影
夏の暑い日の日影は心地良くて、冬の寒い日の日影は寒さが増すように感じられる。
季節によって変わりゆく。影というのは不思議なものである。
時間帯によっても長かったり短かったりする。身近なのに不思議な存在。それが影である。
証明のあたり方によっても、複数になったりする。濃淡はあるけれども。
謎の存在でありながら、身近な存在でもある。どんなものにも影は存在する。外や内など関係なく。
しかし、闇の中では影は生まれない。すでに闇という名の影に覆われているから。
そこに照明があれば光が生まれて、影も生まれてくる。影の存在は光に依存しているから。
闇は光に勝ることができないもの。架空の中ではそうでもない。光と闇のバランスが拮抗しているから。
ゆえに状況次第によっては、闇が光に勝ることもある。光と闇のバランスが崩れているから。常に流動しているがゆえに。
世界はそのように流動していく。どんなところにでも影は存在する。影を切り離すことはできないもの。いや、切り離すことができるのは、闇の中にいること。どれほど深い闇の中は光すら届くことはない。
それはまるで、深海にいるようなものなのである。光が届かない、真の深海。届くのは人が入り込んだ時だけ。仄暗く照らされるにすぎない。どんなに強い光を持っているとしても、人間は心の中を照らしていくことできないものであるがゆえにーー。




