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第20話  夜の訪問者 1


ーーコンコン


夜も更けた頃。


静まり返った部屋に、小さく窓を叩く音が響いた。


(ーーなにかしら?)


リリア様は、上着を羽織ると、おそるおそる窓を開けた。


暗闇で、よく見えない。


一瞬、息を詰めた。


闇に紛れて浮かぶのは、二つの影だ。


(えっ、誰かいるーー?)


バルコニーに立っていたのは……、


「アルベール様……!? それに、ルシアン様も?」


「驚かせてごめんね、リリア様。」

「夜中にレディのお部屋を訪ねるなんて、褒められたことじゃないよね。」


ルシアン様は、困ったように笑った。


「でも、どうしてもアルベールが伝えたいことがあるって言うからさ。

ーーほら、アルベール。ちゃんと言ってこい!」


背中を押され、アルベール様が一歩、部屋へ入ってくる。


「じゃあ、僕は外で待ってるよ〜」


ひらひらと手を振りながら、ルシアン様の姿が夜の闇へ消えていった。


部屋には、リリア様とアルベール様だけが残された。


アルベール様から、普段と違う気配がする。


そう感じた瞬間、


なぜか、胸騒ぎがしたーー。


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