第48話:米国の敗北
「我々は無雲帝国を弾劾する! この偉大なる星を救うべき技術を独占し、我がことにのみ利益を貪る輩! あえて言おう! カスであると!」
国際的な非難が集中している米国。その大統領は第七艦隊がバーゴストライクならびにオーダーメイドに惨敗したことをテロとして非難し、悪のレッテルを無雲帝国に張ろうとしているが全世界の人間の視線は冷ややかだった。武力を背景に技術の開示を強要。断られたら軍事力を行使して侵略を開始。しかも追加で戦争にバーゴストライクを参入させる。どう考えても国際的に非難されるべきは米国の方だった。
「無雲帝国皇帝! 貴様は自分たちがどれだけ可愛いのだ! この地球から貧しい民を救うはずの技術を我欲にだけ使うなど……」
そのアメリカの演説を俺は自分の家のスマホでリアルタイムで見ていた。アメリカが昼なのでこっちは夜だ。
「ご主人様。デカフェの紅茶でございます♡」
そうして座敷部屋でスマホを見ていると、下着にエプロン姿の壱岐尾先生が俺に紅茶を淹れてくれた。
「デカフェってなんだ?」
「カフェインの入っていない紅茶ですね。睡眠前に摂取するのも推奨できませんので」
「これから夜は長いぞ?」
ナイトブラに同じ色のパンツ。あとはエプロンだけの姿の壱岐尾先生を見て、俺は舌なめずりする。この爆乳行き遅れマゾブタを今夜は相手にするのだ。
「ご主人様にエッチな目で見られてるぅ♡」
その性欲にギラついた眼だけで壱岐尾先生は発情するらしい。既にバーゴストライクは互いの正体を知っている。その上で、理解者が俺だけということでこれからも俺を頼ることを前提とし、そのために四等分で俺を共有することに決めたらしい。俺が四人とエッチするのは四人とも納得しており、今夜は壱岐尾先生の番ということだ。それにしてもHカップのおっぱいってプレッシャーが凄いな。香鳴キレイさんも同じくらい大きいが、あっちと違うのは経験の差だ。キレイさんは熟練のメスって感じだが、壱岐尾先生は妄想が先行するブタって感じ。
「米国を擁護する声は少ないですね」
「まぁあれだけのことをやらかせばな」
大統領は国際法廷がどうのこうの言っているが、もちろん無雲帝国皇帝である俺がそこに出頭する意味も無いし理由もない。
『バカじゃねーの』
『自業自得だろ』
『むしろ穏便な方だろ』
『メターマンも動いてないしな』
ネットの感想はそんなところ。いくら大統領がわめいても米国のエゴによる軍隊運用は既に国際社会の非難の的。味方など一人もいなかった。国民の目すらも冷ややかだ。国際魔法少女基金に千億ドル支払って、「何の成果も得られませんでした」というどこかの巨人が出てくるアニメばりに悲しい結果に終わったのだ。その千億ドルを支払ったのは実質国民の血税で、つまり国際魔法少女基金に千億ドル丸々奪われただけという。その内約二兆円がバーゴストライクに支払われ、よく考えると壱岐尾先生はもう教師職をしなくていいんじゃないか?
「いえ♡ ご主人様の成績の内申点を改竄して、ご奉仕するという使命がありますので」
ああ、なるほど。俺がご主人様なので、奴隷の壱岐尾先生は俺の成績を修正できるのか。なら内申点については心配する必要がないと。
「世界よ! 立ち上がれ! 我々は意見を一致させ無雲帝国の非道に対して立ち向かわなければならないのだ!」
さて、そろそろ大統領の妄言も聞き飽きた。俺はスマホを切った。世界どころか国民にさえ反発されて、現米国政権は崩壊の序章だろう。次の選挙で勝てるわけもない。それだけの暴挙を現政権はしてしまったのだ。
「ご・しゅ・じ・ん・さ・ま♡」
エプロン越しにおっぱいを押し付けて、甘えるように背中から俺を抱きしめる壱岐尾先生。そのあふれんばかりの女体の柔らかさは、男の俺としても何も思わないのは嘘で。
「じゃあ――――してくれるか?」
「もちろんです。ご主人様の喜ぶことは全部してあげたいです♡」
そうして唇をペロリと舐める。既にスイッチが入っているらしい。
「じゃあ――――しながら同時に――――もしろよ。ビチョビチョにしておけ」
「すでになっておりますわ♡」
「ドスケベだな。壱岐尾先生は」
「ご主人様に可愛がられるメスは皆こうなりますわ♡」
んなわけねー……と言えないところが怖いところ。そう言えばハーレクイーンやシークイーンも……。ついでにキワミも結構アレだったなぁ。マスラオに至ってはTSなので性欲は男に準拠するし。
「ん♡ ご主人様のモノ……美味しいです♡」
「敬意を持ってしゃぶるんだぞ」
「はい♡ 先生をメスにする唯一のモノですから♡」
そうして睡眠不足確定の時間まで俺と壱岐尾先生は楽しんだ。そうして布団で目を覚まし、昨夜に疲れを残して起き上がると、下着にエプロン姿の壱岐尾先生が朝食を作ってくれていた。朝の一杯目は急須で淹れた緑茶。ご飯はレンチンで味噌汁はインスタント。だがゴボウサラダは手作りで、後は冷凍食品のコロッケ。
「美味いな」
「二次製品ですけどね」
「一緒に登校か?」
「教師職の都合上、少し早く出ますけど、よろしいでしょうか?」
「俺は構わんが」
そうして朝飯を食ってスマホを覗く。無雲帝国ならびに日本の大統領への意見は冷ややかだった。何を言ってるんだ。自業自得だろ。そもそも誠意も無く技術提供を求めるのが間違っている。合算するとそんな意見。俺も激しく同意する。
「ま、おかげで先生たちは二兆円稼がせてもらったんですけどね」
正確には一兆八千七百五十億円。まぁ個人が保有する資産としては上の方。とは言っても財閥が管理する世の中だ。上には本当に上がいる。自由経済が主流になって物価が上がり、地球経済がインフレーションしているせいで、既に世界全体の資産を合計すると数十京円にも上るので、兆円程度では世界のトップとは言えない。それでも個人として幸せに暮らすだけなら十分な金だろう。とはいえここでバーゴストライクを引退されても困るのだが。メターマンは未だに世界で暴れまわっているし、その調停には魔法少女バーゴストライクがどうしても必要だ。なんてったってピスタキオン・サルベーションを使わないと破壊された都市とインフラは元に戻らない。田舎の村がどうのならまだ可愛いが、大都市でメターマンが暴れた場合、復興に数百億円は予算がいる。そういう意味ではメターマン排除に国際魔法少女基金に払う最低金額が十億円はむしろ良心的な値段なのだ。何よりインフラは金を払って直せばいいが、死んだ人間は魔法少女にしか蘇生できない。ピスタキオンという超光速粒子による因果の逆転が無ければ死者は生き返らないのだ。
「ご主人様。それでは参りましょうか」
既に太陽少女オーバーサンとして大金を稼いでいる壱岐尾先生はスーパーカーを乗り回していた。行ったことはないが、先生の家には大きな車庫があり、スーパーカーが勢ぞろいしているらしい。本人から聞いたのでまず間違いないだろう。まぁこの前の膨大な米国の入金より前でも多数の出動で数百億円稼いでいたのでスーパーカーの五台や十台くらいは買ったところで問題にもならないだろうが。あえて不便な点を挙げるなら外国車なので部品が外国調達になること。有名どころの車なので整備会社も部品は輸入しているだろうが、イタリアって結構適当に会社運営しているので、夏に長い休みを取って部品が日本の在庫に無かったら一ヶ月待ってくださいとかも普通にあり得るらしい。俺は車の免許は持っていないので知らないが。今日のスーパーカーは、まぁ誰でも知っているイタ車のアレ。俺も助手席に乗ってシートベルトを締める。ちなみに壱岐尾先生はHカップなのでシートベルトをすると……ほら……おっぱいの谷間がね?
「揉みたいなら揉んでいいですからね」
「じゃあ失礼して」
俺は手を伸ばす。
「この身体はあまねくご主人様が支配するものですから♡」
「内申点の件はよろしくな」
「もちろんです♡ ご主人様の成績は恥ずかしくないモノにします♪」
それもそれでエロゲー展開みたいでなんかアレだが。まぁいいか。




