第13話 協力者
「いやー、アンナさん、ちっとも変わってないね。」
ルシアン様が言った。
「はじめまして、のフリをしちゃったけど、実は昔に会っているんだ。」
ーー驚いた。
いったい、いつ会っていたのだろう。一生懸命、記憶をたどる。でも、残念ながら思い出せなかった。
「申し訳ございません、ルシアン様。いつ、お会いしたのでしょう?」
「あ、アンナさんは覚えていなくて当然だよ。
ほら、昔、近所の子ども達をお城に呼んで遊ばせてくれたでしょ。あの中に、僕がいたんだ。」
「えっ、そうだったんですね!」
ルシアン様を忘れていたわけではないことにまず、安堵した。
そして、幼いリリア様が、脳裏に浮かんで、懐かしい気持ちになった。
「そうそう。あの時は楽しかったなあ。」
「僕だけでなく、アルベールもいたんだよ。……そう、あの頃から、アルベールは、リリア様にゾッコンだったな。」
「じゃあ、リリア様も、お二人をご存知なのでしょうか?」
「知らないと思うよ。ご挨拶した時も、はじめましてな感じだったし。」
「あの時、僕は男の子と走り回っていた。
アルベールは、リリア様を、木の陰からこっそり見ていたんだ。」
情けないよなー、とルシアン様は言う。
「で、今まで、近づけるチャンスを狙っていたんだよ、あいつ。
いいヤツだし、すごく一途だから、報われてほしいな。」
「……そうでしたか。私も、アルベール様は良いと思います。リリア様と仲良くできそうです。」
「じゃあ、二人の為に、僕達協力しない?」
ルシアン様が言った。
「もちろんです、ルシアン様。ぜったい二人に幸せになってもらいましょう!!」
私達は、ガッシリと握手をかわした。




