26/96
頂き
それは頂きにいた。とある山の山頂に建てられた館。その扉の向こうにいた。
それは待っていた。自身を打ち倒すことのできる挑戦者を。しかし、どれくらい待っても来なかった。
館の扉が開かれることはなかった。それは退屈を感じていた。
その理由は、それが放つプレッシャーが扉の向こうから放たれており、開けようとした者はそれのプレッシャーに膝をつき、悟ってしまうからだった。戦う資格が無いことをプレッシャーだけで思い知らされてしまったから。それはそのことに気づいていた。プレッシャーを乗り越える者が現れないかと期待しては、溜め息を吐く日々を送っていた。
どれくらい長くいただろうか。分からない。けれども年月を数えるのも、いつからか止めてしまっていた。どうせ待ち続けていても何も変わらなかったから。
裏口を作っておけば良かっただろうか。それはそう思ってもいた。しかし、裏口は無かった。作るのも面倒になっていた。
どれくらいの年月が経ったのだろうか。それは分からなくなっていた。長い時を感じていた。
退屈な日々を終わらせる。その存在を待ち続けている。それが放つプレッシャーに屈しない者を。いつまでもずっと――。




