第74話:バツイチのキス
「オーワールーちゃん♡」
俺が家に帰って、風呂掃除をして洗濯物を取り込んで、それから飯にしようかと思っていたところだったのだが。既に連絡を受けたキレイさんが、その間隙を見定めないはずもなく。ちょうど良いタイミングで、彼女は現れた。
「ちょっとカレー作りすぎちゃったの? ウチで食べて行かない?」
今から飯の用意をするのも面倒というか。そもそもこうなることを予想していて、何も準備していなかった説まである。
「じゃあ、ご馳走になります」
バーゴストライクの面々はあまりある財力で贅沢をさせてくれるのだが、キレイさんは一貫して手作りの料理を振る舞ってくれる。しかもこれでバツイチの元人妻というのだから男のロマンスを凝縮したような罪深さだぜ。
「ちなみにカレーの具材は?」
「一般的な野菜と、牛筋ね」
牛すじカレーかぁ。それは超楽しみだ。
「贅沢な食事じゃなくて申し訳ないんだけど……」
「いえいえ。キレイさんの手作り料理は世界で一人しか作れませんから」
「あら、御上手。こんなおばさんを口説いてくれるの?」
「キレイさんは魅力的ですよ」
「ありがとうね♡ オワルちゃん」
ちょっとだけメスの顔を見せてニコリと笑うキレイさん。そして彼女の家にお邪魔すると。
「先輩。今日はよろしくっす」
「オワル氏。恐縮であります」
カレンとイイトも出迎えてくれた。イイトはこの前無雲帝国の戸籍を手に入れたばかりで、新参者というか何というか。しかも元はアサルトヘイトだ。色々と国際的にバレるのもヤバいので、香鳴さん家に居候させてもらっている。まぁ俺の命令だからキレイさんもカレンも逆らえないが、そもそも逆らおうという判断が彼女らにはないだろう。
「どうだ? 香鳴さん家は」
「超最高。キレイさんの料理は美味いし、ネットはつなぎ放題だし、しかもカウンターウィルスの心配も無いし」
一応スリークイーンの新参者……朝路辺イイトことランクイーンには無雲帝国のネットワークについては教えてある。まずローカルエリアでネットワークを構築して、無雲帝国だけで優先無線問わずネットの網を張っている。それを世界に繋げるときは情報をコネクトーンで空間転移させて静止衛星に送る。その静止衛星から無雲帝国外に二次的に通信するという仕組みだ。向こうから来るときも同じように。なので俺……つまりコネクトーン・ネクサスである俺の検閲が入り、無雲帝国のネットワークはそもそも物理的に壁を作っているのでどれだけ優秀なハッカーでもクラッキングは出来ないわけだ。そもそもアサルトヘイトが無雲帝国のネットワークを通じて核融合技術の無許可閲覧を諦めたのにはここに理由がある。本人はその仕組みを聞いて、「ほへー」と驚いていたが。
「とにかくカレーだ。カレー」
「しかも牛すじカレーであります」
俺とイイトがニコニコ笑顔で喜ぶ。
「カレンちゃん。手伝ってくれる?」
「あ、はい。お母さん。さらに御飯つぐね」
そうして客の俺と食客のイイトはワクワクしながら待って。そうしてキレイさんお手製の牛すじカレーが現れた。
「おお!」
「おおぉぉぉ!」
俺よりイイトの方が驚愕していた。
「昨日から煮込んでいるから柔らかくなっていると思うのだけど……」
あらあら、とキレイさんが笑う。
「「「いっただっきまーす!」」」
俺とカレン、イイトは勢いよく一拍して、スプーン片手にカレーを食べる。
「美味い!」
「美味しい!」
「さすが人妻!」
「今はもうバツイチよ?」
そこに反応するのかよ。そうしてガツガツと牛すじカレーを食べて、ついでにお代わりまでして、心行くまで糖分と脂分を摂取する。カレーライスは健康的にちょっと問題ありだが、キレイさんお手製のカレーを逃すくらいなら、健康の維持を放棄することもやぶさかではない。そうして食事が終わって、今度は恩返しとして俺が皿洗いをかって出て、もちろん客にだけ仕事をさせるわけのないキレイさんもキッチンに立った。そうして皿洗いはキレイさん。俺は皿の水気を拭く係。
「今日はお風呂、入っていくでしょう?」
言われて俺はピクリと震えた。
「そのー。それって……」
「背中を流してあげるわ♡ それ以上のこともね♡」
言われて俺の股間は活ホッキ。元人妻のキレイさんはあっちの方の指導も丁寧で上手い。俺が最初にそういうことをして、今バーゴストライクと上手くいっているのもキレイさんの功績が大きい。まぁあとハーレクイーンね。あの五分の四ラのエッチ衣装を着ているキレイさんことハーレクイーンも、それはそれで刺激的。
「元気になった?」
「あそこはもうギンギンです」
「じゃあ一緒にお風呂入りましょうね♡」
肯定以外に選択肢などあるはずもなく。
「ほら、オワルちゃん。こっちの方も洗ってあげる♡」
で、結局というか、何というか。そのまま俺とキレイさんが浴室に入って、キレイさんが俺の身体を洗ってくれた。タオルもブラシも無しだ。じゃあどうやってかって? 言わなくてもだいたいわかるだろ?
「オワルちゃんの。本当に大きいわね♡」
「恐縮です」
「元夫のより大きいんだから♡ この歳で拡張されるなんて思ってもみなかったわ♡」
きっとパソコンのメモリのことを言っているんだろうな。そうしてキレイさんによる洗体が終わって。
「今度はオワルちゃんがわたくしを洗ってくれる?」
「務めさせていただきます……」
そうしてキレイさんの全ラを洗っていく。背中とかお腹とか首とか……ほら……首もいっぱいあるし。首。手首。足首。
「あん♡」
で、首を洗うとキレイさんがエッチな声を上げた。
「だ、大丈夫ですか?」
「オワルちゃんに触られると、どうしても敏感になってしまって……」
「このままアソコも洗いますよ?」
「色々とむれちゃうから。念入りにお願いね♡」
畜生。からかわれてしまう。なのに嬉しい自分がいる。
「あ♡ あ♡ 本当に上手になったんだから♡」
「全部キレイさんのせいですよ」
「あらあら。じゃあ責任を取らないとね♡ どうしてほしい?」
「じゃあキスしてほしいです」
俺はそう要求した。
「オワルちゃん♡」
濡れた瞳で俺を見て、俺の頬に手を添えて、キレイさんはキスをする。
「ねえ。舌を出してくれる?」
「ほうへふは(こうですか)?」
「ん♡ ちゅ♡ ペロ♡」
俺が口から差し出した舌を、キレイさんの舌が絡まってくる。ディープキスともまた違うエッチさに、俺の股間が発射用意。
「あらあら。こっちも元気ね♡」
「そういうキレイさんだって色んな所が立ってるじゃないですか」
「うふふ。素敵なオスが傍にいるとメスは発情しちゃうのよ?」
最高かよ。




