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第26話 迫る期限
「リリア様、球根の調子はどうですか?」
料理長が心配そうに声をかける。
「変化なし、ですわ……。」
リリア様は、悲しげに首を振った。
「リリア様を悲しませるなんて、アルベールのやつ、ただじゃすまねえ。帰ってきたら、コテンパンにしてやるからな!」
「あなた、やめてください!帰って来ずらくなるじゃないですか!!」
そんなやり取りをしていたら、リリア様が、クスリと笑った。
「ありがとう、2人とも……。
大丈夫よ、気長に待っているから」
そう言って、リリア様は気丈に微笑む。
――けれど。
現実は、そうもしていられなかった。
リリア様の、十八歳のお誕生日が迫ってきている。
持ち込まれる縁談も、更に増えてきた。
その度にお断りをしているけど、断るには、あまりにも理由が弱い。
「お待ちしている方がいらっしゃいますの。」
リリア様は、そうおっしゃる。
でも――、
「では、そのお相手はどなたで、いついらっしゃるのですか?」
問われてしまえば、答えることができない。
明確な理由なく断り続ければ、不審に思われるだろう。
私たちは、確実に追い詰められていた。




