第21話:裸エプロンとカレー
「はー。天国はここにあった……」
裸エプロンでキッチンに立っているキラを見て、俺はニヤつく自分を抑えられなかった。背中からお尻、太ももにかけてラの状態でキラがそこにいる。靴下は俺の好みで穿かせたままだ。
「キラってお尻大きいんだな」
「むー。コンプレックスなのに……」
「褒めたつもりなんだが……」
「おっぱいが大きくなりたい」
「ちなみに今何カップ?」
「セクハラじゃない?」
「おやー? キラは俺に逆らえるのか?」
「……Cカップ…………」
三点リーダが多いのが気になるが。
「それだけあれば十分じゃね?」
「まぁ大きすぎても肩が凝ったりするしね。壱岐尾先生とか二江さんとか大変そう」
二人とも見事なモノをお持ちだからな。
「オワルのスケベ」
「そのスケベに裸エプロンで料理をしてくれているのは誰ですか?」
「全ラ動画撮られたら従うしかないじゃない」
「いや、キラにはメスブタの資質があると見たね」
「これだから童貞は」
ど、どどど、童貞じゃないし!
「目が泳いでいるわよ」
うん。まぁいいわ。童貞で。
「カレーのいい匂い」
「一応明日の分まで作ってるから」
「一緒に食おうな」
「裸エプロンで?」
「裸エプロンで」
ヒラヒラーと、スマホを振る。これがある限り、キラは俺に逆らえない。
「まぁ重力魔法で殺してもいいんだけど」
まぁやれるもんなら、って話だよな。
「じゃ、いただきまーす!」
畳敷きの座敷。そのちゃぶ台にカレーライスを乗せて、裸エプロンのキラと二人、飯にする。実際にメシマズ疑惑を撤回する程度にはキラのカレーは美味かった。
「そこはすまん」
「別に。わかってくれればいいんだけど」
おっぱいでエプロンに陰影をつけながら、キラもカレーをスプーンですくう。
「オワルは引かないのね」
「引くって?」
「私があんなこと言っていたら、普通ドン引きじゃない?」
「ああ、アレ。引いてないわけじゃ無いぞ」
「にしては吹聴もしないし」
「そこはほら。俺とキラの秘密というか」
「ギロチンの紐にハサミを当てられている気分よ」
「まぁ世界が嫌になったら地球をブラックホールに飲み込ませればいいんでない?」
「考慮しておくわ」
まぁその場合、俺が全力で止める必要にかられるわけだが。
「でもさっき五億稼いでおいて、食べているのが手作りカレーって」
「堕星少女スタッブスターの手作りよ? 五億でも足りないっての」
「あとはバーゴストライカーのレアカードにサインを貰えば……」
「ネットで転売したら容赦なく殺すからね?」
「はい。キオツケマス……」
こいつには、やると言ったらやる……『スゴ味』があるッ!
「っていうか男なら裸エプロンの私を襲いなさいよ」
「おっぱいを拝めるだけで童貞にはお腹がいっぱいでございます」
「草食系って奴?」
まぁそもそも童貞じゃないんだが。
「私、魅力無い?」
「超絶ある」
そこはグッとサムズアップで返礼だ。
「でも手を出さないじゃん」
「っていうか。キラはしたいので?」
「正直興味はあるっていうか……」
「乙女だねー」
「あ、その超絶経験者の上から目線。気に入らないな」
「気のせい気のせい」
あっはっはーと俺は笑う。
「一人暮らしなら示威とかし放題だね」
多分その示威はあえて誤変換なんだろうけど。
「オカズもあるしな」
「消してくれるんじゃなかったの?」
「あんな嘘を本気で信じたのか?」
「……………………別にいいけど。消さなくて」
「すまん。冗談だ。ちゃんと消す」
「だから消さなくていいって。それで私を脅してよ」
「……脅されたいのか?」
「ちょっと興味はあるって言ったじゃん」
「それが俺でも?」
「オワルは……その……私の本性を知っても引かないし」
いや、だから引いたって。あの時は確実に。
「それとも女子に恥をかかせる気?」
「じゃあその件はいったん持ち帰れ」
「いったん?」
「俺に抱かれていいのか。ちゃんと考えろ。もしもそれで抱かれていいって結論が出たら相手してやるから」
「童貞だよね?」
「ドウテイデスヨー」
「嘘だ! 嘘をついてる口調だ!」
「仕方ねーだろ。こっちにも事情はあるんだよ」
「開き直った! 相手は誰!? マスラオ!?」
いや、流石にアレを相手にするのは事情が無ければ不可能で。ドレスティック・コンバータしたら、まぁ抱けるかもしれないけど。
「ほらほら~。おっぱいだぞー?」
Cカップのおっぱいをエプロン越しに寄せて上げる。あのエプロンの下は。
「全ラだよ?」
まぁそうだよな。
「三美姫の星崎キラーンの裸エプロンか~」
「貴重なモノを見ているね」
まさにその通りであって。星崎キラーンの裸エプロンとか五億でも足りない。それが今、俺の目の前にある。
「じゃあ動画は消すか」
「残してていいって。また私を脅してくれるんでしょ?」
キャピッと、キラはウィンクした。まぁ脅すというか。キラを好き勝手に命令できる権利は持っていて損はないというか。星崎キラーンを裸エプロンにする権利。
「私とオワルだけの秘密ね♡」
あ、はい。是非にその通りで。




