかったのである。はるかに効率が跳ね上がったのだから。
しかし、彼らは知らなかった。それが古代の知恵のやり方であることに。そのことを彼は話していなかったのだが。
そのやり方は長く続いてきた。彼が去った後にも。しかしやがて変化は訪れる。
建物の老朽化。それにより、全員が移動しなくてはならなくなった。
彼はもういない。新たなやり方はどんなものなのか彼は知らない。
その時にはもう、彼と並びゆく有能者たちは次々と去っていってしまっていたのだから。
長たちの苦労は計り知りゆくことは、もう知ることはない。残った者たちで順応していくしかないのだから。
時は流れゆく。残酷に。時は流れゆく。変わることなく。戻ることは無いのだから。
彼の戻りを待ちわびても、去っていった有能者たちは戻ることはない。
なぜならもう、彼らはその職場に見切りをつけたのだからーー。




