第56話:米国の見解
「先の戦闘機が無雲帝国を侵犯したことは合衆国の意思ではない!」
スマホのテレビでのこと。合衆国大統領が必死に弁明していた。
「あの無人戦闘機はハッキングされていたのだ! 非があるのは悪意あるハッカーである! アメリカは無雲帝国を侵犯しようとはしていない!」
その発言に冷ややかな目を向けているジャーナリスト。既に一回、米軍は無雲帝国に侵攻しようとしていた。今回もそうしたのではないか。国民がそう考えるのも無理からぬ。
「アメリカの意思じゃないとすると」
じゃあ問題はなんなのか、という話にもなり。
「無人戦闘機はハッキングされていた。その上でハッカーは戦闘機を私用で扱ったのだ!」
我々米国は悪くない。そうともとれる言い訳に、だが一応俺は皇帝として、その意見については肯定していた。さすがにあそこまで完膚なきまでに叩きのめされて、再チャレンジをするほど馬鹿でもないだろう。だがそうすると米軍のネットワークをハッキングして、証拠も残さず戦闘機を操った相手の不気味さと技術の高度さ。無雲帝国に敵対する何者か、という話ではあるのだが。
「メアリーシステムには引っかからないんだよなー」
何かしら隠れてやっているのか。俺の知らないところにいるのか。
「アメリカの意見はどう思いますでしょうか?」
ここはエンドレース株式会社の最上階。そこにいるのは俺ことシングルモルトとツインクイーンの二人。ハーレクイーンとシークイーンだ。
「嘘と決めつけるのは簡単だが……早まった真似をアメリカがするとも思えない。さすがに肝は冷えているだろうしな」
「シングルモルト様としましては、容認する方向で?」
「いくらか賠償金は頂くが、それ以上国家的な摩擦は俺の望むところではないな」
「了解しました百億ドルほど要求してみます」
大体一兆円。まぁでも安いくらいだ。エンドレース株式会社の本社ビルにミサイルを撃ち込んだのだ。割に合わない金額ではある。特に本社勤務は重要人物が多いし、俺も把握しているが産業スパイも多い。実際に行動を起こさない限り放置しておけとは言ってある。行動を起こしたらメターマンに処理を任せるという意味で。
「と、すると、誰かしらのハッカーが今回の原因……と見て?」
「そう相成るな」
「まったく、無雲帝国に反抗的な人間はポコポコ湧いてきますっすね。キノコか」
カビかもしれんな。どっちにしろ菌糸類。
「とすると技術者を派遣するか。今回は実験配備中の無人戦闘機がハッキングされた。そのネットワークの経路を遡る」
「しかし問題の無人戦闘機は破壊されていますが」
「第七艦隊の沖縄から来たって話だよな。そっちの無人戦闘機を統括するデータサーバーの調子を見せてもらえ」
「承知しました。ではその様に」
「任せるぞ」
ハッキングの出元がわかればよし。分からなくてもセキュリティの問題として情報保護の観点から対策を練ることが必須だろう。
「そのぅ♡ それでシングルモルト様ぁ♡」
「どうかしたか。ハーレクイーン?」
五分の四ラの格好をしている爆乳のハーレクイーンがモジモジしながら俺を濡れた目で見つめてくる。
「その♡ してください♡」
「それならあたしもっす」
シークイーンまで似たようなことを言ってきた。
「やるのはいいんだが……」
「シングルモルト様のたくましい――――で貫いてください♡」
「ハーレクイーン。まずは御奉仕っすよ」
「そ、そうね。わたくしとしたことが……」
そうして元々エロエロな悪の組織の女幹部の服装をしていた二人が俺の前で全ラになった。
「シングルモルト様♡」
「慈悲をっす♡」
言われて答えないのも違うかなーと思いつつ。俺は二人の相手をした。まずは二人に――――してもらう。そうして気持ちよくなったら写生(誤字にあらず)して、それをぶっかけられたハーレクイーンとシークイーンが互いに俺に顔に出されたものを舐めあって、ちょっと百合百合な空気が場を支配する。
「シングルモルト様の……美味しいですわ♡」
「ハーレクイーンの顔にかかったシングルモルト様の♡ すごく興奮する♡」
互いの顔についている俺の――――を舐めて、一滴も残さず喉に通す。
「メスブタのわたくしたちにシングルモルト様の偉大な――――を。この卑しい身体を使って慰めさせてください♡」
その後はイヤらしい言葉を並べ立てて俺をその気にさせ、ツインクイーンは俺の慰み者になった。流石に二人を相手にするのは俺も中々体力を使うが、それでも出来ないではないあたり、こっちもこっちで業が深い。
「シングル……♡ モルト……♡ 様……♡」
「あ♡ う♡ っす♡」
爆乳のハーレクイーンと貧乳のシークイーン。どちらも抱き心地は抜群だ。しかも彼女たちは俺に心酔している。まぁたしかに彼女らを救ったのは俺だが。
「シングルモルト様ぁ♡」
「もっとぉ♡ お慈悲をぉ♡」
まだやる気か。俺にも限界はあるのだが。あと、三美姫の相手は今日はもう出来ないな。
「ふぅ」
そうして賢者モードに突入。色々とぐったりしてシャワールームで匂いを落とす。セクロスも終わったことだし、ツインクイーンもエロエロな女幹部衣装に戻る。
「じゃあハッカーを雇って米軍のデータベースの洗い出しをよろしくな」
「承りました。シングルモルト様」
「お任せくださいっす」
「じゃあな」
最終的にグダグダにはなったが、ツインクイーンの事務能力については俺も信頼している。およそ彼女らに任せれば問題はないだろう。報酬もちゃんと支払っているし、大丈夫だろ……多分。そういうわけで俺は五分の四ラの格好をしているツインクイーンと別れてWARPドライバで家に戻る。さすがにもうちょっと警戒を強めておくか。相手が何者であれ、米軍のデータをクラックして自在に操る傑物だ。
「とすると新しいブローギアか。あるいはシュクールミジュギか」
どっちもピンとこないな。
「そういえば」
バーゴストライカーズの新規ブースターパックについての相談も忘れていた。スクール水着仮面一号と二号のサイン入りシークレットが最上級として、他にどういうカードがあるかは知っておくべきだった。せっかくだから俺も須久留ミズキにサインをもらいに行くか。一号は俺なので、さすがにサインは要らない。こんな俺のサインを欲しがる俺がいるわけも無く。
「っていうか学園中からサイン求められるんじゃないか? ミズキの奴」
自分がスクール水着仮面二号とバラしているのだから。ちなみにまだ以て一号の正体は謎である。知っているのは俺とツインクイーン程度。こういうのは知っている人間が少ないほどいいのだ。
「あとアメリカの動きも気になるな」
無人戦闘機の強襲がハッキングの結果とは言われているが、それが事実だとしても自作……とまではいかずとも自演の可能性もないではない。
「米軍側がハッキングを許可した可能性……か」
そう考えるとドツボにハマるな。思考を打ち切ろう。
「とりあえずはまぁ。飯だよな」
隣の香鳴さん家は留守だろう。ほら、色々と事情もあるしな。とすると飯は外食にするか。適当にマスラオでも誘ってさ。




