第67話:便りが無いのは元気な証拠?
「大丈夫か!? オワル!?」
スマホから聞こえてくるのは俺の生みの親。ちなみに父親の方。ヨーロッパから国際電話でかかってきて、焦った様子の父親の声は、なめらかとは程遠い言葉の使い方で。とは言ってもそれも自然だろう。息子が住んでいる島に核兵器が計八発も撃ち込まれれば。放射能汚染は完璧に防いでいるし、死人どころかケガ人すら出ていない。だが、「じゃあ大丈夫だな」とならないのが親心らしい。愛してもらえるのは嬉しいのだが。
「怪我も無いし。放射能もしっかり魔法少女が防いでくれたよ」
「そういう問題じゃないだろう! イスラエルもかくやの危険な島じゃないか!」
まぁ狙われているという観点から言えばその通りだが、どんな攻撃も無効化するという意味では地球で最も安全な島でもある。それこそ隕石が降ってきても大丈夫なレベル。
「ちゃんとニュース見ろって。独富島の島民は誰一人犠牲が出ていないだろ?」
「だからそういう問題じゃあ……」
反論の余地は無限にあるが、俺としてもこっちでやることがあるし、今更親の元に帰るわけにもいかないのだ。別に英語が出来ないとかそういう話でもないのだが。
「元気に健やかにやっていますので、ご心配なきように」
「こっちの心労を考えろよぅ」
それに関してはすまん。確かに心臓に悪いよな。でも俺がシングルモルトである以上、容易に自国を放り出すわけにもいかんのよ。迷惑がかかるので、真実は親に伝えていないのだが。
「それにこっちでも友達出来たし」
「斑鳩くんとは仲良くしているのか?」
「まぁなぁ」
セクロスした関係とは口が裂けても言えるもんじゃないが。
「とにかくアサルトヘイトについては無雲帝国の皇帝陛下がどうにかしてくれるだろ」
俺のことだが。
「アサルトヘイトさえ排除すれば、後は普通に気楽な生活だよ」
そもそも全部アサルトヘイトが悪い。第七艦隊が動いたのは軍事的必然性だが、それでもあっちにはまだ良心があった。アサルトヘイトは愉快犯で核ミサイルをハッキングする。島民としてはシャレになっていない。
「とにかく大丈夫だから。そっちはいい時間だろ? お仕事頑張れよー」
ピ。そうしてスマホの通話を切って、嘆息。
「お話終わった?」
「滞りなく」
「じゃあご飯にしよっか」
下着姿のキラが、そう言ってご飯を運んでくる。
「親御さんに愛されてるね」
「まぁさすがにテロがこんなに続けばな。そんな危険な国に息子を置くのも心労だろう」
「でも出て行かないんだ?」
「だって下着姿のキラと一緒にご飯食べられなくなるし」
「オワルってエッチには真摯だよね」
「男なら誰だってそうだと思うけど」
「アバ茶とか飲む?」
「とても美味しそうだが遠慮しておく」
「っていうか、国際的に無雲帝国そのものが世界中から心配されているんだろうけど」
否定はしない。アサルトヘイトのハッキング能力は異常だし、魔法少女がいないと独富島は焼け野原になっていただろう。
「ま、私たちが守るんだけどね」
そうしてブラジャーとパンティーだけを着用しているエッチな姿のキラをオカズにご飯を食べている。今日は白飯と味噌汁がキラの準備したもの。おかずは香鳴さん家のおすそ分けだ。キレイさんの料理は本当に美味いから。そりゃ斑鳩のおじさんが釣ってくる魚も美味いが、家庭的料理を俺が欲しているのも事実で。
「香鳴さんのこと考えてる?」
「まぁそりゃな」
「おっぱい大きいもんね!」
アレはヤバイ。壱岐尾先生とも互角の大きさだ。セクハラを承知でカップを尋ねた時は一段階下だったが、あの大きさになると比べて優劣をつけるのも無意味だ。五十歩百歩の意味を肯定的に解釈するレベルの誤差。
「カレンちゃんの方は残念無念だけど」
まぁこれからだろう。キレイさんの遺伝子を受け継いでいるのだ。きっと豊かな胸に。
「すみませんねー。小さな胸でー」
ジト目でキラが皮肉を言う。
「Cカップもあれば十分な気もするが」
「壱岐尾先生もキワミもおっぱい大きいし」
「一番無いのはマスラオだろ」
「アレはレギュレーション違反」
まぁ正式には男だしな。魔法少女に変身中は女体になるが、おっぱいに関しては残念無念。というか、それでおっぱいが有っても困るので、それはそれでいいとして。
「でもキラのおっぱいは形がいいよな」
「まぁちゃんと管理してるからね。大きさ的にブラジャーの種類も豊富だし」
大きすぎると下着選びにも苦労するらしい。
「揉む?」
「飯食い終わった後にな」
とりあえず、飯だけは先に食ってしまおう。と思っていると、バーゴストライクチャンネルから通知が。
「まったくもって本当に……害虫駆除の気分だ」
「っていうか……罠娘少女ダーンディアナが今日の担当ってことは」
電磁魔法でメターマンを駆逐するのだろう。
「そういうことじゃなくてさー」
「何か?」
「メターマンを倒し終えたらこっちに来るんでしょ?」
まぁバーゴストライクのドレスティック・インバータの場所はここだしな。
『ダーンディアナちゃんペロペロ』
『貧乳はいいものだ』
『多分生えてない』
『生えてない』
この世の終わりの如きセクハラコメントがライブ配信につづられて。それにもめげず「推し登録と高評価を忘れるなよ?」と営業をかけて、
「ピスタキオン・サルベーション」
メターマンに破壊された都市を復元する罠娘少女ダーンディアナ。そうして全てが終わった後。俺の座敷部屋に転移してきたダーンディアナはドレスティック・インバータで全裸になって、それから俺を見る。
「どうだ! オワル! 俺の全ラは!」
とても眼福でございます。
「で、なんでキラは下着姿?」
「恥ずかしい写真と動画で脅して言うことを聞かせた」
「っていうか嬉々として命令を受けたんだろ」
「そういう側面もないじゃない」
「ほら、オワル♡ M字だぞ~♡」
うーん。色々と終わっている。
「っていうか今日はキラとするのか?」
「そのつもりではあるが……」
「俺も混ぜてくれよ」
「ちなみにどっちで?」
マスラオには二つの選択肢がある。
「もちろんオワルに可愛がってもらう方向で♪」
つまり三人でする、と。
「星崎もいいよな?」
「私は別にいいけど。贅沢モノね。オワルは」
バーゴストライクの堕星少女スタッブスターと罠娘少女ダーンディアナを同時に相手できるのだ。贅沢であることは事実だろう。それはそれとして、俺のアレってそんな魅力的?




