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魔法少女の変身解除シーンの場所が俺の家になってる件  作者: 揚羽常時


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第82話:マスラオとのひととき


「よ、一緒に帰ろうぜ。オワル」


 俺が図書室で本を選んでいると、こっちの場所を把握しているのか。マスラオが下校を申し出た。特に拒否する理由も無いし、「いいぞ」とだけ言って受諾する。借りた本をカバンに入れて、そのまま下校するのだが。


「ラーメン屋に寄らねえ? 奢るからさ」


「そーだなー。まぁいいけど」


 なんか完全にバーゴストライクのヒモになっている俺。男としてどうなのかという議論はあるが、それを言うのも今更か。キレイさんには「今日は外で食べてくるんで」とコメントして、おすそ分けという優しさを断念してもらう。


 キレイさんの料理が超絶美味いのは俺の知るところだが、マスラオと肩を並べて食べるラーメンもそれはそれで。


 下校途中、何やらメターマンが徘徊していて俺が主導してやっていることながら異様な風景と言えばその通り。いわゆるヒューマナイザーと呼ばれる装置に適当にモノを放り込むと、それを擬人化してしまうのだ。パスタを投げ入れればパスタ型メターマン。さるぼぼ人形を入れればさるぼぼ人形型メターマン、みたいな。レコンキスタドーンは悪の組織なんだから怪人が必要だろうと開発したのだが、まさか独富島の防衛戦力になるとは。予想もしていなかった……わけではないのだが思ったより軍事力として有用であることはバーゴストライクの活躍が逆説的に証明している。そもそも自衛能力のない国なぞ国とは呼べないので、国民を戦わせることなく戦力を補強するという意味でならメターマンは最適解の一つとも言える。


「何ラーメンを食う?」


「醤油。ただしマスラオが賛成するなら、だが」


「俺は良いぞ。じゃあ行くか」


 ケラケラと笑ってメターマンの徘徊する街並みの中、メガフロートのラーメン屋まで足を運ぶ。特に無雲帝国の国民は金銭的に恵まれているので毎日に外食をする国民も一定数いるし、それによって金欠になる恐れはない。電気代も通信費もタダ同然なのでヒキニートでもない限りほぼ生活の保障はされている。たまに日本のクリエイターが累進課税の無い無雲帝国に移住を希望したりするが、あくまで日本で売れたコンテンツは日本の課税対象になるんだよ、というお話を税関が説明したりするらしい。ちなみにソースはない。


「たまには男同士もいいよな」


「性的な意味じゃないことを祈る」


「でも俺可愛いだろ?」


 金髪の乙女って感じの美少女ではあるのだが。これで男子だというのだから世の中は間違っている。ラーメン屋に向かう途中。


「――――」


 スマホに通知が鳴った。


「あー……」


 馬鹿の馬鹿による馬鹿のためのお祭り。つまりバーゴストライクチャンネル。


「頼む。俺じゃないでくれ」


 神に祈っているのか。あるいは別の何かにか。まぁたしかにこれで罠娘少女ダーンディアナに出動要請が来ると色々と台無しになるのだが。スリークイーンは既に現場に到着しているのだろう。ドローンカメラで臨場感たっぷりに暴れているメターマンを撮影していた。一応欧州。なので普通に国際魔法少女基金に入金があれば出動しなくてはいけなくなる。


『オーバーサンキター!』

『大きい!』

『スイカップ!』

『パイオツカイデー!』


 というわけで今日の出動は太陽少女オーバーサンこと壱岐尾先生だった。とりあえずマスラオとしては一安心。イカ型メターマンが触手をうならせてオーバーサンに襲い掛かる。


『頑張れイカ!』

『触手プレイ希望!』

『胸と股を!』

『縛ってくれ!』


「くっ!」


 そうしてメターマンの触手を焼きながら、現場ではイカを焼くいい匂いがしているんだろうなーとか思いつつ。オーバーサンがメターマンの触手に捕まる。色々とレーティング的に問題ないか?


『吸盤で吸い付いてくれ』

『手足を縛るんだ』

『むしろ胸を』

『今更ながらデカい胸だ』


 公称Hカップだからな。壱岐尾先生はエッチな身体をしているし、生徒たちにも人気は高い。まぁ俺のマゾ奴隷なんだが。


「くっ。こんな触手……ッッ!」


 とかオーバーサンがほざいていると。


「リープリッパー」


 スパパパパンッ、とイカ型メターマンの触手が切れた。リープリッパー。つまり斬撃魔法。ということは。


『キター!』

『スクール水着仮面二号』

『一号は!?』

『サボりじゃね?』


 ラーメン食うのに忙しいんだよ。というわけでラーメン屋に入って、マスラオと一緒にチャーシューメンのトッピング増し増しで注文し、他にも客がいるのでラーメンが来る間はバーゴストライクチャンネルに集中する。


「ミズキもマメだな」


 マスラオが感心したようにそう言う。気持ちはわかる。オーダーメイドのスポンサーが俺なので別にマメに働かなくてもいいんだが、スクール水着仮面二号は毎回現れる。そうして魔法少女たちの戦いを見て興奮している俺とマスラオ。魔法少女の活躍はアニメで見るだけでも興奮する。ライブ映像ともなれば、その臨場感は天元突破だ。太陽少女オーバーサンの活躍も炎と氷を用いるので映像的にはかなり派手。スクール水着仮面二号の活躍も手に汗握る。


「はいよ! チャーシューメントッピング全部乗せ!」


 で、店員さんがラーメンを運んできて、伸びる前に食べるのが礼儀ということで。マナー違反とわかりつつ動画を見ながらラーメンをすする。最終的に巨大化したメターマン。その破壊光線の前に欧州の都市部は蹂躙され。しかしそこはバーゴストライク。


「ファイナリティマジック……」


 超熱をブローギアから調達する。


「マイナスヒートランチャー!」


 マイナス温度の砲撃を放ったオーバーサンによってメターマンが消滅する。


「ピスタキオン・サルベーション」


 そうして壊された街も元通りになって。チャンネルは大騒ぎ。投げ銭も大量に放られて。それだけでも数千万は稼いだだろう。とはいえ国際魔法少女基金からは億単位で報酬が支払われるわけだが。


「動画の好評価とオーバーサンのフォローよろしく! ちゃんとしてくれないとお仕置きですよ?」


 デカい胸を寄せて上げて、カメラに向かってウィンクするオーバーサンだった。


「む」


 そうして世界の危機も回避して、めでたしめでたしとなったわけだが。


「とすると今頃オーバーサンは」


「俺の家でドレスティック・インバータを起動しているだろうな」


 一足す一が二であるくらい当然のことだ。そうして俺たちもラーメンを食い終わって、店主に「ご馳走様でした」と礼を言う。もちろん累進課税のない国なので、バズったラーメン屋の店主は一財産を築けるくらい儲けることができる。なので個人店舗を無雲帝国に出したいという人間も結構多い。これは別に人間だけじゃなく法人も同じなのだが。


「あのHカップで全ラになってるってことか!?」


「そうなんじゃないか?」


 まぁ俺の予想では裸エプロンで待機していると見た。あの爆乳はいくら見ても飽きないんだよなー。俺もムッツリになったものだ。


「オワル……」


「別にいいぞ」


「まだ何も言ってねえ」


「俺の家に来たいんだろ?」


「…………わかる?」


「まぁどうせ壱岐尾先生はいると思うし」


「そのー……な? 俺って女体化してもおっぱい無くて……」


 知ってございます。


「オワル的には無しか?」


「むしろアリアリのアリ」


 アリーヴェデルチ!


「本当か!?」


「日本人嘘つかなーい」


「もう日本人じゃねーだろ」


 そうだった。無雲帝国の帝国民だな。


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