第83話:スイカップとチッパイの裸エプロン
「ただいまー」
で、玄関のカギを開けてガラガラーと引き戸をスライドさせると。
「お帰りなさいませご主人様♡」
案の定と言えば案の定。裸エプロンで俺を待っている壱岐尾先生がいた。聖職者としてどうかとは思うが、まぁこの際ツッコミを入れた方が負けということも理解はしていて。
「ご飯は食べてきましたか?」
「ああ、マスラオとな」
後続で入ってきたマスラオを指さす。
「…………ズルいです斑鳩くん」
「俺に言わせればHカップのおっぱいを持っているお前がズルい」
バチバチ視線で火花散らしているとこ悪いが、所有権を放棄する気はないぞ。
「それではご主人様。お背中を流して差し上げます」
「それは後でなー」
今日はこれから宿題がある。
「大丈夫ですって。ご主人様の成績は最高にしておきますから」
「内申点はともあれ成績の方は普通に実力を反映させてくれ」
ご主人様からのお願い。
「はい♡ わかりました♡」
「オワル! 俺も裸エプロン!」
で、ブローギアでなんじゃらほいしたマスラオが愛らしいエプロンを全ラ姿で着けていた。壱岐尾先生の爆乳と比べると、それはそれで論争が起きそうだが、愛らしい顔立ちをしているちっぱいの女子が恥ずかしそうにエプロン姿でいるというのもそれはそれで情念をそそり。
「じゃあ二人とも恥ずかしい写真を撮るか」
「ああ♡ それで先生はまた逆らえなくなるんですね♡」
「もちろん俺もオワルの頼みなら何でも聞くぞ?」
じゃあ――――を――――して――――しながら――――してくれ。という一般人に言えばドン引きしてしまう提案もマスラオと壱岐尾先生は嬉々としてしてくれる。まさに人権と尊厳の放棄だが、その恥ずかしい行為をすることで俺への忠誠を見せているらしい。
「ご主人様……ご主人様の命令なら先生はいくらでも破滅しますからね♡」
「俺もだ。オワルの命令なら何でもする」
何でも、の何でもが本当に何でもかはこの際議論しないとして。
「裸エプロン好きなのか?」
俺が聞くと。
「ご主人様がエッチな目で見てくれるので♡」
「オワルが性的に見てくれるのが嬉しいんだ」
さいですかー。
「もちろんお風呂掃除も終わっていますよ? 一緒に入りますか」
「混浴で済まない可能性もワンチャン……」
「先生は大丈夫です」
「俺も俺も」
マジかお前ら。
「先生の身体をボディブラシ代わりに使ってくれていいんですからね?」
「ズルいぞ先生」
「スイカップの当然の権利です」
まぁいくらでも言い合ってくれ。とにかく恥ずかしい写真と動画も撮ったし。宿題を終わらせよう。そこはマスラオと一緒にやるつもりだったが、マスラオは裸エプロンを取りやめるつもりは無いらしい。
「あのな? マスラオ……」
「俺の胸が気になるか?」
エプロンの胸元を引っ張ってちっぱいの首を見せつける。キレイなピンク色で非常によろしい、とか言っている俺が何様だって話ではあるが。
「オワルにならエッチな目で見られても嫌じゃないぞ」
「俺が好きってことか?」
「うん……その……まぁ……男が何言ってんだって話だが」
「今は女だろ」
「でもおっぱい無いし」
「俺は気にしないが……」
それは事実。そうして宿題をしつつ、わからないところは壱岐尾先生に講義してもらって。理解を深めながら宿題を片付ける。理系に関しては結構得意だが、逆に文系に弱いんだよなー。ブローギアとか開発している時は面白いんだが、日本の歴史とかだから何としか言えない。逆に日本の歴史が超絶面白いけど魔法少女のステッキの仕組みには興味ありませんっていう人間もいるだろうし。そういう意味では世の中はバランスが取れている。
「ふい、宿題終わり」
「お疲れ様でした。ご主人様」
裸エプロンの壱岐尾先生が三人分のお茶を淹れてくれる。
「ミルクはいりますか?」
「ボニューが出るとかそんな話じゃねえよな?」
「それはもちろん。特性ミルクティーが飲みたいなら先生にご褒美をください♡」
そういうことをするしかないんだろうなぁ。
「じゃあ風呂入るか」
「待っていましたご主人様♡」
「オワル……俺も……」
「じゃあ壱岐尾先生が洗体して、マスラオと入浴するか」
一応三人で入れるほどウチの風呂は広くない。元々一人暮らし用に改装した風呂だ。
「ではご主人様の身体を磨かせていただきます」
そうして体中泡だらけになった壱岐尾先生が俺の身体を泡だらけにする。どうやってかは想像にお任せする。
「気持ちいいですか? ご主人様♡」
「まぁそりゃなあ」
壱岐尾先生の身体は熟れすぎている。同じレベルを探すとキレイさんくらいしかいないだろう。あの人とも一緒にお風呂に入ったりはしているのだが。いいよなぁキレイさん。バツイチの経産婦で元人妻とかどういう属性。しかも俺のアレが元夫のより大きくて嬉しいとか言ってくれて征服欲が満たされる。頑張れカレン。お前もキレイさんの遺伝子の持ち主だ。マスラオについてはもはやどうなるもんでもないが。
「オワルの……大きいよな?」
「色んな人にご好評ではあるな」
「少なくとも俺のより……」
とは入浴しつつだ。壱岐尾先生の洗体も終わったし、マスラオとゆっくりお風呂に入っているがマスラオの女体を見ると俺の股間が活ホッキ貝。それを見て物欲しそうにしているマスラオの性自認に関してちょっと疑ってしまう。一応脳は男だよな?
「欲しいか?」
「くれるのか?」
否定はしないが肯定するのもどうなんだ? そう思っていると入浴している狭い湯船で、マスラオが身体を重ねてくる。その濡れた瞳で俺を見て、唇を重ねる。何度となくした行為ではあるが、俺とマスラオがね。
「好き……オワル……」
「それは女としてか?」
「どっちだと思う?」
「実はちょっと男の時も俺を性的に見てるだろ?」
「……バレてる?」
「性同一性障害か?」
「かもしれないな。正確には好きになったのが偶然オワルってだけだ。他の男には欲情しないし。不思議だよな」
同性愛というより、運命の相手が致命傷過ぎただけか。そういうこともあるかもな。
「オワルは迷惑か?」
迷惑だったら俺の股間がホッキ貝になってないんだよなぁ。いただきまぁぁす。




