静かな夜
静かな夜は星を眺める。望遠鏡は無いけれども。星を眺めて思い馳せる。
星座を見かけることもある。詳しくないから何も知らない。
宇宙には星々が点在しているという。星々に名前があるのかどうか、それは分からない。
燃え尽きるまでにどんな寿命があるのかすら人には分からないのかも知れない。あるいはそこは、人が踏み込んでいいところではないのかもしれない。真相は知りたいとは思わないけど。
昔の人々は星を咏んで占いをしていたという。どれくらいの命中率だったのだろう。それを知る由もない。
ただ静かな夜に温かい飲み物を飲んで、星を眺めている。それでいいじゃないか。無理に意味を探したって、当たるかどうかなんて今じゃ誰もきにしていないことなのだから。
星が流れていく。流星のような軌道を描いて。きれいな軌跡を描いていく。
あの星は燃え尽きてしまったのか。それともまだ、燃えている最中なのか。私には分からない。
流星が瞬いた。それだけの夜。すべてが静寂へと向かいゆく、そんな夜。
ある人は、静寂という音色が聞こえるらしい。どんな音色をしているのか。気にはなる。でも、今じゃない。
今はただ星々を眺める時間なのだから。そこに思い馳せる時間なのだから。
温かい飲み物を飲んでいる時間。そこに星々に思いを馳せる。その綺麗さには、どんな宝石よりも綺麗なもの。でも近づいてみたら、ごつごつとした岩のようなものなのかもしれない。
遠近法というものなのかもしれない。遠くで見ると綺麗で、近くだとそうでもない。地上と星々との距離はちょうど良いのかも知れないのだからーー。




