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ラフサーガ  作者: 笑太郎
二章 想像せよ、彼女の操る野望は其処へ
32/43

相対せし放浪の紅嬢等、双髑髏に敗北を喫す

「ですが、先程この依頼を受注した方がいまして……受注したかったのであれば申し訳ございません」


「受注したのはセレブっぽい三人組?」


「あっ……ご存知でしたか」


ご存知も何もさっきそれを譲った相手だ、知らない訳がない。

サキが質問を引き継ぐ。


「ちなみに、なんで皆やりたがらないんですか?」


予想としては造形がめちゃくちゃ気持ち悪いか、めちゃくちゃ強いか、めちゃくちゃ面倒くさいか……言ってもさすがに紅レベルだしめちゃくちゃ強い訳がないとは思うが。

え、俺? 木レベルだよ。


「こちらも率直に申し上げますと……凄く、戦いにくいと言いますか」


めちゃくちゃ面倒くさい、がほぼアンサーだったか。というと……?


「恐らく一時間程経ちましたら受けた方々も戻ってこられると思うので、そちらに聞くのが分かりやすいと思います」


受付嬢の表情的に、もしかしてあのセレブファイトトリオの敗北を察しているのか? でもあいつら全員紅等級だろ、 スカルハンプの推奨等級には入っているし、負ける可能性は少ないと思うんだけどな。


「そっすか……じゃあ、帰ってくるまであっちの依頼書取り置きお願いします」


「かしこまりました〜」


今考えたってしゃーない、待ってる間にあの依頼も他の奴に取られたら最悪だからな……取り置きしてもらってとりあえず小一時間待機だ。







……

…………

………………







一時間くらい経った。

退屈なので俺たちは三人でしりとりとか色々な手ぶらでできる適当な遊びをして暇を潰していた。


「いやワロタ今〝ん〟って言いかけたでしょ」


「言ってねェ! レモネードのネの子音で一瞬止まったのがレモンに聞こえただけ……ん? アレは」


人影の正体、それは紛れもなく……

銀髪縦ロールヘア。

女執事。

魔法お嬢様少女武士。

そう、セレブファイトトリオ。


「ゲホッゲホッ、ありえませんわ……このワタクシ達が」


「僕も想定外でございました……」


「余は敗北を喫した」


受付嬢の読み通り完全敗北していた。

外見からでもわかる、あれはめちゃくちゃ翻弄されてボコボコにされたやつだ。いや、まさかマジで負けてくるとは。


「ちょっちょちょっセレブファイターのお前ら」


「ファイターじゃなくてファイト! あと最後にトリオもつけなくてはなりませんわ、ってそうではなく!」


別に今訂正しなくてもいいだろ、説明にリソース割きすぎ……いや訂正するのは当然か、ってそうではなく!


「あの魔物、全っ然、ワタクシ達に対処できる相手ではございませんわ〜!!」


およよ、と泣き崩れる三人。

受付嬢の予想は的中したようだが、それにしたって紅等級から行ける魔物にボコボコにされて完全敗北…………?


「一応聞くけどよ、あっこれ本当にバカにしてるワケじゃないって前提として言うんだけどよ、お前ら本当に紅等級なんだよな?」


「それはバカにしてますの〜〜!!」


純朴純粋なただの質問だよ!! 紅等級レベルの魔物に紅等級三人で行って完敗することなんてありえるか? ……いや待て、ありえたからこそ、スカルハンプ討伐依頼書は放置されていたのか。


「……余達は嘘偽りのない紅等級。三人で戦えば紅制エビルウロス程度三十秒にも満たずに葬り去る」


「主にワタクシのおかげでございますわ!」


「僕の一撃の力でございます、お嬢様」


「……マジの紅等級なのは分かった、でもよ、紅等級で行けるはずのスカルハンプって魔物はお前らが負けるほどに強いのか?」


自称だけど紅制エビルウロスを三十秒以内で討伐できるコイツらが、そんなただのラクダの魔物に完敗するワケがない。何か理由があるはずだ……


「否……かの魔物自体はただ強い訳ではない」


「え?」


「フッ……これ以上は言わん、知りたければ自分の眼で確かめるが良し」


クソッ、何だよ勿体ぶりやがって! とはいえ俺たちに依頼を譲ってくれるワケだ。じゃあ道は一つ!


「おい! サキ、クチク、聞いてたよなァ!」


「る攻めは卑怯だろう!」


「フッフッフッ、仕掛けられるほうが悪いのさ」


クソヤロー共!! ずっとガン無視でしりとりしてやがった!!







………………

…………

……







「聞こえてたんだけど、全然しりとりする時間ありそうだなーと思ってさ、ごめんね!」


「俺はコイツがうるさいから仕方なく付き合っていただけだ」


「ノリノリだったクセにぃ〜!」


仲がよろしいことで、まあ聞いてたならノープロブレム。難しい内容でもないしな。


「じゃあもうやることは分かってるな。少しのロスタイムがあったが……ようやく金稼ぎの時間だ!」


「ひゃっほーい!」



いざ、ラクダ狩り。


暗いオーラを発しながらどっかへ消えてったセレブファイトトリオを後目に依頼を受注し、俺達はスカルハンプのいる砂丘へと進むのだった。


















ってなワケで道中で特筆すべき出来事もなく目的地に着いた俺達。

さァスカルハンプ、すぐに討伐してワラに換金してやるよ! ついでにセレブファイトトリオの仇!


「って……オイオイオイ」


「成る程、これは予想外だったな……」


それは常識的なラクダのサイズには程遠く、ほぼ二階建ての民家と同等のサイズを誇る巨獣がそこに佇んでいた。

そしてやはり目線が向くのは背中に本来二つのコブがある部分。そこにはコブの代わりに目に紅く光る点を灯した骸骨が埋まっていた。


そう、ほぼ個体名の通りである。


セレブファイトトリオが三十秒以内で紅制エビルウロスを倒せたのは普通に不意打ちしたからです。

しかも不意打ちを実践した七体のうち六体分失敗してる

ハメ技TA的な……


しかもその失敗した六体分を超頑張って後処理して冒険者ギルドに提出したおかげで紅等級になれたという

ただのゴリ押しランクアップ

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