↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女ラエルザ伝 ~脳筋すぎて婚約破棄されたので、領地に戻って改革することにした。もちろん筋力で~  作者: 有山リョウ
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
33/34

第三十三話 聖女ラエルザ 魔導人形師を招く②


「それじゃぁ、ユーク。あとでこの村を案内するわね」

 私はキルクス村に滞在することになったユークに、村の案内を約束した。

 遠くから友達が来てくれたのだし、この村のことをよく知ってほしい。


「ああ、頼むよ。でもその前に、馬車に載せていた荷物を取りに行かないとな」

「そうだったわね! 村の人に運んでもらえるよう、お願いしてくる。あとユークが使う部屋も、修繕や清掃をしてもらわないと」

 私はすぐに行動しようとした。しかしアリサに呼び止められる。


「お嬢様、そのような事は私がいたします。それよりも朝食をお食べになったほうがいいのでは? 昨夜は夜通し作業されていたのでしょう?」

 アリサに指摘されると、体が空腹を思い出してお腹が鳴った。昨夜は夕飯を食べたあと、土砂崩れで封鎖された道を、一晩かけて復旧していたのだ。

 体は疲れていないが、お腹は空いていた。


「でも……」

「丁度朝食は二人分ございます」

 アリサの目は私からユークへと移る。


「君の分だけど、私がもらってもいいのかい?」

 ユークが驚いたように目を丸める。

「お客様として遇すると決めた以上、仕方なくだがお世話をしてやる。ありがたく思え」

 憎まれ口を叩くアリサに、ユークは苦笑いを浮かべながらも、ありがとうと返す。


「全く。せっかくお嬢様と二人きりの時間を過ごせると思っていたのに、どうして余計な奴らばかりくるのだ」

 アリサのぼやきに、私とユークは顔を見合わせながらも、部屋に入って食卓を囲む。


「おーい、ラエルザ。巡回商人が来てるらしいんだけれど、一緒に見に行かないか?」

 アリサが作ってくれた朝食を食べ終えた頃、外から声が聞こえてくる。ソイルの声だ。


「ソイル、ちょっと待ってて」

 私が席を立ち、勝手口を開ける。手を挙げて挨拶をするソイルだったが、扉越しに食卓にいるユークを見て表情を固めた。


「ラエルザ、そこにいるのは誰だ?」

 驚くソイルに対し、ユークも目を細める。

「そういう君こそ誰だ? ……まさか!」

 問い返すユークが何かに気づいたようにハッとし、そして首を返し今度はアリサを見る。

「ああ、お前の予想通り、いつものやつだ」

 アリサは面倒そうに答えた。するとユークが大きくため息をつく。


「全く、またたらし込んだのかい? ラエルザ!」

「たらし込んだって何よ! お友達を作っただけじゃない!」

 私は思わず言い返した。アリサもユークも、なんだかひどい言い草である。


「おい、お前はなんなんだよ!」

 たまらず叫ぶソイルに、ユークは鼻を鳴らす。

「ラエルザの友達だよ。君よりずっと前からのな」

 ユークの言葉に、ソイルが息を呑む。


「言っておくが、ラエルザはお前だけのものじゃない。納得できないかもしれないが、私だって納得してるわけじゃない。これまで自分が一番の友達だと思っていたのに、ラエルザはちょっと目を離したすきに、すぐに新しい友人を作る」

「言っておくが、ラエルザ様の一番は私だ。お前達など、物の数にも入らん有象無象だ!」

 ユークがため息混じりに答え、アリサが鼻息荒く答える。


「ちょっとやめてよ、二人共! どうしていつもそういう話をするの! みんな友達でしょ!」

 私は二人を叱った。私が友達を作ると、何故か順番を競いたがる。


「言っておくけれど、罪作りはラエルザだよ。私はもう慣れたけれど」

 ユークが私を叱るが、なんとも納得がいかない話だった。


「でも私は!」

 私が言い返そうとしたその時、大きな咳払いが響き渡る。私達が揃って視線を向けると、そこには恰幅のいい男性がいた。王都からやってきた特別監査官のボードンだった。


「お忙しいところ、よろしいかな? ラエルザ殿」

「はいお騒がせして申し訳ありません、ボードン様。今朝はいったいなんの御用でしょう」

「用も何も、街道が土砂崩れで封鎖されているというではありませんか。街道の通行を保証できぬとは、これは領主失格でございますぞ。今日中に道路を復旧していただく! 必ず、今日中にですよ!」

 ボードンは宣言する。その言葉に、私達は目を見合わせる。


「あの、ボードン様。土砂崩れの問題でしたら、すでに解決していますよ」

 私が教えて差し上げると、ボードンは鼻で笑った。


「嘆かわしい。得意のお祈りでも解決できないからと、そのような嘘を言われるとは、それでも信託教会の聖女だったお方ですか?」

「いえ、本当ですよ、その証拠に今朝巡回商人のマドロスさんが、村に到着しましたので」

 私が事実を告げると、ボードンの顔が驚愕に変化する。


「馬鹿な、嘘に決まっている」

「本当だぞ、村中が大騒ぎになってる」

 ソイルがぶっきらぼうに答える。


「ではボードン様、我が領地に問題はない。そういうことでよろしいですか?」

 私がにっこりと笑って答えると、ボードンは歯を噛み締める。


「いいえ、まだです。これまで言わずにおきましたが、用水路は壊れたままでしょう! 村人に負担をかけるなど、領主のやることではありません。あちらも即刻直していただく!」

「これまで問題にしていなかったことを、いきなり問題にされるのですか?」

「私が問題だと言ったら、問題なのです! できなければ王都に報告させていただく!」

 ボードンはそれだけ言うと去っていった。


ロメリア戦記のアニメが、2026年10月3日(土)21時~

アニメタイムズ・U-NEXT・Netflixにて国内独占&地上波先行配信!

また2026年10月5日より

TOKYO MX/BS11/サンテレビ/KBS京都/CBCにてⅡクールで放送が開始されます !



皆さん見てください

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
動機が邪悪だし期限も短過ぎるけど、改善すべき問題点を挙げてくれるのはありがたい??かも知れませんな
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。